タラウエラ山(Mt. Tarawera、標高は1,111m)は、ニュージーランドの北島ロトルア湖北東に位置する火山で、2006年にこの地を訪問するまで、1886年に大噴火したことなど知らなかった。噴火120年後の訪問だった。
この火山は、1315年に大規模噴火したことがあり、ヨーロッパで起きた大飢饉はこの噴火によって引き起こされたものであると言われているが確証はない。そして、今から丁度130年前の1886年6月10日、大噴火した。
当時この地に行った時に買い求めた復刻版の新聞が出てきた。
「1886年6月10日の真夜中に、強い地震があった。午前2:30にタラウエラ山が噴火を始め、午前3:30、最大の噴火が発生した。そして、火砕サージ が、6キロ圏内のいくつかの村を破壊した。噴火の音は、800キロ以上離れた南島クライストチャーチまで聞こえた。噴火は多くのマオリ村を埋没させ、有名なピンクとホワイトテラスが失われた」
今では、観光地となっているが、たかだか130年前にこのような巨大な噴火がニュージーランド(1840年にイギリスの植民地となった)であったとは信じ難かった。
1886年といえば明治19年、帝国大学令が発布された年。(ちなみに帝国大学は「東京、京都、東北、九州、北海道、大阪、名古屋、京城、台北」) そして、ダイムラーがガソリン自動車を完成させた年。イギリスがビルマを植民地にした年、そして屈辱的なイギリス商船のノルマントン号事件があった年でもあった。このころのイギリスという国は本当に特権意識の国であって、腹立たしい。それが130年後、また世界経済を混乱の中に陥れる国になっているのに因縁を感じる。
翌日、源太郎はお気楽に観光としゃれこんだ(反省)。