ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.2.24 エンハーツ38クール目 さらに減量34回目投与後9日目のこと 根治は目指さないでいいから

2023-02-24 21:15:16 | 日記
 昨夜はブログアップ後、ドラマの録画を視てから入浴を済ませる。ベッドに入ったのは日付が変わってから。30分ほどしてふと目が覚めたが、その後は4時間ほど連続して眠ることが出来た。

 その後は眠れず、ほどなくしてスマホアラームが鳴り、時間差で目覚ましが鳴る。
 夫は出勤だ。今日は夕方から雨が降るという予報。朝ヨガをし、夫を送り出しBSで朝ドラを視て朝食。今日で吐き気止めカイトリルも疲労止めエルカルチンも無事飲み終わる。

 毬藻の水替えをし、夕食の下ごしらえをする。メールチェック、ネットニュースのチェックを済ませる。
 少し疲れてしまって、リビングで座ってアマゾンプライムで邦画を1本観てから、サボっていた(旅行やら体調不良で物理的に出来なかった)拭き掃除を終える。
 
 お昼はレンチンパスタとフリーズドライのスープにマーブルショコラのミニアイスクリームを頂いて、午後からY先生のストレッチングヨガに出かけた。
 参加者は25人。両隣がいなくて快適だ。ようやく足首を廻しても痛みがなくなった。転んでから1か月半。長かった。踏ん張る場面では、まだちょっとドキドキする。45分のクラスだが、満遍なく身体を動かしましょう、特に経絡を意識して足の内側、とのことでたっぷり汗がかけて気持ち良かった。少しずつ代謝が戻ってきている。
 終了後はシャワーを浴びてさっぱり。雨がポツポツしてきたので、まっすぐ帰宅した。念のため折り畳み傘を持って行って良かった。帰宅後はキャラメルマッキャートで一服。
 
 夫の帰宅に合わせて、ミールキットで夕食の準備をする。夕食後は母にMeet通話でご機嫌伺い。息子が帰宅して明日は夫と2人で荷物を実家に運ばせてもらうことになっている。その打ち合わせ等。
 お風呂を洗い、専業主婦らしく(?)普通の金曜日を過ごすことが出来た。エンハーツ38クールも何とかクリア。あと2クール頑張って40クールに達したら、10日間耐えて18日動く生活を10日間耐えて25日動ける生活に移行出来ることが楽しみである。

 ロシアのウクライナ侵攻から1年。どうしてこんなことが続いているのだろう。理不尽な侵略戦争が厳然としてある現実に慣れていくことが何より恐ろしい。

 読売新聞ヨミドクターに連載中の、Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」の最新号で、納得して治療に対する姿勢を正したので、下記転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)「根治は目指さなくていい」って、どういうことですか?(2023年2月23日)

 最初にがんができるのが「原発巣」で、原発巣から離れた場所までがんが飛び、塊を作るのが「遠隔転移」です。遠隔転移のある「進行がん」は根治が難しいのですが、進行がんの患者さんに対して、私は、「根治は目指さなくていい」と説明します。
 「とにかくがんを治してほしい」とおっしゃる患者さんも多く、すぐには理解してもらえないこともありますが、とても大事なことなので、時間をかけてお話しするようにしています。

