眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

クリスマスクッピー

2014-03-18 14:30:36 | クリスマスの折句
 先日、予定の時間より少し遅れて病院に行ってみると待合室はどこもかしこも人でいっぱいで、座る場所を探すのにも一苦労する有様でした。目覚まし時計はちゃんとセットしていたし、しっかりと鳴りもしたし、私はその音と同時に起きもしたのでした。そして、そつなく準備を済ませると予定の時間よりも少し早く家を出発したのでした。天気もよく、道行く信号機はみんな青でした。このままでは予定よりも早く着きすぎてしまう。そう考えた私は、いつもより歩くペースを3分の1遅くしたのでした。
 見たところ席は1つしか空いてなく、隣にはとても大きな熊が近寄り難い雰囲気を醸し出しながら座っていました。恐る恐る近づいていく内に、私は既に近づき過ぎたことを悟りました。今更引き返すには、私の体は空席を探し、空席に近づき、空席を探し当てて、空席に身を沈めようとする雰囲気を多分に醸し出していたからです。軽く頭を下げながら、私は熊の隣に座りました。
(早く熊がいなくなりますように) 
 私はただそれだけを祈りながら、まるで頭に入り込まない活字の海を手の中に広げて耐えていたのでした。3分の1でなく4分の1くらいならばよかっただろうか。突然襲い掛かってきたらどうしよう。そう考える1分はとてつもなく長く感じられ、私は私の時間が訪れるより先に倒れてしまうかもしれないと思いました。
 呼ばれたのは熊の隣に座っている女の子でした。
「お母さんも一緒に入られますか?」
「はーい!」
 熊は元気に返事をしました。熊はお母さんだったのです。
 そうとわかると今まで自分が密かに抱いていた恐怖が、おかしくて仕方ありませんでした。身勝手な想像を悔い、反省していると、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。

クッピーの
領地におりて
水牛は
曲がり角から
水車を睨む

 緊張から解かれたせいか、歌はそれからとんとんと浮かびました。

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連れション

2014-03-18 00:45:09 | ショートピース
空っぽになって声も元気も何も出なかった。ついに自分は独りになって、世間とのつながりのすべてを失った。日が昇ると突然、友達が隣に立っている。川辺から果てしなく遠くへ勢いよく放出してみせた。ならばこちらも……。「明けましておめでとう」蘇った対抗心が自分を返信に導いた。#twnovel

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