白を基調とした店内に流れるのは古びたJポップ。鉄板の上のナポリタンに思い切りタバスコを振りかけると何だかいい気分だ。半分くらい食べてさらに粉チーズをふりかけた時、穴から虫のミイラが飛び出して鉄板の上に降りた。フォークでちょんちょんとつつくとミイラが復活した。
「ちょっとマスター!」
「また出たかー!」
駆けてきたマスターはすっかり猫になっていた。ミイラを追って飛び出していく猫を、僕も追いかけた。いくら味がよくてもこんな管理では駄目だと言ってやらないと。
猫についてよじ登った屋根の上は鍵盤になっていた。猫の歩みに着想を得て作曲を試みる。流行のジャズにフィッシャーのスピードを取り入れてガチャガチャしたような音楽性にしよう。理想のキーを探している間に猫はいなくなっていた。1つ冴えた感じのができそうになった頃、鴉が降りてきてジョイントしようと言ったが、初心者であることを理由に断った。
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即興は猫に習った足取りで弾むpomeraの上のメルヘン