山浦清美のお気楽トーク

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放射能除去装置について

2013-05-18 | 政治・経済・社会

 放射能除去装置という名称は色々と誤解を招きかねないように思います。ネット検索をしてみても、放射性物質を分離するものだったり、放射性物質を別の核種に変換して無毒化(?)するものだったりします。以前書いた「放射能除去装置の可能性」という記事は、後者の意味の装置を指しております。

 前者の意味での放射能除去装置は、広く拡散した放射性物質を分離収集し、非放射物質を取り出すようなものです。例えば、福島第1原発で稼動している汚染水処理装置が該当します。高濃度汚染水を当該装置で処理することにより、汚染水の放射能レベルを低下させます。しかし、処理装置には高レベルの放射性物質が残されることになります。

 後者の意味での放射能除去装置は、放射性物質を非放射性物質化する装置を指します。先に紹介した東海村のジェイ・パーク(J-PARC)で行われている研究は、核廃棄物に中性子線を当て、低レベルの放射性物質に核種を転換するものです。この研究が実用化されれば、前者の意味での放射能除去装置で取り除いた高レベルの放射性物質を低レベル化したり、半減期の短い放射性物質に転換できるようになります。

 現在、汚染水処理、除染で発生する廃棄物の処理、核廃棄物最終処分場など未解決の問題が山積しております。これらの問題を解決するには、前後の意味での放射能除去装置の高性能化と後者の意味での放射能除去装置の開発が待たれるところです。