長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

年金データ流出問題・・・6/5長尾たかし集中審議質疑議事録

2015-06-09 09:40:53 | 社会保障・税
○渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長尾敬君。

○長尾委員 自由民主党の長尾敬でございます。厚生労働委員会では二年半ぶりに立たせていただくこと、委員長を初め、理事、委員の皆様には心から感謝を申し上げたいと思っております。今般のデータ流出事件、これは我が国の社会保障にかかわる大きな重大な問題であり、この場で冷静な、何が深刻でゆゆしき事態なのか、今どういう状態にあるのか、冷静な審議が必要だというふうに思っております。初動であるという部分であるから今何をなすべきかということを少しずつ、日々刻々状況は変わっています、恐らくこの後の審議の中でもいろいろなことがあろうかと思いますが、ここは与野党を超えて、しっかりと正すべきところは正す、こういう姿勢で御答弁をいただければと思っております。まずもって、日本年金機構が発足しました。この発足した経緯、旧社会保険庁が廃止をされて、小泉政権のときに廃止方針が出て、第一次安倍政権のときに法律ができて、長妻昭大臣のときに日本年金機構になった、この経緯について御説明をいただきたいと思います。

○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
旧社会保険庁におきましては、いろいろたび重なる不祥事あるいは国民の立場に立ったとは言えない事業運営、そういうことが起こって、さまざまな問題がありました。こうした、いわば組織の体質というものを一掃するとともに、真に国民の信頼を回復できる新たな組織の実現ということを目指して再編成が行われたものでございます。このため、旧社会保険庁を廃止し、厚生労働大臣が公的年金に係る財政責任と管理運営責任を担うということとする一方で、新たに非公務員型の公法人として日本年金機構を設立いたしまして、厚生労働大臣の直接的な監督のもとで公的年金に係る一連の運営業務を担わせるということにしたものでございます。その狙いとしては、年金業務の実務を担う専門組織として任務を明確化する、それからガバナンスを強化する、それから、能力と実績に基づくめり張りのきいた民間的な人事給与体系を可能とする、それから、民間へのアウトソーシングなどを積極的に推進して効率化を図るということで、サービスの向上と事業運営の効率化をともに期待できるような組織ということで、旧社会保険庁と異なるものとして日本年金機構を設立した、そういう経緯でございます。

○長尾委員 これは、はっきり言ってお題目にすぎないということを強く指摘させていただきます。何が変わったんだという話です。旧社会保険庁のあのていたらく、改ざんやりまくりの、もうここで口にするのも嫌気が差すほどのあの社会保険庁の状況があって、先ほど、専門家、そして統治をきっちりするというお題目の中で、今回の案件です。自民党の部会の中で参議院の元厚労大臣の方が、またやらかしたのかと。これは、部会で大声が上がるような状況というのも恥じていただきたい。そして今回、前は消えた年金、宙に浮いた年金ということがありましたが、今回の情報、データが流出したということは、前回と今回、どう違うんですか。

○水島参考人 まず、日本年金機構といたしまして、このような事態が発生いたしましたことに、お客様に多大な御迷惑と御心配をおかけしております。まことに申しわけなく、深くおわびを申し上げる次第でございます。年金記録問題は、基礎年金番号に統合されておりません記録が約五千万件ございましたことなど、年金記録の不適正な管理によりまして、お客様の年金権に多大な影響を与えたものだというふうに認識をいたしております。一方、今回の情報流出問題は、外部からの不正アクセスにより発生した事案ではありますが、このこと自体は極めて我々としては重く受けとめなければならないと考えております。
現時点では、お客様の年金権には影響は生じていないというふうに認識をいたしておりますが、この点では、年金記録問題とは異なるものであるというふうに考えております。しかしながら、個人情報が含まれておりますフォルダへのアクセス権限やパスワードの設定など、セキュリティー対策について徹底されていなかったという問題、これらの問題、いずれにせよ国民の皆様に不安を与えたことは変わりはありません。事態の大きさを真摯に受けとめ、個人情報の保護及び管理の徹底、職員教育等に取り組みつつ、お客様の年金を守ることをお約束し、年金業務の信頼確保に一層努めてまいりたいというふうに考えております。

