眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

異分子の訪れ

2020-07-01 22:21:00 | 忘れものがかり
 子供の頃、僕は強い人でありたかった。人前で弱いところをみせるのは絶対に許せなかった。(何より自分を一番よく知る人の前では)
 上級生なんかに負けはしない。自分が悪くないのに謝ったりなんてしない。罵られたって平気だ。言葉で負けるものか。
「こいつ泣くぞ」もう泣くぞ
 周りは敵ばかり。だけど、僕は負けない。誰より僕は強いから。
「泣くぞ」
 言わせておけばいい。僕は痛くない。

「もうやめておけよ。かわいそうだろ」
 ??????????????
 何だ? それはどういうことだろう。
 張り詰めていた僕の胸の中に、異分子が入り込んでくる。
 何だよ? 現れるなよ。
「大丈夫だからね。泣かなくていいからね」
 感情がコントロールできない。

わーーーーーーーーーーーーーーーーっ

 負ける時は簡単にやってきた。
 急に来るなよ。
(敵ばかりなら、僕は平気だったのに)

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6月の妖怪

2020-07-01 16:19:00 | ナノノベル
「そろそろ降るよ」
(さあ、準備をなさい)
 僕は傘の柄を握りしめ、傘のボタンに指をかけて構えた。(さあ、そろそろくるよ)少し緊張しながら、今か今かと警戒して歩いた。雨はなかなか降らなかった。そんなことが何度も繰り返された。

「そろそろ降るよ」
 今でもあの声を耳元に思い出すことができる。(用意はいい?)僕は傘の柄を強く握りしめ、傘のボタンに指をかけて構えた。次の瞬間に降り出しても、少しも濡れることがないように。
「そろそろ」はいつだろう……。
 ひと時も警戒を解くことができず、はらはらしながら歩いた。ずっと雨は降らなかった。僕は備えることを学び、期待を裏切られることに慣れた。
 今思えば、あれは妖怪そろそろの仕業だったのかもしれない。

 数年振りに6月にお墓を参った。
「鍛えてくれてありがとう」
 雨はもう上がっていたけど、草木が濡れ、まだ雨の匂いが残っていた。ぽつぽつと街に明かりがついていくのが見える。次はいつ来られるかわからない。先の見えない世の中だから、色々と準備することがあった。

「そろそろ行くよ」


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朝の無茶苦茶折句、和歌で言葉遊び

2020-07-01 07:33:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
躊躇なく中選挙区でチューをした
中華料理屋駐車場にて

折句「チュチュチュチュチュ」短歌)


あざぁーすぅ
詞は崩れても
魂あり

(折句「あした」俳句)

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