山口かおる “運命じゃない”

山口かおるさんはその独特のハスキーボイスで、存在感を際立たせています。彼女は歌手としてデビューして今年で２０年になるとのことですが、個性的な歌手が少ない中でさらなる活躍が期待されます。

１月に出た新曲「運命じゃない」は、彼女の持ち味の翳りのあるムードを十分活かしたいい曲です。また、歌詞の屈折感が何とも言えない微妙な味わいです。作詞者の及川眠子さんは見慣れないお名前だったので調べてみたのですが、winkなどのＪポップやアニメソングを中心に作詞してきた方でした。

聴けば聴くほどに味わいが出てくる歌唱であり、歌詞であると言えるでしょう。彼女には今年はこの曲をじっくり歌いこんで、その個性をますます輝かせてほしいと思います。

花咲ゆき美 “冬の蛍”

花咲ゆき美さんは、若手演歌歌手の中でもかなり歌唱力にすぐれていると思います。そして彼女に提供される曲は、その歌唱力を活かしたいい曲ばかりで、昨年１２月にリリースされたこの「冬の蛍」も大変いい曲です。また、今回は三連符の歌謡曲テイストに初めて挑戦ということで、彼女の新しい一面を切り開く曲になっています。

歌い出しはさりげなく、徐々に盛り上げて情感を伝えていく歌唱は、ストレートに心に響いてくるものです。手話の動きを取り入れたという各コーラス最後の手の振りも、面白い試みで印象的です。

メロディーとしては覚えやすいので、カラオケでも親しまれることと思います。もう立春も過ぎましたが、この冬のイチ推し演歌としておすすめできます。