いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

Ubuntu 18.04 LTS + RStudio 1.2.xで日本語を入力する方法

2019年05月04日 15時49分26秒 | RStudio


RStudioのリリース状況はよくわからんのですが、4月8日にリリースされたRStudio 1.2.1335が4月30日にオフィシャルリリースとなりました。その前はプレビューリリースということなのでしょうか?

これまでRStudioをUbuntuで使用するにはいろいろな困難がありましたが、この1.2からはずいぶん簡単になっています。
というのも、スクリーンショットをご覧のとおりIBusを使用している場合は特に何もしなくてもいいです。候補ウィンドウもちゃんとした位置に表示されています。
Fcitxをお使いの場合はこうもいかず、fcitx-frontend-qt5をインストールした上で次のコマンドを入力する必要があります。

$ sudo ln -s /usr/lib/x86_64-linux-gnu/qt5/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.so /usr/lib/rstudio/plugins/platforminputcontexts/

もしfcitx-qt5-rstudioパッケージがインストールされている場合は事前に削除してください。
またRstudioパッケージをアンインストールする場合は事前にunlinkコマンドでこのシンボリックリンクを削除してください。

いやあ、何もすることがなくなってよかったよかった。
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Ubuntu 18.04 LTS + Fcitx + RStudio 1.1.xで日本語を入力する方法

2018年07月06日 22時57分09秒 | RStudio


お待たせしました。前の記事にヒントをいただいて、Ubuntu 18.04 LTSでも使用できるようにパッケージをアップデートしました。
注意点としては、Ubuntu 18.04 LTSのデフォルトのインプットメソッドはIBusであり、これをFcitxに変更する必要があるということです。

今回はUbuntu 18.04 LTSとRStudio 1.1.453で動作確認を取りました。RStudio 1.2.xではQtのバージョンが上がっているので今回のようなことはしなくていいのですが、Stableになったらまたお知らせします。
fcitx-qt5-rstudioパッケージ自体はUbuntu 16.04 LTSでビルドしたものなので、そちらでもおおむね同じ方法で使えるはずです。

インストール方法は次のとおりです。

0. Fcitxをセットアップする
Ubuntu Weekly Recipe 第520回を参考にしてください。

1. RStudioをダウンロードする
ダウンロードページからダウンロードしてください

2. RStudioをインストールする
$ cd (ダウンロードフォルダー)
$ sudo apt install ./rstudio-xenial-1.1.453-amd64.deb
などでインストールすると、必要なパッケージ一式も取得してインストールします。

3. fcitx-qt5-rstudioをダウンロード&展開&インストール

$ wget http://ikuya.info/tmp/fcitx-qt5-rstudio-qt542+2.tar.gz
$ tar xf fcitx-qt5-rstudio-qt542+2.tar.gz
$ sudo apt install ./fcitx-frontend-qt5-rstudio_1.0.5-1ubuntu1~qt542+2_amd64.deb ./libfcitx-qt5-1-rstudio_1.0.5-1ubuntu1~qt542+2_amd64.deb

ちなみにfcitx-qt5-rstudio-qt542+2.tar.gzのsha256は335375cff7c3ecd9adbd8f8ff514f29500e2e4df396fdf6466c6d3cf58fbc22eです。

4. RStudioを起動する
Fcitxが起動することを確認してください。

なおfcitx-qt5-rstudio-qt542+2.tar.gzにはソースコードも含まれていますが、ビルドの方法は省略します。

もう一度書きますが、RStudio 1.2.xではまた異なった設定方法になります。

では皆様、
RユーザのためのRStudio[実践]入門−tidyverseによるモダンな分析フローの世界−
クリエーター情報なし
技術評論社

を片手に良きRStudioライフを!

最後にここで宣伝ですが、PsychoPyについての記事が掲載されている『うぶんちゅ! まがじん ざっぱ~ん♪ vol.8』をよろしくお願いします。
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Ubuntu 16.04 + Fcitx + RStudio 1.0.153以降で日本語を入力する方法

2017年08月25日 22時42分12秒 | RStudio
前の記事にツッコミをいただいたので、RStudio 1.0.153以降でもFcitxが有効にできるようにfcitx-qtのパッケージをビルドしました。

RStudioで使われているQtが5.4.2になるというのは知っていたのですが、それは1.0.143からで、動作確認を取ってみたものの問題ないということでそのまま忘れていたら、なんと1.0.153からだったという割とシンプルな話だったりします。

