ここのところ、月初めに新刊を買ってもその月中に読み切れないことが多かった。ところが、先週は出張やら何やらで珍しく電車に乗る時間が長く(しかも遅延事故に遭遇するなどのアクシデントもあり)、最近では珍しく4冊の本を読んだ。
1冊目は天野篤先生の「あきらめない心-心臓外科医は命をつなぐ」(新潮文庫)。
言わずと知れた天皇陛下の執刀医、天野先生のベストセラーである。帯には「待望の文庫化、3浪して医学部へ 手術数7200例超 成功率98% 天皇陛下の心臓手術を執刀した外科医が語る破天荒な生き方と、難局に挑む揺るぎなき志」とある。
確かに心臓外科の手術中に執刀医があきらめたら、それは即患者の死に繋がる。だから絶対に負けられないという。凡人の想像を超えたハードな医療現場の中でも、とりわけ大変な生活を30年以上続けてこられた先生の熱い思いに打たれて一気読み。
2冊目は小池真理子さんの「ふたりの季節」(幻冬舎文庫)。
30年の歳月を経て、再び出逢った男女の物語である。裏表紙には「なぜ、私達は別れたのだろうー。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた主人公がたまたま立ち寄ったカフェで昔の恋人と再会。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り・・・。」と。お洒落で軽い筆致であっという間に読了。解説を同い年である村上龍さんが書いておられる。「すごく切ないけれど、ハッピーエンドに結び付けている」、言い得て妙である。
3冊目は坂岡洋子さんの「老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる」(新潮文庫)。
帯には「気力、体力があるうちに、あふれるモノを片付ける!快適な老後を送るための新しい発想の人生整理術」とある。老前整理の鉄則は「一度に片付けようとしない!最初から完璧を目指さない!家族のモノには手を出さない!片付け前に収納用具を買わない!「使える」と「使う」は違う!」である。
おっしゃるとおり老いる前に身辺を見直し、今後の生活に要らないものを整理すれば、心穏やかに快適な老後が過ごせるだろう。これからどういう自分になりたいのか、どういう生き方をしたいのかを考えて必要なモノを自分で決め、不要な物をそぎ落としていく作業こそが老前整理だ。数十年前の物たちが鎮座ましましている実家を見ていると、やはりこれは急がなくては・・・とお尻がムズムズしてくる。頷きながら一気読み。
4冊目は新井素子さんの「イン・ザ・ヘブン」(新潮文庫)。
新井素子さんといえば、私より1つお姉さんで、都立高生の時に作家デビューをされた作家歴35年超選手だ。当時から、そして結婚されてから後も、随分色々な作品を読ませて頂いた。新井ワールドは30年を経てもなお健在である。
本作は「バラエティ豊かな10の短編とエッセイ」ということで迷わず手に取った。この短編を執筆されたのはちょうど東日本大震災の後だったとのこと。そのため、近未来の設定ではあるけれど、大地震のシーンが良く出てくる。表題作は“死んだらどうなるのか”を考えている途中で、天国を試行錯誤していたら出来たお話だという。
あとがきで新井さんご自身が「“人間って、捨てたもんじゃないぞ”っていうお話。多分、最終的に私は、それを言いたくてお話を書いているんだろうと思います。」と書いておられるが、3編目の「あけみちゃん」で「人は。人の幸せを、祈る、生き物。だから、人は、人の幸せを祈り続けます。いつまでも。叶わなくとも。」というくだりにジーンとした。
ヨーガの教えによれば私達は皆、本来愛に満ちた純粋な存在だ。けれど、余りに沢山の移りゆく物事の中で、ともすると心を静める方法を忘れてしまう。ひいては、人のことを羨み、妬み、嫉み、貶め、謗るようなことをしてしまうのではないか。どうか皆が心穏やかに幸せに生きられますように、と改めて思う。
1冊目は天野篤先生の「あきらめない心-心臓外科医は命をつなぐ」(新潮文庫)。
言わずと知れた天皇陛下の執刀医、天野先生のベストセラーである。帯には「待望の文庫化、3浪して医学部へ 手術数7200例超 成功率98% 天皇陛下の心臓手術を執刀した外科医が語る破天荒な生き方と、難局に挑む揺るぎなき志」とある。
確かに心臓外科の手術中に執刀医があきらめたら、それは即患者の死に繋がる。だから絶対に負けられないという。凡人の想像を超えたハードな医療現場の中でも、とりわけ大変な生活を30年以上続けてこられた先生の熱い思いに打たれて一気読み。
2冊目は小池真理子さんの「ふたりの季節」(幻冬舎文庫)。
30年の歳月を経て、再び出逢った男女の物語である。裏表紙には「なぜ、私達は別れたのだろうー。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた主人公がたまたま立ち寄ったカフェで昔の恋人と再会。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り・・・。」と。お洒落で軽い筆致であっという間に読了。解説を同い年である村上龍さんが書いておられる。「すごく切ないけれど、ハッピーエンドに結び付けている」、言い得て妙である。
3冊目は坂岡洋子さんの「老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる」(新潮文庫)。
帯には「気力、体力があるうちに、あふれるモノを片付ける!快適な老後を送るための新しい発想の人生整理術」とある。老前整理の鉄則は「一度に片付けようとしない!最初から完璧を目指さない!家族のモノには手を出さない!片付け前に収納用具を買わない!「使える」と「使う」は違う!」である。
おっしゃるとおり老いる前に身辺を見直し、今後の生活に要らないものを整理すれば、心穏やかに快適な老後が過ごせるだろう。これからどういう自分になりたいのか、どういう生き方をしたいのかを考えて必要なモノを自分で決め、不要な物をそぎ落としていく作業こそが老前整理だ。数十年前の物たちが鎮座ましましている実家を見ていると、やはりこれは急がなくては・・・とお尻がムズムズしてくる。頷きながら一気読み。
4冊目は新井素子さんの「イン・ザ・ヘブン」(新潮文庫)。
新井素子さんといえば、私より1つお姉さんで、都立高生の時に作家デビューをされた作家歴35年超選手だ。当時から、そして結婚されてから後も、随分色々な作品を読ませて頂いた。新井ワールドは30年を経てもなお健在である。
本作は「バラエティ豊かな10の短編とエッセイ」ということで迷わず手に取った。この短編を執筆されたのはちょうど東日本大震災の後だったとのこと。そのため、近未来の設定ではあるけれど、大地震のシーンが良く出てくる。表題作は“死んだらどうなるのか”を考えている途中で、天国を試行錯誤していたら出来たお話だという。
あとがきで新井さんご自身が「“人間って、捨てたもんじゃないぞ”っていうお話。多分、最終的に私は、それを言いたくてお話を書いているんだろうと思います。」と書いておられるが、3編目の「あけみちゃん」で「人は。人の幸せを、祈る、生き物。だから、人は、人の幸せを祈り続けます。いつまでも。叶わなくとも。」というくだりにジーンとした。
ヨーガの教えによれば私達は皆、本来愛に満ちた純粋な存在だ。けれど、余りに沢山の移りゆく物事の中で、ともすると心を静める方法を忘れてしまう。ひいては、人のことを羨み、妬み、嫉み、貶め、謗るようなことをしてしまうのではないか。どうか皆が心穏やかに幸せに生きられますように、と改めて思う。