Jerry Emma Laura Piano

Mina, Dalida, Barbara, Laura, Lara....美人大好き! あっ、Mihoが一番好き

高層マンションとファウスト

2014年01月09日 | 毎日の話
関西の有名な芸人がお亡くなりになった。関東ではテレビ放送の番組が無いので職場の関東以北の人はピンと来ないようだ。よく言えば毒舌、皮肉なら言いたい放題の人だった。本音を隠し体裁を気にする関東気質では受けないが、実に気持ち良い芸人だったと思う。若くして亡くなったことは残念。

電車の窓越しに霧雨の多摩川の川辺を飛ぶ二羽の鷺の姿が見えた。都内に入ると高層マンションが雲に向かって天に伸びている。上階はまだ闇のようだ。そんな光景を見ると、なぜかしら、ゲーテのファウストが思い出される。何故かわからない。景色を見て前にもここに居たと思うことがよくある。不思議だ。そしていつも同じ光景が浮かぶ。

冬ということもあり、車内の人達は皆、服の色も暗く、悪魔のマントのようにみえる。これもおかしい。きっと悪魔は気づかれないよういるはずだから、皆に溶け込むために黒づくめでいいと自己弁護。なら春先や夏はどうだと問われれば、返す言葉がない。

ここでファウストの前段。大抵、後半は読み切れていない。いつものメンバーで、その話を再現しよう。

時は、十六世紀の獨逸。

老学者の源太郎が自分の書斎で、人生をかけた自分の学問への努力が無駄であったと嘆いている。人生を終わりにしたいと願う気持ちが湧き上がるが、唯一の理性にいよって思いとどまる。そこに悪魔が現れ、 源太郎を見据え、彼の望みを聞くと語りかける。
源太郎は、半信半疑だったが、その言葉に自分の人生を掛けることにした。それは、再びの時間の欲求だった。源太郎は時間を得るために、青春が欲しいと望んだ。

悪魔は微笑みながらそれを叶えるといった。しかし、その代償として悪魔は源太郎に死後の魂を渡すように言う。源太郎がためらっていると、悪魔は美しい娘の絵理香の幻を見せる。幻影に惑わされて源太郎は死後の魂を渡すという契約書にサインをして、若返りの薬を飲んで若者に姿を変えた。

獨逸の小さな村で、絵理香と村人たちがにぎやかに語らっている。今日は、絵理香の兄の義男が徴兵で出兵する日だった。義男は友人の浩介に絵理香を頼むと言っている場所に悪魔は入っていき、その話を聞いている。遠目に見ていた源太郎は絵理香に恋心を抱く。

浩介は絵理香に花を贈ろうとするが、悪魔の計略により、花はすぐに枯れてしまう。それでも何とか花輪を作り、それを絵理香の家の玄関に置き立ち去っていった。そこに源太郎と悪魔が訪れ、源太郎は悪魔が用意した宝石入りの小箱を玄関に置いて2人は立ち去った。

絵理香は糸をつむぎながら歌を口ずさんでいたが、気配を感じ玄関に出てみると、置かれた宝石の小箱を見つけ、中に収められていた宝石を身に着けながら幸せを感じてしまう。そこに美恵子が現れ、宝石についてあれこれ話しているときに源太郎と悪魔が再び現れる。源太郎は絵理香を、悪魔は美恵子をそれぞれ口説き、やがて、絵理香は源太郎の愛を受け入れる。

時は過ぎ、源太郎は絵理香の元から去った。しかし、絵理香は源太郎の子供を身ごもっていた。絵理香は教会で源太郎が戻ることを祈るが、悪魔たちが絵理香を包む。折しも義男が軍から帰ってきて、妹の変わり果てた姿を見て怒りをあらわにする。

源太郎と悪魔が絵理香の家の前現れ、源太郎は後悔に苦悩するが、悪魔は不気味に笑う。源太郎を見つけた義男は源太郎に決闘を挑む。しかし悪魔の力を借りた源太郎に負け義男は亡くなってしまうのだ。

源太郎は悪魔に連れられ酒宴の騒ぎの中にいる。次々に美女が現れ踊る。しかし、源太郎は絵理香を忘れられず、絵理香の幻影を見る。源太郎が絵理香のところへ戻ってみると、絵理香は子供を殺した罪で牢獄の中にいた。再会した絵理香と源太郎は喜ぶが、絵理香は気がおかしくなっていたのだ。源太郎と悪魔は彼女を牢から逃げさせようとするが、絵理香はついていこうとしない。絵理香が神に祈ると、天使たちの合唱が聞こえ、絵理香は神の元に召されて行く。

単純な話に見えるが、いつものこのくらいで読むのをやめてしまう。韓流ドラマならどのように描くのだろう。でも韓流ドラマに悪魔の出る話はあったかな。