♬ 歌・唄・詩の日々

いい歌、いい歌手と出会いたい・・・
そんな気持ちを込めて綴る気ままな雑記帳です

前田有紀の試行錯誤

2005年06月18日 | 演歌・歌謡曲
よく立ち寄る大型古書店のCDコーナーの一角に、かつて隆盛を誇った8cmシングルが105円で並べられているが、ほとんどの客は目にも留めない。でも、よく探すと掘り出し物が見つかることもある。
J-POPに混じって永井みゆきの『恋する大阪』があった。ふと前田有紀のCDはないだろうかと思って見ると、何と『鳴きうさぎ』『東京Youターン』『東京、宵町草。』の初期作品3枚がそろって並んでいた!大げさに言えば霊感のようなものだった。4枚でしめて420円とは安い買物だ。

前田有紀の3枚のCDを聴いていると、この歌手をどう売り込むかの試行錯誤が伺われる。『鳴きうさぎ』では内容的には演歌のテイストで、歌詞を工夫した歌謡曲に仕上げ、『東京Youターン』ではほとんどJ-POPに接近している。『東京、宵町草。』は都会の喧騒の中によぎる望郷の思いを軽快なリズムとユニークな歌詞で表現する傑作だ。
そのあと、『東京きりぎりす』『さらさらの川』と歌謡曲路線で、『西新宿で逢ったひと』もムード歌謡だが、どうも彼女の個性が十分生かされていないようだ。これからの試行錯誤の中から、彼女にしか表現できない歌の世界が見つかることを期待したい。



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