小説「影法師」を読む。この文庫本の著者は、百名尚樹氏、虎ノ門ニュースやツイッターなどではおなじみだが、本職の書籍は、永遠のゼロ、夏の騎士、野良犬の値段に続いて、読んでみるか、と手に取ったものだ。
四百頁ほどで、二、三日で読み終わった。後半の百五十頁は、ちょっとした空き時間があり、喫茶店で続きを読むか、と読み始めたところ、最後まで一気に読み終えてしまった。
時代劇だが、百田さんの文章は、読みやすい。干拓の話や中山道が出てくるから、おそらく日本海側の県がモデルだろう。影法師とは、辞書によると「光が当たって物に映っている人の影」という。従って同じ人間のことだ。
この小説は、伏線が多く、意味のありそうな切れたリンクが幾つも存在していた。そして最後の方でそれらのリンクが次々に繋がって来る。主人公の勘一の影法師の意味が、最後で分かった。これも伏線だった。見事な構成だ。
ネットで影法師を検索すると、堀内孝雄の影法師が先頭に出て来た。小説影法師とは関係ないようだが、曲はこちら。