いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

私がOpenOffice.orgでやりたかったことってなんだったっけ?

2012年01月09日 21時53分15秒 | LibreOffice/AOO
今年でOpenOffice.org日本ユーザー会は10周年を迎えます。私は設立メンバーの1人ですし、あれから10年経っても派生したオフィススイートの翻訳やってたりとか、リアルどうしてこうなった状態ですが、原点に立ち返るために、もともとOOoで何をやりたかったのか思いだしてみることにします。
ちなみに思いつくまま書いているので時系列はメチャクチャです。

当時(2002年4月頃)私は大学生でしたが、入学した年にできた2ちゃんねるにどっぷりハマっておりました。そこでOOoというものを知りました。1.0が出る前です。
OSSとの出会いはMozillaで、Netscape Navigator/Communicatorがポコポコ落ちていたことに腹を立てて代替のWebブラウザを探していたら、これに行き着きました。2000年頃です。当然1.0なんて出る前で、Nightly Buildを使ってました。確かに重かったですけど、落ちるよりはマシでした。まぁ落ちるよりももっと酷いバグに遭遇したこともありましたが。プロファイルを消されるとか。これはオープンソースというもので、Nightly Buildとして毎日リリースされるのは面白いなーと思っていました。
そんなオープンソースのオフィススイートであるところのOOoが出てきて触ってみたのですが、最初の感想はこれは面白そう、でした。
当時ミラーサーバーが国内になくて、私のインターネットディスクの80MBの領域にコピーして配布しました。逆にいえば、たった80MB以内に納まっていたということです。60MB弱だった記憶がありますが、よく覚えていません。
やがてあまりに負荷が高くて違法コピーかと勘違いされたと思うのですが、アカウントが凍結されました。しかし数日後には復活してます。
StarOffice 5.2は無料配布されていて、これの使い方を紹介していた方と2人でスタートしたのがOOo日本ユーザー会だったんですね。FreeMLにMLを作りましたが(作ったのは私じゃないですが)、それは今でも使われています。過去ログとか恥ずかしいので読んじゃダメですよ。
最初の動機は、バイナリの配布と使い方の解説やFAQをまとめればそれなりにユーザーが増えるんじゃないか? ということでした。今から考えても、これは当たりでした。

始めてからすぐはいろんなことがありました。いろんな人が集まってきてSFCでミラーしてくれるようになったりとか、ドキュメントの翻訳するようになったりとか、広報活動を行ったりとか。
そんな時に中田さんが登場して、OOoと合流することになりました。そのあとぐらいからアクティビティを落としていったような気もしますが、正直なところあんまりよく覚えていません。
2004年か2005年ぐらいにはほぼ完全に手を引いていて、Ubuntu Japanese Teamの結成に参加したんじゃなかったかと思いますが、やっぱりよく覚えていません。
最初にUbuntu Japanese Teamはあんまりやる気はなかったのですが、これはコミュニティを1から立ち上げるというのはすでにやったことであり、同じことを何度もするのを好まない私としては気が乗らなかったです。
とはいえ日本語入力関連を理解しているパッケージャーがいないとどうしようもないよねというのはそのとおりで、結局やることにしました。
日本語入力には今も頭を悩ませていますし、何も成長しておらんな私は。

私がやったことはいくつかあります。ユーザー会の立ち上げは別に私1人でやったわけじゃないので除外しますが、まずはOOo 1.1.xの頃にバイナリに同梱されていた(今から考えると信じられませんが)『OpenOffice.org導入ガイド』の執筆とメンテナンスです。配布サイトがなくなってしまったので、ここでこっそり公開します。あんまり見ないでね。
これで究極の形でバイナリの配布と使い方の解説ができるようになりました。本当はこの導入ガイドを何らかの形で製本&配布したかったのですが、残念ながらそれが叶えられることはありませんでした。いいところまでは行ったのですがね。これは今でも悔しく思っています。

あとはOOo addonsと改名したSozai OOoです。OOoはギャラリーやテンプレートが少ないといわれているので(それは今でも変わっていないところが不徳の致すところですが)、それを配布しようというコンセプトでした。
当時拡張機能なんてものはなかったので、WindowsではNSISを採用しました。Linuxディストリビューション向けにはパッケージを作成しました。Ubuntu Japanese Teamのリポジトリで配布していたこともあります。
NSISの使い方を覚えた私は、当時SylpheedのWindows版にインストーラがなかったので(ZIPのみの配布だった)、これで作成したりもしました。スクリプトはまるで書き換えられて私が書いた部分は残っていないと思いますが、Sylpheedのインストーラは今でもNSISを採用しています。切り替えるのがめんどくさいというのもあると思いますが。。
SozaiOOoは、諸事情によりOOoに関する興味を失っていったことと、素材(テンプレートやクリップアート)の集まりが悪かったこと、うまく集めることができなかったので更新を中止しますが、今でも日本ではこれ以上のテンプレート&クリップアート集はないので、結構使われているようです。