まずはインストール方法の紹介からです。プラットフォームはUbuntu 16.04の64bit版で、Rstudioのバージョンは1.0.153です。バージョンが異なる場合は適宜読み替えてください。

1. RStudioをダウンロード
ダウンロードページからダウンロードしてください。

2. インストール
Ubuntu 16.04 LTSではaptコマンドを使えばローカルにあるパッケージのインストールができるので、この機能を使用します。

$ cd (ダウンロードフォルダー)
$ sudo apt install ./rstudio-xenial-1.0.153-amd64.deb

前に試したときと比べて大量の追加パッケージが必要になっているのが興味深いです。それだけ機能が増えているということでしょうか。

3. fcitx-qt5-rstudioをダウンロード&展開&インストール
めんどいのでwgetで取得します。

$ wget http://ikuya.info/tmp/fcitx-qt5-rstudio-qt542.tar.gz
$ tar xf fcitx-qt5-rstudio-qt542.tar.gz
$ sudo apt install ./fcitx-frontend-qt5-rstudio_1.0.5-1ubuntu1~qt542_amd64.deb ./libfcitx-qt5-1-rstudio_1.0.5-1ubuntu1~qt542_amd64.deb

ちなみにfcitx-qt5-rstudio.tar.gzのsha256はaa756747698341f3883fdb99a9e396b946697ef2c0fd30074972ffd1e6f7211cです。

4. RStudioを起動する
Fcitxが起動することを確認してください。

なお、fcitx-qt5-rstudio-qt542.tar.gzにはソースコードも含まれていますが、ビルドの方法は省略します。

想定される質問とその答え:
Q. パッケージをインストールしたのにFcitxを有効にできないのですが
A. $ echo $QT_IM_MODULE を実行して、QT_IM_MODULE=fcitxになっているかどうか確認してください。なっていない場合は何かが変ですが、$ QT_IM_MODULE=fcitx rstudio とかで起動すればとりあえず有効にできるようになるはずです。

Q. なんかダウンロードできないんですけど
A. Chromium 60だとダウンロードできませんね。何故でしょう。wget使ってください。

Q. RStudioをアンインストールしたいんですが
A. 事前にfcitx-frontend-qt5-rstudioとlibfcitx-qt5-1-rstudioをアンインストールするのが望ましいですが、別に忘れていても大丈夫なはずです。自動的に削除対象になるはずですがならなかったらごめんなさい。

Q. Ubuntu XX.XX版のパッケージは公開しないのですか?
A. しません。必要であればご自分でビルドしてください。ビルドするQtのバージョンが上がったら再検証を行いますので教えてくれると嬉しいです。

Q. Ubuntu 17.04でインストールできますか?
A. 確認していませんがたぶんできないと思います。

Q. XXで挙動がおかしいのですが
A. わかりませんごめんなさい。
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Ubuntuで動作するRStudio用fcitx-qt5をビルドする方法 完全版

2016年12月17日 01時26分25秒 | RStudio
この投稿はRStudio Advent Calendar 2016 17日目の記事です。

Ubuntu 16.04 + Fcitx + RStudio 1.0で日本語を入力する方法で簡単なビルド方法を書きましたが、もう少し詳細に解説を加えながらビルドする方法をお伝えします。

1. Qtを取得する
Qtをダウンロードするシェルスクリプトを読めば取得方法はすぐにわかりますが、今回は64bit版を例にします。

$ wget https://s3.amazonaws.com/rstudio-buildtools/QtSDK-5.4.0-x86_64.tar.gz

2. 展開する
別にどこでもいいんですけど、今回は/opt以下にしました。

$ sudo tar xf QtSDK-5.4.0-x86_64.tar.gz -C /opt

3. fcitx-qt5のソースコードをダウンロード

$ sudo apt source fcitx-qt5

4. ビルドに必要なパッケージをインストールする
これでいいはずですが検証していません。ついでにカレントフォルダーを移動します。

$ sudo apt install build-essential
$ sudo apt build-dep fcitx-qt5
$ cd fcitx-qt5-(バージョン)

5. debian/以下のファイルを変更する

5.1 debian/contorl
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/control fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/control
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/control	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/control	2016-11-02 18:58:13.248813895 +0900
@@ -8,19 +8,17 @@
                extra-cmake-modules (>= 1.4.0),
                fcitx-libs-dev (>= 1:4.2.8),
                intltool,
-               pkg-config,
-               qtbase5-dev,
-               qtbase5-private-dev
+               pkg-config
 Standards-Version: 3.9.6
 Homepage: http://www.fcitx-im.org
 Vcs-Git: git://anonscm.debian.org/pkg-ime/fcitx-qt5.git
 Vcs-Browser: http://anonscm.debian.org/gitweb/?p=pkg-ime/fcitx-qt5.git
 
