花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

スルバラン「ヤコブと十二人の息子たち」。

2020-03-23 22:22:06 | 西洋絵画

スペインの画家スルバランは私的に好きな画家の一人で、今回の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の《アンティオキアの聖マルガリータ》来日が嬉しい。

 ピンボケです(^^;

フランシスコ・デ・スルバラン《アンティオキアの聖マルガリータ》(1630-34年)ロンドン・ナショナル・ギャラリー

スルバラン(Francisco de Zurbarán, 1598 -1664年)は、ベラスケス(Diego Rodríguez de Silva y Velázquez, 1599 - 1660年)やムリーリョ(Bartolomé Esteban Perez Murillo, 1617 - 1682年)と同じセビリア出身で、スペインのカラヴァジェスキと言えるテネブリズムの色濃い作風とモニュメンタルな人物造形が印象的な画家であり、また、静謐なボデゴン作品にみられるような自然描写が素晴らしい。

しかし、私的にスルバラン作品をプラドや各地の美術館などで色々観る機会はあったものの、スペイン美術に詳しくないし、スルバランについてもあまり良く知らなかった。ところが、嬉しいことに、2013年にフェッラーラのパラッツォ・ディアマンテで「Zurbarán (1598 – 1664)」展を観ることができた。

http://www.palazzodiamanti.it/1076/zurbarn

この意欲的な展覧会で特に印象的だったのは、今まで知らなかった異色の「ヤコブと12人の息子たち」シリーズからの出展3作品である個人蔵の《ベニヤミン》、オークランドのスルバラン・トラスト(The Zurbarán Trust)所蔵の《レビ》と《アシェル》だった。私は描かれた息子たちの個性的でエキゾチックな存在感に目を奪われてしまった。

フランシスコ・デ・スルバラン《ベニヤミン》(1640年頃)個人蔵

この「ヤコブと12人の息子たち」シリーズは、2017年から2018年にかけて、メドウズ美術館(ダラス)とフリック・コレクション(N.Y)で、全作品を一堂に並べて展示されたようで、Youtube動画でも展覧会の様相を見ることができる。

https://www.youtube.com/watch?v=DOUv2Up1by0

https://www.youtube.com/watch?v=b3q0jjLCaDs

https://www.youtube.com/watch?v=o29UGpXmikM

きっと壮観だっただろうなぁ~。できるものなら、いつか私も全作品が並んだ威容を観たいものだ....と思ってしまった。