小洒落た店で、ふさわしくない上司と部下。こちらは懇親会の後だから、というよりも、仕事の話が大嫌いな二人、もう二人は仕事の話が好きな二人の四人。隣の見知らぬ二人は、所長と課長と言っている。
所長は偉く講釈を並べているが論理的でない。課長は課長で頷き、時折意見を言うが、直ぐに所長は話を被せ、意見を断ち切る。
論理的におかしい会話を聞くのは嫌ではないが、ここまで来て、意味のない会話が続き右耳が疲れる。
人間の耳は素晴らしく、ある周波数をロックオンすると鮮明に音を拾う。それが困る。支離滅裂な哲学が展開される。止めろと言いたいが、彼らも客だ。
そして、支払いになった。割り勘である。端数までしっかり割っている。課長という男もバカだ。あれだけ言いたい放題言われて割り勘かよ。所長という男は、また飲もうと誘い、課長はよろしくお願いしますと言っている。
源太郎なら、バカ言うな。同じ金を払うなら違う人と飲むという。幸い、もうこの世にいない先輩から割り勘を言われたことは一度もなかった。先輩いわく、おまえより俺の方が給料は高い。しかも俺が誘った。だから俺が払う。といつも言われた。そして、おまえが上に立ったらそれを忘れるなと教えられた。
今でもそれは実行している。さらに、先輩は、仕事の話はしなかった。それより、戦時中のことや、笑い話ばかりした。飲んでまでなぜ仕事の話をする必要があるとまで言った。一緒に行った二人は仕事の話を延々やっている。源太郎は席を中座して帰ることにした。付き合いだが、仕事の話をしに来た訳ではない。
皆、世間が狭すぎる。仕事は会社や役所でやればいい。飲み屋でするなら、時間外を払え。
ということで、無駄な飲み会だった。愚痴。
所長は偉く講釈を並べているが論理的でない。課長は課長で頷き、時折意見を言うが、直ぐに所長は話を被せ、意見を断ち切る。
論理的におかしい会話を聞くのは嫌ではないが、ここまで来て、意味のない会話が続き右耳が疲れる。
人間の耳は素晴らしく、ある周波数をロックオンすると鮮明に音を拾う。それが困る。支離滅裂な哲学が展開される。止めろと言いたいが、彼らも客だ。
そして、支払いになった。割り勘である。端数までしっかり割っている。課長という男もバカだ。あれだけ言いたい放題言われて割り勘かよ。所長という男は、また飲もうと誘い、課長はよろしくお願いしますと言っている。
源太郎なら、バカ言うな。同じ金を払うなら違う人と飲むという。幸い、もうこの世にいない先輩から割り勘を言われたことは一度もなかった。先輩いわく、おまえより俺の方が給料は高い。しかも俺が誘った。だから俺が払う。といつも言われた。そして、おまえが上に立ったらそれを忘れるなと教えられた。
今でもそれは実行している。さらに、先輩は、仕事の話はしなかった。それより、戦時中のことや、笑い話ばかりした。飲んでまでなぜ仕事の話をする必要があるとまで言った。一緒に行った二人は仕事の話を延々やっている。源太郎は席を中座して帰ることにした。付き合いだが、仕事の話をしに来た訳ではない。
皆、世間が狭すぎる。仕事は会社や役所でやればいい。飲み屋でするなら、時間外を払え。
ということで、無駄な飲み会だった。愚痴。