眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

喩えはわかりやすく

2019-09-27 17:29:11 | フェイク・コラム
 上手く使えば理屈をつけるよりも速く相手に伝えることができる。比喩は聞く者の中で小さな物語として映像化される。
 しかし誤って使えば、むしろ逆効果だ。
 伝わらない比喩は話を複雑化し、理解の足を引っ張ることだろう。
 
 例えばそれはみんながよく知っている料理などで例えるのが一番間違いがない。計画を立て、食材を調達し、冷やしたり干したり、下準備をし、食べやすいようにカットして、煮たり焼いたり、スパイスを利かし、最初は強火で、あとはじっくり、ちょうどいい皿に盛りつけて、それに相応しいワインと一緒に、愛する人に届けるようにして、お話を作りましょうと言えば、誰にでもよく伝わる。
 
「毎日食べて、毎日作る。お話作りは料理だ」
 
 オーダーを組んで、トップには足の速い奴を入れ、とにかく累に出て、相手を揺さぶって、かき回して、どんどん走者をため込んで、一発ドカーン! 今までまいてきた登場人物を一気に回収する、機動力野球のようにお話をまとめましょうと言えば、誰からも理解される。
 
「走者を溜めて今こそ共感のホームランを」
 
 大駒の通り道を作り、金銀を押し上げて中盤に厚みを築き、玉形はバランスよく、流れ弾に当たらぬように、どちらにも逃げ出せるように、遊び駒を作らず、スピーディーに桂を活用し、構想を練り、隙あらば打って出て、すべての駒が前に前に行くように、そして十分に読みを入れ、銀の頭を叩き、金はむしろ斜めに誘い、角には角で対抗し、下段の香に力を与え、くれぐれも歩切れにならぬように、いつでも金底に歩を用意して、そうして一手勝ちと見れば恐れずに踏み込み、一間竜の如くフィニッシュをお話の最後に持ってこよう!
 
「二枚飛車に追われた夢の話で背筋を冷たくしろ!」
 
 

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