-Package: fcitx-frontend-qt5
+Package: fcitx-frontend-qt5-rstudio
 Architecture: any
 Multi-Arch: same
 Pre-Depends: ${misc:Pre-Depends}
-Depends: fcitx-module-dbus, ${misc:Depends}, ${shlibs:Depends}
+Depends: fcitx-module-dbus, ${misc:Depends}, ${shlibs:Depends}, rstudio, libfcitx-qt5-1-rstudio
 Description: Free Chinese Input Toy of X - Qt5 IM Module frontend
  Fcitx is the Free Chinese Input Toy of X, which was initially designed
  for Chinese users, and used XIM protocol. Now it has already evolved
@@ -45,7 +43,7 @@
 Description: transitional dummy package
  This is a transitional dummy package. It can safely be removed.
 
-Package: libfcitx-qt5-1
+Package: libfcitx-qt5-1-rstudio
 Architecture: any
 Multi-Arch: same
 Pre-Depends: ${misc:Pre-Depends}

今回は吊るしのQtは使用しないので、ビルドに必要な依存関係(Build-dep)から外しています。あっても大して問題があるわけではありません。どうせ使いませんし。
また、パッケージ名はオリジナルと被らないようにfcitx-frontend-qt5-rstudioとlibfcitx-qt5-1-rstudioに変更し、前者のDependsをいじってrstudioそのものと後者に依存させています。
とはいえ、ここは本当はもう少しいじらないとダメなところのような気もします。後者から前者に依存させるとか。
まぁ今回はそんなに厳密にやらんでもいいでしょう。

5.2 debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install	2016-11-02 18:28:49.644966838 +0900
@@ -0,0 +1 @@
+opt/Qt5.4.0/5.4/gcc_64/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.so usr/lib/rstudio/bin/plugins/platforminputcontexts/

パッケージ名.install(生成されるパッケージが単一の場合はただのinstall)には、パッケージに含めるファイルを記載します。
スペースで区切り、前はファイルの在り処、後はインストールしたいフォルダーです。
先頭に"/"を入れないのがコツです。
元のフォルダーにはこんなものはないので(そらそうだ)、ファイルスタンプはおかしなことになります。

5.3 debian/ libfcitx-qt5-1-rstudio.install
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5.install	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
@@ -1 +0,0 @@
-usr/lib/*/qt5

ファイル名を変更したのでなくなっています。

5.4 debian/ibfcitx-qt5-1-rstudio.install
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install	2016-11-02 18:50:49.061389459 +0900
@@ -0,0 +1 @@
+usr/lib/*/libFcitxQt5*.so.* usr/lib/rstudio/bin/

5.1に準じますが、RStudioのフォルダーに入れていることがわかるかと思います。

5.5 debian/libfcitx-qt5-1.install
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1.install	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
@@ -1 +0,0 @@
-usr/lib/*/libFcitxQt5*.so.*

5.3と同じです。

5.6 debian/rules
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/rules fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/rules
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/rules	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/rules	2016-11-02 18:14:55.890254321 +0900
@@ -9,5 +9,9 @@
 %:
 	dh $@ --parallel --fail-missing
 
+override_dh_auto_configure:
+	dh_auto_configure -- \
+	-DCMAKE_PREFIX_PATH=/opt/Qt5.4.0/5.4/gcc_64/
+
 override_dh_strip:
 	dh_strip --dbg-package=libfcitx-qt5-dbg

ここが最大のポイントです。fcitx-qt5はcmakeでビルドできるようになっていますが、このようなオプションをつければもともとのconfigureオプションに"CMAKE_PREFIX_PATH"を追加することができます。
それにより、吊るしのQt5を使わなくなるという按配です。

6. ビルドする
依存関係に問題がなく、また上記の修正を適切に施していればパッケージがビルドできます。

$ dpkg-buildpackage -r -uc -b

7. RStudioを動作させるUbuntuに生成したパッケージをインストールする
インストールするパッケージはfcitx-frontend-qt5-rstudio_1.0.5-1_amd64.debとlibfcitx-qt5-1-rstudio_1.0.5-1_amd64.debだけです。これ以外は絶対にインストールしないでください。