○長尾委員 以前の消えた年金問題というのは、いわゆる社会保険庁の内部の話ですね。払われなきゃいけない年金が払われない、どなたの保険料なのかがわからないというような状況、クローズの話です。ただ、今回は加入者全員ですよ。たまたま今回、百二十五万人のデータが流出した訳ですが、例えば、私も、今この瞬間、私の年金データが流出しているかどうかがわからないわけで
す。そういう不安感というものは、年金機構さん、これはもう本当に受けとめてくださいね。お客様だけの話じゃないんです。全ての加入者、我が国の社会保険の根幹にかかわることなので、これは猛省していただきたい。そして、後ほど、どれだけいいかげんな対応であったかということは明らかにしていきたいと思いますが、ここまでで、厚労大臣、厚生労働省としてどのような御対応をとられていますか。

○塩崎国務大臣 今回の事案は、本当に国民の皆様方に改めて年金事業に対する信頼感を失いかねない大きな問題、重大な問題だというふうに思っております。監督する立場としてもおわびを申し上げ、この真相究明をまずするということと同時に、一番大事なのはやはり年金を守るということであって、二次被害が起きないように、今回の流出した情報が悪用されないように、年金の支払いが間違っても、誤ってなされないようにするということをまず最優先にしながら、真相究明と同時に再発防止に向けて原因究明をしたいというふうに思っておりますし、そのための第三者による検証委員会も立ち上げたということでございます。

○長尾委員 できれば第三者委員会に全てを委ねるのではなく、あわよくば、できれば厚生労働省としての検証もしていただきたいなというふうに思っています。また、不安に思っている方々が平日なかなか問い合わせに行けない。土曜日、日曜日、これは相当問い合わせが多いと思うんですが、それに対しては対応されていらっしゃいますか。

○塩崎国務大臣 御指摘のとおりでございまして、これだけの問題が起きていながら、この土日に、御心配されている方々が社会保険事務所に行って、閉まっているというのでは困るというふうに思いまして、少なくとも今週末の土日はあけてもらえるように、年金機構の水島理事長に対して、既に私の方から指示をしてあるところでございます。

○水島参考人 大臣からの御指示を踏まえまして、今週の土日に関しましては、全国の事務所を開庁いたします。追って、本日でございますが、新聞発表させていただきたいというふうに考えております。

○長尾委員 あと、職員の方の中に、いわゆるインターネットの書き込みがあって、先般、理事長が、あたかもそれは職員だというようなことを認められる御答弁をされたんですが、本当に職員さんだったんですか。

○水島参考人 職員であるということは確認されておりません。今回の個人情報流出に関しまして、機構の内部情報が2ちゃんねるに書き込まれたという旨の報道がなされております。このことが事実でございますれば、絶対にあってはならないことだというふうに考えております。仮に、職員の関与が明らかになった場合には、そのことを確認の上、厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。

○長尾委員 守秘義務違反ということはそうですが、これはふざけていますよ。はっきり言って、よくそんな職員を雇って、我々の大事な年金をという、こういった部分は強く、これは全て理事長の監督責任でございますので。それで、あとは、流出したデータについて警察庁にちょっとお聞きしたいんですが、僕ら素人は余りイメージが湧かないです。例えば、ワードであるとかエクセルであるとか、そういうものがデータとして流れた。今回流れたデータというのが、
それを、例えば、あたかも簡単にクリックして開けるように、流れた四つの年金データが誰にでも見られてしまうというような状態で発見されたんでしょうか。

○塩川政府参考人 今お尋ねの具体的な件につきましては、捜査中でありますので、お答えは差し控えさせていただきますが……(発言する者あり)捜査でございます。他方、このデータにつきましては、流出がないようにということで既に削除しております。以上でございます。

○長尾委員 あとは、このデータを仮に流用して、利用して、どのような犯罪を想定されていらっしゃいますか。あるいは、今、その予兆として、どのようなものが確認されていますか。

○露木政府参考人 現在、警察庁におきまして、都道府県警察から報告を受けておりますところでは、昨日の十五時現在の数字でございますけれども、日本年金機構の職員を装って個人情報を聞き出そうとした電話ですとか、あるいは年金情報の削除を持ちかけるといった内容の電話、こういった不審電話の届け出が全国で八十件、二十二の都道府県で発生をしているというふうな報告を受け
ております。ただし、その中で、実際に金銭の被害にまで至ったという事案はないというふうに聞いております。

○長尾委員 きのうのその時点で八十件ということであれば、これから確実に、リアルタイムでふえていくというような部分があろうかと思います。ぜひ御対応いただきたいと思います。あとは、やはり心配するのは、年金番号が流出
していますので、成り済ましで受給をしてしまうのではないかというようなことについては、警察はどのような対応を考えていらっしゃいますか。

