♬ 歌・唄・詩の日々

いい歌、いい歌手と出会いたい・・・
そんな気持ちを込めて綴る気ままな雑記帳です

原田悠里 「桜が咲いた」

2009年03月20日 | 演歌・歌謡曲

私は以前からこのブログでは比較的若い女性歌手をよく取り上げてきましたが、今回はベテランの原田悠里さんの新曲「桜が咲いた」です。
日本人は本当に桜の花が好きで、毎年この季節になると演歌・歌謡曲、J-POPを問わず桜をテーマにした曲がよく出てきます。

この曲の内容は、愛する伴侶を失くして悲しみにくれている主人公が、桜の花を見てその伴侶が励ましてくれているように思い、感動するというものです。死者をテーマにしているのですが、暗い雰囲気の曲ではなく、シンプルで軽快な曲調です。アレンジも愛唱歌風で親しみやすいものです。

各コーラスの終りのほうで「咲いた」というフレーズを4回くり返しますが、これは一人で力強く生きていこうという気持ちを高める効果があります。戦前の小学校1年の国語の教科書に「サイタ サイタ サクラガ サイタ」というのがあったそうで、この曲はこれを意識したのかはわかりませんが、「さ」の頭韻になっていて調子がいいです。

原田さんの歌唱は技巧に走らずシンプルに感情表現をしており、聴いていてまことに心地よいものです。

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山本智子 「若狭恋唄」

2009年03月18日 | 演歌・歌謡曲

山本智子さんもデビューからはや10年になるんですね。前作「炎(ひ)の川」に続く歌手生活10周年記念シングル第2弾の「若狭恋唄」は、彼女にとって初めてのご当地ソングです。演歌にはご当地ソングがつきものと言ってもいいのに、これまでの彼女の持ち歌になかったのが意外に思われます。
舞台は米国新大統領の名前と発音が同じということで、一躍世界的(?)に有名となった福井県小浜市です。

この曲の価値は、彼女の美しい民謡調の高音が味わえることでしょう。女性の一途な思いがひしひしと聴く者の心を打ちます。彼女が円熟した演歌歌手として新たな飛躍をする記念碑的作品となるのではないでしょうか。
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花咲ゆき美 「海峡雨情」

2009年03月14日 | 演歌・歌謡曲

“演歌の妖精”とのふれ込みで一昨年にデビューした花咲ゆき美さんのサードシングルは、一度聴いてすぐに好きになりました。作詞:池田充男氏、作曲:新井利昌氏のコンビは前2作と同じです。

この曲を聴いてまず感じたのは、花咲ゆき美さんの歌唱のうまさです。感情の表現が上手で、気持ちがストレートに伝わってきます。歌いだしはさりげなく、2フレーズ目でぐっと感情が高揚します。サビの部分では彼女の適度にハスキーな声が効果を高めています。

歌詞もなかなかいいと思います。テーマは演歌につきものの「別れ」「みれん」で、本当に数多くある「海峡もの」ではあるのですが、後ろ向きの感情だけではなく、去ってゆく人の無事を祈る前向きの感情も歌われています。
演歌の様式美をしっかり守りながら、いい味わいを持った逸品だと言えるでしょう。
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竹川美子・岡千秋 「お蝶次郎長恋姿」

2009年03月09日 | 演歌・歌謡曲

竹川美子さんの新曲が岡千秋さんとのデュエット曲だと知ったときは、ちょっと意外な感じもしましたが、何しろ相手が「浪花恋しぐれ」の大ヒットデュエット曲を持つ岡千秋さんなのですから、これは彼女にとっては光栄なことに違いありません。

岡千秋さんの声はいわゆる“だみ声”で、はっきり言って個人的には好きではありません。でも今回は主人公が任侠の大物、清水の次郎長親分ですから、いいんじゃないでしょうか。竹川美子さんはその妻、お蝶の役です。私はこのお蝶さんがどういった奥さんだったのか知識がないのですが、歌詞がいきなり「清水次郎長 女房がえらい」で始まるのですから、しっかり者の世話女房だったのでしょう。美子さんはその感じをうまく出しています。

この曲がいいのは、せりふの部分がユーモラスで明るいことでしょう。こういう夫婦ものデュエットは往々にして「おのろけ」一辺倒になりがちで、特にせりふなんか聴いていて気恥かしいことが多いですが、この曲のせりふは、酒の肴を石松が全部食べてしまって次郎長が憤慨する場面や、石松が斬られたと聞いてあわてて報復に出かける情景といった、芝居の一場面を見ているような感じがあって面白いです。

竹川美子さんもまもなくデビュー以来6年となり、若手から中堅としてますます活躍が期待されるところです。今回のデュエット曲は、彼女がまた新しい魅力を発揮して、演歌歌手としての円熟味をかもし出すきっかけになるでしょう。
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