というわけで、やっていることは
・ もとのパッケージ名と被らないように変更
・ インストールするパスをRStudioに合わせて変更
・ RStudioと同じバージョンのQtでビルドできるように変更
のたった3つで、パッケージングの知識があれば全く難しくないことであることがお分かりいただけたと思います。もちろんRStudioユーザーにその手のことが詳しい人なんてなかなかいないでしょうから、このようにRStudio Advent Calendar 2016に参加したというわけですが。

ちなみにRStudioそのものを吊るしのQt(とPandoc)でビルドしたいという場合は、Vine Linuxのリポジトリにあるsrpmが参考になると思います。
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Ubuntu 16.04 + Fcitx + RStudio 1.0で日本語を入力する方法

2016年11月02日 23時20分32秒 | RStudio
注意: この記事の内容はRStudio 1.0.143までが対象です。RStudio 1.0.153以降の記事はこちらです。



RStudio 1.0リリースおめでとうございます!

Ubuntu 14.04 + Fcitx + RStudio 0.99で日本語を入力する方法は本当にUbuntu 14.04でしか使えなかったので、今回あらためて調査してみました。
相変わらずQtのバージョンが5.4.0と低すぎるので、Ubuntu 16.04にインストールしてFcitxを使用しようとすると、RStudioをUbuntu 16.04のQtでビルドし直すか、fcitx-qt5をQt 5.4.0でビルドするかの方法しかなく、正直前者のほうが簡単のような気がしますが、リリース頻度を考えると現実的ではありません。というわけで後者のアプローチで挑戦してみました。

御託はいいという方のために、まずはインストール方法の紹介からです。プラットフォームはUbuntu 16.04の64bit版で、Rstudioのバージョンは1.0.44です。バージョンが異なる場合は適宜読み替えてください。

1. RStudioをダウンロード
ダウンロードページからダウンロードしてください。

2. インストール
Ubuntu 16.04ではaptコマンドを使えばローカルにあるパッケージのインストールができるので、この機能を使用します。

$ cd (ダウンロードフォルダー)
$ sudo apt install ./rstudio-1.0.44-amd64.deb

前に試したときと比べて大量の追加パッケージが必要になっているのが興味深いです。それだけ機能が増えているということでしょうか。

3. fcitx-qt5をダウンロード&展開&インストール
めんどいのでwgetで取得します。

$ wget http://ikuya.info/tmp/fcitx-qt5-rstudio.tar.gz
$ tar xf fcitx-qt5-rstudio.tar.gz
$ cd fcitx-qt5-rstudio
$ sudo apt install ./fcitx-frontend-qt5-rstudio_1.0.5-1_amd64.deb ./libfcitx-qt5-1-rstudio_1.0.5-1_amd64.deb

ちなみにfcitx-qt5-rstudio.tar.gzのsha256は84375fba843257d2f91af646e5196bba9f6dcfb79170c543646d7c9840c9a94fです。

4. RStudioを起動する
Fcitxが起動することを確認してください。

なお、fcitx-qt5-rstudio.tar.gzにはソースコードも含まれています。ここからビルドする方法を紹介します。
ビルドする場合は、別途仮想マシンなりコンテナなりに環境を作ることを強く強くオススメします。

1. Qtを取得する
Qtをダウンロードするシェルスクリプトを読めば取得方法はすぐにわかりますが、今回は64bit版を例にします。

$ wget https://s3.amazonaws.com/rstudio-buildtools/QtSDK-5.4.0-x86_64.tar.gz

2. 展開する
別にどこでもいいんですけど、今回は/opt以下にしました。

$ sudo tar xf QtSDK-5.4.0-x86_64.tar.gz -C /opt

3. fcitx-qt5をダウンロード&展開
めんどいのでwgetで取得します。

$ wget http://ikuya.info/tmp/fcitx-qt5-rstudio.tar.gz
$ tar xf fcitx-qt5-rstudio.tar.gz
$ cd fcitx-qt5-rstudio

ちなみにfcitx-qt5-rstudio.tar.gzのsha256は84375fba843257d2f91af646e5196bba9f6dcfb79170c543646d7c9840c9a94fです。

4. ビルドに必要なパッケージをインストールする
これでいいはずですが検証していません。

$ sudo apt install build-essential
$ sudo apt build-dep fcitx-qt5

5. ビルドする

$ dpkg-buildpackage -r -uc -b

6. 必要なパッケージをコピーする
インストールするパッケージはfcitx-frontend-qt5-rstudio_1.0.5-1_amd64.debとlibfcitx-qt5-1-rstudio_1.0.5-1_amd64.debだけです。これ以外は絶対にインストールしないでください。