「進行がん」では、根治は難しい
 根治とは、体からがんをすべて取り除き、ゼロにすることです。
 がんが限られた範囲にとどまっている「早期がん」であれば、がんを手術で取り切ることで、根治を目指せますが、「限られた範囲」をこえて、「遠隔転移」が生じていれば、病気が全身に広がっていることを意味し、「進行がん」となります。
 進行がんであっても、「治してほしい」と願う患者さんが多いのですが、がんをゼロにすることは難しいというのが現実です。
 CT検査などで確認できる遠隔転移が一つだけだったとしても、がん細胞という「種」は体中にまかれたと考えられます。検査でわかるのは1cmくらいの塊を形成したときですが、1cmの塊というのは、がん細胞が約10億個集まったものです。それより小さい塊があっても、検査では見つけられないのですが、1個でも転移が見つかったということは、他にも小さい「芽」が生えている可能性が高いと考えられます。
 そのような状況で、見つかった遠隔転移を手術で切除したとしても、がんをゼロにすることにはなりません。CTでは遠隔転移がわからなくなっても、体中にがん細胞の「種」や「芽」が残っているからです。
 限られた範囲に対して効果を発揮する、手術や放射線治療などを、「局所治療」と言います。早期がんであれば、局所治療で根治を目指せますが、進行がんの場合は、体全体の病気を制御する必要があるため、局所治療ではなく、薬を全身に行き渡らせる「全身治療」、すなわち、「薬物療法」を行う必要があります。
 進行がんであっても、特定の部位の病変によって、痛みや圧迫などの症状が起きている場合には、症状をやわらげるために、放射線治療などの局所治療を行います。ただ、局所治療では、体全体のがんの制御はできませんので、あくまでも、症状緩和が目的なのだと理解しておくことが重要です。
 体全体のがんの制御のために行うべきは、薬物療法です。抗がん剤のほか、ホルモン療法、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬など、様々な薬剤が使われます。
 近年の薬物療法の進歩により、高い効果が得られることが増えていて、CT検査では病変が確認できなくなることも、ときどき経験します。ただ、がん細胞の塊が見えなくなったとしても、がんがゼロになったということではありません。
 現在、体からがん細胞が消えたかどうかを厳密に調べる方法はありません。血液検査でがんのDNAを見つけて診断する方法も普及しつつありますが、そういう最先端技術を用いたとしても、「根治」を判定するのは困難です。

「治る」ことより大事なこと
 ここまでの説明を整理しておきます。
遠隔転移のある進行がんでは、「根治」は難しい。
遠隔転移を切除した場合や、薬物療法が効いてがんが確認できなくなった場合など、治ったように見えることがあるが、がんがゼロになっているわけではない。
そもそも、がんがゼロになったかどうかを判定することはできない。
 このような事実をどのように受け止め、どのように考え、進行がんとどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
 それに対する私の回答が、「根治を目指さなくていい」というものです。
 治ったように見える状態になる場合があるとしても、けっしてそれが目標ではありません。
 がんをゼロにするのは難しく、ゼロになったかどうかを判定するのも難しいのに、それを目指すのは得策ではありません。そんなことにこだわるより、もっと大事なことがあるのではないかと思うのです。
 「治らない」という事実を受け止めるのは容易なことではないでしょうが、「治る」ことへのこだわりから解放されたと考えてみるとよいかもしれません。治ることよりも、大事なことがあると気づけば、気持ちも楽になるのではないかと思います。

「いい状態で長生き」を目指す
 進行がんの患者さんに対して、私は、「がんをゼロにするのは難しい」ときちんと伝えた上で、次のように続けます。
 がんをゼロにすることが目指せたとして、それが究極の目標と言えるでしょうか。体中の病気を切除して、強力な抗がん剤を使って、がんはゼロになったけど命を落としてしまった場合、それでも、がんがゼロになってよかったと思うでしょうか。
 根治にこだわるよりも、「いい状態で長生きすること」を目指す方が重要なのだと思います。根治は達成できないとしても、がんとうまく長くつきあっていくことができます。
 がんが悪さをしないようにうまく抑えながら、できるだけ長生きして、天寿を全うできれば、それは、「がんが治った」というのと、ほとんど同じことのような気もします。「天寿」というのは、「自分なりの人生を生き切ること」で、それを支えるために医療にできることはたくさんあります。
 根治にこだわってしまうと、「いい状態で長生き」ができていたとしても、気持ちは満たされません。手の届かない「根治」を追い求め、つらい治療にすがってしまったり、不全感を抱えながら過ごしたりすることになります。逆に、「根治」が究極の目標ではないということに気づければ、追い詰められて治療を受けるのではなく、目標に適した治療をうまく選べるようになるはずです。
 医師の中にも、「根治」にこだわりを持ち、遠隔転移に対する局所治療を勧めたり、強い抗がん剤を勧めたりする人がいます。遠隔転移を手術して長生きしている人がいる、という経験を語る医師もいます。でも、そういう手術をせずに長生きしている人もたくさんいますので、手術のおかげで長生きしたかどうかはわかりません。
 「根治を目指しましょう」という言葉に飛びつきたい気持ちもあるでしょうが、強力な治療を受けることにはマイナス面もありますので、本当の目標は何なのかをよく考えて、冷静に判断する必要があります。
 「根治」というのは定義が難しく、治療成績の評価には向きません。「根治」よりも大事なのは、「いい状態で長生き」することで、それを評価する指標は、「生存期間」と「生活の質(QOL)」です。
 遠隔転移の数が少ない「オリゴ転移」という状態の患者さんに対して、適切な薬物療法を行いつつ、すべての遠隔転移に、最新の放射線治療を行うことの有効性をみる臨床試験が行われています。該当する患者さんを、放射線治療を行うグループと行わないグループにランダムに振り分けて比較する、ランダム化比較試験です。
 これまでに結果が発表された小規模な臨床試験では、放射線治療を行うグループで生存期間が延長する傾向がみられたものもあれば、逆に生存期間が短くなる傾向がみられたものもあり、結果は一貫していません。現在、大規模な臨床試験(第3相試験)が進行中で、数年後に結果が出てくるはずですので、それを待ちたいと思います。
 もし、生存期間の延長が明確に示されれば、オリゴ転移に対して、局所治療が推奨されることになりますが、そうだとしても、局所治療は、「根治」を目指して行うものではなく、「いい状態で長生き」することを目指しているというところが重要です。
 もし、生存期間の延長が示されないのであれば、局所治療は「いい状態で長生き」にはつながらないので、受けない方がよいということになります。根治したように思いたい、という理由で過剰な治療を行うことは避けなければなりません。

