眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

深夜ランナー

2019-10-09 04:54:58 | 短い話、短い歌
 突然の足音に身が竦む。まさか、自分に向かう刺客では? 特別わるいことをしてきた覚えはないけれど。他人の恨みは根深いものだから、どこに隠れ、どこに眠っているか、わかりはしない。恐れを抱いたのは、スパイ映画を見た後だった。裏切りの応酬、斬新なアイテム、機敏な身のこなし……。まだ興奮が強く残っていた。足音が加速して大きくなっていく。迫る影。
 
タッタッタッタッタッタッ
規則正しいリズム!
美しく整ったフォーム!
 男は自分の敵ではなかった。
 彼は彼のコースを突き進む「ランナー」だ。
 
 
Aメロで
土砂降りになる
新曲を
口ずさむボクサーのジョギング
 
(折句「江戸仕草」短歌)
 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緑の王様 | トップ | デジャビュ・コンタクト »

コメントを投稿