想定される質問とその答え:

Q. RStudioをアンインストールしたいんですが
A. 事前にfcitx-frontend-qt5-rstudioとlibfcitx-qt5-1-rstudioをアンインストールするのが望ましいですが、別に忘れていても大丈夫なはずです。自動的に削除対象になるはずですがならなかったらごめんなさい。

Q. Ubuntu XX.XX版のパッケージは公開しないのですか?
A. しません。必要であればご自分でビルドしてください。ビルドするQtのバージョンが上がったら再検証を行いますので教えてくれると嬉しいです。

Q. Ubuntu 16.10でインストールできますか?
A. 確認していませんがたぶんできないと思います。

Q. XXで挙動がおかしいのですが
A. わかりませんごめんなさい。

Q. ビルドできないのですが?
A. 記述ミスであればご連絡いただければ修正します。私にやってほしいという場合はメールにてご相談ください。Amazonギフト券1000円分くらいでお引き受けできるのではないかと思います。

ちなみに変更点は以下のとおりです。
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/control fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/control
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/control	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/control	2016-11-02 18:58:13.248813895 +0900
@@ -8,19 +8,17 @@
                extra-cmake-modules (>= 1.4.0),
                fcitx-libs-dev (>= 1:4.2.8),
                intltool,
-               pkg-config,
-               qtbase5-dev,
-               qtbase5-private-dev
+               pkg-config
 Standards-Version: 3.9.6
 Homepage: http://www.fcitx-im.org
 Vcs-Git: git://anonscm.debian.org/pkg-ime/fcitx-qt5.git
 Vcs-Browser: http://anonscm.debian.org/gitweb/?p=pkg-ime/fcitx-qt5.git
 
-Package: fcitx-frontend-qt5
+Package: fcitx-frontend-qt5-rstudio
 Architecture: any
 Multi-Arch: same
 Pre-Depends: ${misc:Pre-Depends}
-Depends: fcitx-module-dbus, ${misc:Depends}, ${shlibs:Depends}
+Depends: fcitx-module-dbus, ${misc:Depends}, ${shlibs:Depends}, rstudio, libfcitx-qt5-1-rstudio
 Description: Free Chinese Input Toy of X - Qt5 IM Module frontend
  Fcitx is the Free Chinese Input Toy of X, which was initially designed
  for Chinese users, and used XIM protocol. Now it has already evolved
@@ -45,7 +43,7 @@
 Description: transitional dummy package
  This is a transitional dummy package. It can safely be removed.
 
-Package: libfcitx-qt5-1
+Package: libfcitx-qt5-1-rstudio
 Architecture: any
 Multi-Arch: same
 Pre-Depends: ${misc:Pre-Depends}
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5-rstudio.install	2016-11-02 18:28:49.644966838 +0900
@@ -0,0 +1 @@
+opt/Qt5.4.0/5.4/gcc_64/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.so usr/lib/rstudio/bin/plugins/platforminputcontexts/
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/fcitx-frontend-qt5.install	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/fcitx-frontend-qt5.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
@@ -1 +0,0 @@
-usr/lib/*/qt5
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1-rstudio.install	2016-11-02 18:50:49.061389459 +0900
@@ -0,0 +1 @@
+usr/lib/*/libFcitxQt5*.so.* usr/lib/rstudio/bin/
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1.install fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1.install
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/libfcitx-qt5-1.install	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/libfcitx-qt5-1.install	1970-01-01 09:00:00.000000000 +0900
@@ -1 +0,0 @@
-usr/lib/*/libFcitxQt5*.so.*
diff -urN fcitx-qt5-1.0.5/debian/rules fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/rules
--- fcitx-qt5-1.0.5/debian/rules	2015-10-30 18:38:17.000000000 +0900
+++ fcitx-qt5-1.0.5-rstudio/debian/rules	2016-11-02 18:14:55.890254321 +0900
@@ -9,5 +9,9 @@
 %:
 	dh $@ --parallel --fail-missing
 
+override_dh_auto_configure:
+	dh_auto_configure -- \
+	-DCMAKE_PREFIX_PATH=/opt/Qt5.4.0/5.4/gcc_64/
+
 override_dh_strip:
 	dh_strip --dbg-package=libfcitx-qt5-dbg