本当は日本語のスペルチェック辞書(ってどんなのだろう?)とか、文法チェックや表記揺れのチェックなどのツールも興味はありましたが、実行に移すことはありませんでした。

私は別に英語が得意なわけでは全然ありませんが、KDE 3.x(バージョン忘れちゃった。3.2でしたっけ?)から翻訳をやるようになりました。AkregatorやKolourPaintは1から翻訳したものです。どっちかは元々翻訳がありましたが、それは捨ててやり直しました。今でも訳したところは結構残っているようです。私自身はKDEを使うのをやめちゃいましたけど。
Ubuntuではupdate-managerとかupdate-notifierとかSynapticの翻訳を主としてやってました。今ではほとんどやってないですけど。

そういうわけで翻訳に関してもそれなりに場数を踏んでいたのですが、そこで2010年9月28日ですよ。TDFの設立とLibreOfficeのフォークです。すっかりUbuntu Japanese Teamの人になっていた私は(OOo日本語プロジェクトは抜けてから数年経ってましたが、OOo日本ユーザー会は続けていました)、メールを読んで不安感を覚えたわけです。何!? MarkさんがLibOを採用するとか言ってるぞ!? 翻訳のリソースどうするんだよ!
なんせでかいアプリなので、リソース不足は目に見えていました。誰かやってくれる人がいるならよかったのですけど、私はあまり(というか全く)そういうリソースを期待する人間じゃないので、まず隗より始めよで自分でやることにしました。
3.4からはPootleにフルアクセス可能ということで、気に入らない翻訳を直すことも同時にやるようになりました。これも私のやったことといっていいと思います。
そして現在に至るわけです。3.5.0は結構いい感じの翻訳でリリースできるのではないかと思います。これは私の成果ではなく、みんなの成果ですけどね。
OOoで翻訳やっていた人たちがLibOに移ってきてやってると思いがちかも知れませんが、これはあまり正確ではありません。私自身OOoでは翻訳していませんし、私が知る限りで3.5でも継続しているのは一名だけです。
もちろんOOoでやっていた方にも参加して欲しいのですが、そのリソースがなくてもなんとか翻訳できているというのは誇るべきことです。欲を言えばリソースがもっとたくさんあればヘルプの翻訳も行ったりとかいろいろとできることもあるのですが、無い物ねだりをしても仕方がありません。現在のリソースでうまくやりくりするしかないのです。でも、別に隗より始める必要はなかった気もします。

以上読んでいただければ明白ですが、別に私は翻訳がやりたいんじゃありません。とはいえ、自分がやりたいこととやれることは必ずしも一致しないのは普通ですし、翻訳も別に苦痛ということはありません。やればやるほど目に見えてよくなるので、ついつい時間を取ってやってしまいます。あとはもう少しうまく訳せるようになるといいのですが。
じゃあやりたいことってなんだろうと考えると、OOoでやりたかったこと、やっていたこととだいたい一致します。
OOo導入ガイドあらためLibO導入ガイドを今更書く気にはなりませんが、例えば数名で寄ってたかって書くことにしたら? その際、執筆と同じぐらい既存の翻訳の見直しにも重点を置いてやってみたら?
TDFは最初OOoのコミュニティを加速させるのがミッションだとかいってましたが、マニュアルを書くことによって翻訳の見直しを加速させることができるのであれば、大局で間違っていないように思います。

素材集は? 確かにテンプレート配布サイトはありますけど、1つ1つちまちまインストールするのは正直めんどくさいです。できれば拡張機能でまとまっている方がいいです。
テンプレートやクリップアートを何らかの方法で収集し、スクリプト一発で拡張機能にできれば、それほど手間をかけずにできるんじゃないか? と思ってメールを書いたことがあります。

日本語のチェックにももちろん興味があります。このへんでなんかできそうだなぁということを調べたぐらいですが。

やりたいならやればいいじゃんと思われがちですが、残念ながらリソースは有限で、翻訳で手一杯です。Ubuntuの作業もいろいろありますし、原稿も書かないといけません。ラノベだって読まないと。

翻訳は今すぐに辞める気はありませんが(今年と来年ぐらいまでは継続するつもりです)、ゆくゆくは元々やりたかったことをやろうかなぁと思っています。もしできるのであればですが。
やっぱり支持者がいないとできませんからね。

追記:
誤解を招く表現があったので修正。最初の頃のOOoはSunで翻訳してました。
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