医療は「幸せ」のためにある
 私の患者さんの中には、進行がんを抱えながら、自分らしく生きている方がたくさんおられます。CTを撮れば、病変が確認できるものの、何年にもわたって悪さをすることなく落ち着いているような方もいます。その病変に対して局所治療を行うことも可能ですが、あまりその必要性は感じません。3週間に1回、負担の小さい点滴治療を受けに来られて、診察室では、ほとんど雑談だけ交わしているような患者さんや、治療をお休みして、半年に1回くらい経過観察しているような患者さんもいます。
 私は、早期がんでも進行がんでも、がんがあってもなくても、すべての人の「幸せ」を目指したいと思っています。「根治」だけが幸せだと思い詰めるのではなく、「根治」よりも大事な「幸せ」があることを忘れずにいたいものです。(高野利実 がん研有明病院院長補佐)

(転載終了)※  ※  ※

 2008年1月の再発転移発覚以来、休みなく15年間化学療法を続けている。つまりいわゆる寛解状態になったことがないから、だ。一度でも画像上がんが消えた、治療は暫くお休みに、という病状を経験したことがないから、だ。
 皮肉なことだけれど、だからこそもはや根治を目指すことなく、“共存しながら細く長くしぶとく生きる”というぶれない姿勢を保ち続けてこられたのだと思う。もちろん根治出来たら良かったのだろうけれど、初発術後のホルモン療法中に再発・遠隔転移した段階で、それは難しいことになった。

 主治医からは、急激に薬が効いて、画像上がんが消え、根治したように見えるケースもある。けれど、その場合、逆に急激に増悪する例もあると聞いた。だからぼちぼち効きながら、ゆっくり大きくなったり、それをまた小さくしたり、という私の場合はとてもラッキーなのだと思う。がん細胞も私の細胞だから、エコでのんびりやなのかもしれない。
 無理に根治は目指さない。だから自分がノックアウトされるようなきつい治療には出来る限り副作用対策をしっかり行って臨む。同時にQOLはなるべく落とさずに普通の生活を一日でも長く続けていくこと、これが今までの、そしてこれからの目標である。

 それにしては今のエンハーツの副作用は毎回結構しんどく、長い。これまでも様々な治療薬をかなりの減量で凌いでこられたエコな私は、実際はエンハーツももう少し減らしても薬効があるように感じているが、残念ながらこれ以上薬は減らせない。
 だから、春からは少し投与期間を開けられたらと思っている。もしそれでまずい状態になれば、その時にまた考えていきたい。そういうことが出来るのも、精神的にも肉体的にもある程度余裕があるからだ。日々に追われ、切羽詰まるほどのきつい治療を続けていたら、なかなか冷静な判断をするのが難しくなるだろう。
 幸せになるために治療を受ける、そう考えればおのずと目指す道ははっきりするのかもしれない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2023.2.23エンハーツ38クール... | トップ | 2023.2.25 エンハーツ38クー... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。