演歌百撰

２７日の深夜に放送された｢演歌百撰」の録画ビデオをようやく見た。今回も、よしかわちなつ、網野ひとみという初めて見る歌手が出演していたが、あまりインパクトを感じなかった。
森山愛子「風樹の母」をテレビで見るのは初めてだ。スタジオ収録のためか表情が固いような印象で、声にもやや張りがなかった。やはり彼女はお客さんを前にしたライブステージでこそ実力が発揮できるように思う。衣装はこれまで赤のパンツルックが多かったのが、打って変って黒のシックなドレス姿で登場。曲のイメージに合わせたのだろうが、意表を突いてカジュアルなスタイルで重いテーマの曲を唄うというのも面白いのではないかと個人的には思っている。

森山愛子のマイセレクション

「ひるの歌謡曲」は、森山愛子のマイセレクションで、なかなか興味深い選曲だった。幼いころから唄っていたという坂本冬美の「祝い酒」は、多くの若手女性演歌歌手がカバーしており、お手本のようになっている。やはり力強い歌であり、聴かせどころがあるからだろう。
歌手になるきっかけとなったのが島津亜矢の「都会の雀」と知ってなるほどと思った。パワフルな歌唱、そして泥臭さと都会的センスの不思議な融合が、森山愛子の心をとらえたのだろうか。
ゆずの「友達の唄」、平原綾香の「明日」といったＪ－ＰＯＰがあるかと思えば、美空ひばりの「愛燦燦」、三波春夫の「雪の渡り鳥」といった昭和歌謡の超大物が出てくるところが面白い。
彼女は最後に、「まだまだ未熟な私ですが、ジャンルを問わず何でも唄える歌手になれるよう頑張ります。」とコメントしていた。いい心がけだ。これからも若さを武器に貪欲にいろんなものを吸収して、スケールの大きな歌手を目指してほしい。
来週の司会は「山ｓａｔｏ」こと山本智子が登場するので、これも楽しみだ。

最新カセットチャート

今週はどうも余裕がなくて、ラジオ・テレビの番組がなかなかチェックできない。明日の祝日も仕事が入っている。ぼやいていてもしょうがないので、最新カセットチャートについての感想を書いておこう。
上位３曲の水森かおり「五能線」、天童よしみ「花吹雪」、氷川きよし「初恋列車」は強い。この３人の人気は安定している。でもこのあたりを脅かすくらいの新人も期待したいところだ。
大沢桃子の「南部恋唄」が健闘している。歌コン効果もあるだろうが、曲がすぐれているので期待したい。
森山愛子の「風樹の母」は６７位から２７位と大躍進だ。これからがますます楽しみになってきた。
竹川美子の「江釣子のおんな」は少し順位を下げたものの、安定した強さである。２００３年以前に出た曲でこれだけ上位にあるのは、他では水森かおり、氷川きよしといった超人気者の曲だけだ。
粘って粘って、さらに輝け！今を時めく平成演歌の星になれ。

西郷輝彦

森山愛子が司会の「ひるの歌謡曲」は、いわゆる御三家のラストを飾って西郷輝彦の特集。西郷輝彦といえば、「星のフラメンコ」「君だけを」「十七才のこの胸に」あたりを思い浮かべる人が多いだろうが、私にとってのベストワンは、「初恋によろしく」だ。初恋のイメージにぴったりの甘くて酸っぱい感じの青春歌謡である。バンジョーを伴奏に用いていて、フォークっぽい感じのさわやかさがある。
これで御三家の特集が終わって、次は三田明と来るのかと思ったら、意外にも明日は倍賞千恵子の特集らしい。

森山愛子「あかね空」

きょうは所用で帰宅が遅く、「歌謡コンサート」の録画ビデオも、「ひるの歌謡曲」「歌謡スクランブル」の録音ＭＤもまだ聴けていない。
そこで「風樹の母」の関連の話題でつないでおきたい。
今回はカップリングの「あかね空」について。これはいわゆる「ふるさと歌謡」である。そういえば、森山愛子のデビュー曲「おんな節」のカップリング「ダメよ故郷さん」も、ふるさと歌謡だった。
このジャンルの曲は、私流の分類では二つあって、一つは自分が故郷を離れていて望郷の気持ちを唄うもの、もう一つは自分は故郷に残っていて、離れて行った人への想いを唄うものである。
この分類で行くと「ダメよ故郷さん」は前者、「あかね空」は後者となる。ちなみに竹川美子の「江釣子のおんな」は後者で、成世昌平と相互カバーしている「はぐれコキリコ」もそうだ。
「あかね空」も「風樹の母」と同じ松井由利夫氏の作詞で、平易な言葉でありながら印象的な歌詞である。「逢いたいな　逢いたいな　逢いたいな」と三回くり返すことで感情を高めていくところがいい。