眠れない夜の言葉遊び

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【将棋ウォーズ自戦記】投了もやむなし

2021-12-10 16:46:00 | 将棋ウォーズ自戦記
 中飛車から中央の歩を突くと相手も合わせて突いてきたので早くも動揺した。この形の中飛車はあまり指した記憶がない。指し始めから妙な違和感を覚えると上手くゲームに乗っていけない場合がある。落ち着かないまま囲いに入る。
 相手は飛車先を伸ばし銀を中段に繰り出してきた。僕も対抗して銀を繰り出すがどうも遅れているような気もする。相手は角を引いて引き角の構え。

 なんと! 出てきた銀は左銀だったのか!(僕は少し寝ぼけながら指していたせいもあって、相手の駒組みをよくみていなかった)

 ぼーっとしている間に相手はグイッと銀を立ち、角頭の歩を狙った。受けはない。歩くらい何だ。僕は中央から反撃に出る。銀の進出に角を上がってかわした。相手は攻撃の手を緩めない。飛車先から突破してくる。歩を謝って受けるがなおもしつこく合わせてくる。受けはない。
 僕は中央に希望を託す。と金を払うと相手は銀を成り込んできた。

「こっちか!」
 金がよろけて隙ができていた。なんと飛車と角の両取りがかかっている。角の方は完全に浮いている上に、居飛車の飛車も直射しており、完全に受けがない。それどころか終わっている。

(投了もやむなし)

 ここから先は指してもあまり意味はなかった。3分切れ負けでは何が起こるかわからない。少々のことではあきらめず、指し続ければ逆転することも多い。例えば、うっかり飛車をただで取られてしまったとしても、何食わぬ顔で指し続ける姿勢は大事だと思っている。だが、こういうのは駄目だ。将棋の作りが全くなってない。流行りの評価値で言えばマイナス2000以上の差か。

 まさに「投了もやむなし」
 絵に描いたような必敗形は、そこで棋譜を閉じて切り替えた方がよいのではないだろうか。
 僕はそこで投げきれずに、力のない手を指し続けた。いくら3分切れ負けとは言っても、勝負にならない形勢差というのはある。その後は駒をボロボロ取られ続けて、全く見所のない将棋となってしまった。

 昇段まであと1%のところだったが、連敗して10%後退。居飛車側が繰り出してきて大活躍した銀に比べ、僕の左銀は中段のおかしな場所で遊んだままだった。それが一局の不出来を象徴している。(こんなことなら何も動かずにいた方が守りに利いていただろう)こんなデタラメな振り飛車では、五段、六段にはとても勝てる気がしない。昇段は百年早いというものだ。

コメント
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