ポイントはdebian/rulesに追加した4行で、それ以外は正直どうでもいいです。パッケージにしたほうが管理しやすいかなと思うので体裁を整えているだけです。

ここから下は読まなくてもいいですが、私は統計のことは全く知りませんし、買った本もどっか行ってしまって発掘せねばと思っていますし、RStudioも自分では全く使わないのですが、このように入れ込む理由としては、この手のものは最近いろいろ登場しているらしいですが、やはりオープンソースであるものが望ましいと思うのです。正確さを期すためにソースまでたどって検証できるものに普及してほしいのです。
そして、そういうものはできればオープンソースなOSで使ってほしいとも思います。立場的にもその筆頭はUbuntuになるわけですが、Qtのバージョンが低すぎてFcitxが使えないというのであれば、それは私がなんとかするのが一番手っ取り早いのではなかろうかということなのです。前からこの方法で行けるのではないかという目星はつけていたのですが、実際にやってみるとやはり想定していなかったことはありまして、cmakeの知識がなさすぎて困りました。
RStudio Serverを使えばQtのことを気にしなくてもいいらしいので、そちらでもいいですし、やはりデスクトップでも使いたい場合はこの方法を試してもらい、存分にオープンソースなOS、特にUbuntu上でRStudioを使ってほしいです。
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Ubuntu 14.04 + Fcitx + RStudio 0.99で日本語を入力する方法

2015年05月22日 22時43分02秒 | RStudio


かずたん先生RStudio 0.99で日本語が入力できないと仰っていたので、調査してみました。
ひと工夫必要ですが、無事に動作しました。

まず前提として、14.04のUbuntuを用意してください、RStudio 0.99は12.04でも動作するようですが、これで日本語を入力できるようにするにはちと骨が折れます(ただしFcitxを使用している場合)。
Fcitxが無事に動作しているのも前提として、fcitx-frontend-qt5がインストールされているかどうかを確認してください。もしインストールされていなければ、インストール後に一度ログアウトして再ログインしてください(重要)。

RStudioを動作させるためには、r-baseとlibjpeg62パッケージが必要なので、事前にインストールします。
RStudio 0.99のインストーラーをダウンロードしてください。この際、ダウンロードするアーキテクチャを間違えないでください。
ダウンロードが済んだらインストールしてください。
ここで、次のおまじないを唱えます。間違えないようにコピペするのがおすすめです。アーキテクチャの違いは吸収するようになっています。
$ sudo ln -s /usr/lib/$(dpkg-architecture -qDEB_BUILD_MULTIARCH)/qt5/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.so /usr/lib/rstudio/bin/plugins/platforminputcontexts/
ここまで済んだら、RStudioを起動してください。

おまじないの解説は以下のとおりです。
RStudio 0.98(現時点の安定版)ではQtのバージョンは4.8のようですが、開発版の0.99では途中から(!)Qt 5に移行し、現在はQt 5.4でビルドされています。
Qtはシステムのものではなく、自前でビルドしたものを使用しています。それでUbuntu 12.04にも対応できるのですね。
ただ、Qt 4.xの頃はXIMで入力できたので、おそらく0.98もそうなのではないかと思うのですが(未確認)、Qt 5.xになってからXIMでの入力ができなくなりました。
IMモジュールが必須になったということであり、IBusにはQtレベルで対応しているので、RStudio 0.99もIBusであれば普通に入力できるものと思われます。
しかし、Fcitxはそうではなく、またシステムのQtを使用しているわけではないので、個別対応が必要です。
パッケージをざっと見ると、/usr/lib/rstudio/bin/plugins/platforminputcontexts/にlibibusplatforminputcontextplugin.soがあり、このフォルダーにFcitxのIMモジュールプラグイン(という言い方が正確なのか知りませんけど)を置けばいいことがわかります。そして、それはfcitx-frontend-qt5に含まれる/usr/lib/$(dpkg-architecture -qDEB_BUILD_MULTIARCH)/qt5/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.soなので(長いよ!)、このフォルダーにこのファイルのシンボリックリンクを作れば動作する、というわけです。

なお、RStudio 0.99をアンインストールする場合は、事前に
$ sudo unlink /usr/lib/rstudio/bin/plugins/platforminputcontexts/libfcitxplatforminputcontextplugin.so
を実行してください。シンボリックリンクはrmとかしたらダメです。

追記:
どうもこの方法では14.04にしか対応できないようなので、タイトルを変更しました。

追記(2016/11/02):
Ubuntu 16.04 + Fcitx + RStudio 1.0で日本語を入力する方法
コメント (8)
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