○露木政府参考人 そういったことがないように、やはり広報啓発に努めていく必要があると考えております。日本年金機構からお伺いしたところであれば、
機構から電話やメールで連絡をしたりすることはないということでありますし、機構からお金を要求することはないということでもありますので、そういったことを私どもの方としても周知いたしながら、そういう成り済ましの防止という観点も含めて、広報啓発を一層進めてまいりたいと考えております。

○長尾委員 成り済ましの防止等については、事務手続の件で後ほどお聞きしたいと思います。お手元のちょっと資料を見ていただきたいんですが、これは端末機器の設置イメージであります。どうも報道は上の部分だけ切り取って報道している部分があるので、大事なのは下の部分ですね。確かに、データ、いわゆる四つのデータは流れ出てしまった。これは深刻、重大なゆゆしき事態である。一方、年金、いわゆる業務系のネットワークというものと情報系のネットワーク、二段構えである中で、この業務系のネットワークに今回ウイルスなりが感染しているということはないというふうにお聞きをいたしております。本来であれば、下の社会保険オンラインシステム、この中に全てのデータ、亡くなられている方のデータも含めれば一億件ぐらい入っているというふうにお聞きしておりますけれども、これはあくまでも年金の保険料の収納であるとか、支払い業務であるとか、それにかかわる幹の部分。ここの情報系ネットワークというのは、冒頭出ました、いわゆる消えた年金問題においての社会保険庁に
対する不信を払拭するために、窓口でお客様に対応ができるようにしていこうというネットワーク、これは二本立てであるということですね。役所にちょっと聞きましたら、業務系ネットワークの中から情報系ネットワークにデータを移行する。この移行作業というのは具体的にどのような方法でやるんですか。

○水島参考人 ハードディスクに落としてやっております。

○長尾委員 つまり、ハードディスクに落としているので、業務系ネットワークでおろしたデータを抜いて、オフライン状態で上の情報系ネットワークに移すということであるわけですね。そこで、今回は、もう皆様御案内のとおり、職員の一人のパソコンが感染をして全体に飛び火してしまった。ただ、問題なのは、この左上、インターネットにつながっているということなんです。私、今回、金融機関であるとか、クレジットカード会社であるとか、あるいは顧客データを扱っている会社にいろいろ聞いてみましたら、インターネットに接続していること自体が考えられないと。皆さんの選挙の名簿どうですか。うちは完全にオフラインにしています。インターネットがつながらないパソコンに支援者のデータ、あとお客様のデータ、これが当たり前なのに、なぜインターネットがつながっていたかという話なんですね。つまり、ここです。今はこれは遮断されているということですね。遮断されているということです。もう一つ問題は、上の段の共有ファイルサーバー、この共有ファイルサーバーのパスワードがかかっていないものが非常に多かったということなわけです。このパスワードかけてくれというのは、これは規律で決まっていることなんですね。どうなんですか。

○水島参考人 ルールとして定めてございます。

○長尾委員 これは後々の話になると思います。やはり処分をするとか、私も民間の金融機関出身でございますので、こういうのはもう当たり前に処分ですよ。当たり前の処分です。これは後々明らかにしていただきたいと思います。あと、NISCさんにちょっとお尋ねしたいんですけれども、こういった、ファイルにもパスワードがない。あと、恐らく、きょうは御答弁いいですけれども、つくられたもとデータが、例えば、普通なら暗号化されているんですよ。大体、金融機関はそうです。このような実態を専門家から、今回、本当によく検知してくださいましたよね。ありがとうございます。御所見をいただきたいと思います。

○三角政府参考人 お答え申します。本事案の原因究明につきましては、現在、私どもNISCの中に専門家チームをつくりまして、日本年金機構の監督官庁であります厚生労働省に対して資料提出などを求めているところでござい
ます。内閣サイバーセキュリティセンターといたしましては、今後、提出された資料など、これの内容に基づきまして厚生労働省の監督の状況について精査いたしまして、そして、本事案に関する原因究明を進め、問題点を明らかにしていきたいと考えております。

○長尾委員 今、厚生労働省に対してという御答弁がありました。なぜ、年金機構じゃないんですか。

○三角政府参考人 お答えいたします。日本年金機構の業務などにつきましては、日本年金機構法に基づきまして、厚生労働大臣の監督のもとで運営されていると認識しております。私ども内閣サイバーセキュリティセンターといたしましては、日本年金機構の監督官庁であります厚生労働省に対しまして資料提出等を求めておりまして、本事案に関する原因究明等を進めているということでございます。

○長尾委員 今後ぜひ御検討いただきたいのは、例えばデータというものは、基本、ちょっと言葉を選ばずに言いますが、流出してしまうということを前提で考えれば、やはり慎重になるわけですよね。何にもやっていないということは、流出を前提としていないということです。しかし、民間では当たり前にやっているんです。非常にこれはゆゆしき事態であるので、早急に対応していただ
きたいというふうに思います。中にはこういう技術もあるそうですよ。例えば、
絶対に限られた人間でないと見れない、渡したけれども、その人に渡したデータをもうその人に見せたくない、そうすると遠隔でファイルを削除することができる。もちろん、その環境が整っているということが前提ですけれども。昔、「スパイ大作戦」というのがあって、このテープは自動的に消滅するみたいな、時限的にファイルを消すとか、例えばこういうことというのは、まあ昔の話ですが、ちょっと古いですね、真剣に、今さらながら、対応していただきたい。時間もなくなりましたので、誰かに自分の年金が横取りされちゃうんじゃないかというような不安を持っている国民の方は多いと思います。これは、厚労大臣、自信を持って、そういうことはないというふうに御答弁ください。

○塩崎国務大臣 結論的にはそのとおりでございますけれども、年金の支払いのもととなる年金記録などを管理するシステムというのは、先ほど紙を配っていただきましたけれども、外部と直接インターネット接続されてはいないわけでありまして、このシステムからの情報の流出は確認をされておりません。また、年金の支払いは本人名義の口座に振り込むこととなっておりまして、仮に年金の振込先の金融機関を変更するというような場合には、金融機関の証明印などで本人の口座であることを確認する。流出した情報だけで年金の振り込み先を変更することは、これはもう困難であって、不正に振り込み口座を変更されて年金が横取りされるようなことはないものと認識しており、必ず御本人に支払うようにしたいというふうに思います。

○長尾委員 必ず御本人に支払うという御答弁をいただきました。今回の問題、ひとつ整理したいのは、消えた年金というのがありました。今回、大西委員には大変申しわけないんですが、漏れた年金という言い方というのは少々違うのかなと。年金は、もとサーバーにちゃんとデータが残っていますし、一切ウイルスの感染を受けていない。データが流出したということは甚大な深刻な問題ではありますけれども、しっかりと給付の問題については確保されているということ、私は、この厚生労働委員会の中でしっかりといろいろと議論をしながら、ごまかしではなく、今この瞬間の事実を言っています。しかし、これから刻一刻と状況は変わるので、ここはひとつ、さまざまな審議を政局に利用する
ことなく、冷静な議論のもとで審議を進めていきたいと思います。この中で、やはり、この局面において厚生労働大臣のリーダーシップというのは、私は大変重要なものがあるというふうに思います。もう一度、国民の皆さん、不安に思っている全ての加入者の方々にメッセージをいただきたいと思います。

○塩崎国務大臣 今回は、今先生御指摘のように、日本年金機構における情報流出、悪意のある不正アクセスが原因だったとしてもまことにこれは遺憾なことであって、年金制度の運営に責任を持つ厚生労働省としても、国民の年金を守るということを最優先に、今後の年金支払いへの影響が出ることが万が一にもないように、日本年金機構を指導していきたいというふうに考えております。また、先ほど申し上げたように、今回の事案を検証する、原因究明と再発防止策の検討を行うために、昨日、日本年金機構不正アクセス事案検証委員会というのをスタートさせました。第一回の会合は来週月曜日、六月八日の月曜日の午後に厚生労働省の中で開催を予定しておりまして、しっかりと検証を行いながら、厚生労働省として、最後まで責任を持って対応する所存でございます。

○長尾委員 本当にぜひよろしくお願いします。あと最後に、警察庁、犯人を捕まえてくださいね。今回、一番悪いやつは犯人ですから。厚生労働省も脇が甘かった。機構も脇が甘かった。しかし、悪いのは犯人です。犯人をしっかり捕まえて、同じような事件が起きないように、ぜひ万難を排し、国民の命と財産をお守りいただきますようお願いを申し上げまして、終了させていただきます。
ありがとうございます。
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