BD3枚組で8時間弱。マジか。
ただ、通して観るとなるほどこのプロジェクトの全貌を知るためにはこの時間でミニマムなのだなという感じでした。
私がBeatlesに興味を持った頃には映画『Let It Be』を観ることは難しかったので(今考えてみるとレンタルビデオ屋にはあったかもな……あの頃からすでにアニメしか観ていなかったからな……全く進歩していない……)、このセッションは断片的な映像でしか観たことはありませんでした。
ただまぁそもそもコンセプトが悪い。仲が良かったライブに打ち込んでいた頃のことに立ち戻る(Get Back)ことができればまた仲良くできるんじゃないか……って、古今東西昔に戻って良くなったことなんてないと思うんですよね……人は前を向いてしか生きていけないのよ……。
曲もリハーサルはもちろん作るところから撮影されているとそりゃストレスも溜まるし、仲違いも起こすし、現にGeorgeが一時脱退したわけですよ。
突然話は飛ぶんですけど、映画『ゆるキャン△』観たんですよ。大変に素晴らしかったのですが、これはファンタジーだなと思いました。高校卒業して何年も経った友人同士が再結集して一から新しいことに取り組んでいくって全く現実味がないと思うんですよね。どこかで仲違いしますよふつー。Beatlesもゆるキャン△のメンバーも主導的な立場の人がいないですから。
そんなGeorgeの一時的な脱退までが1枚目、サヴィルロウ(背広の語源と言われているけど本当なのじゃろうか?)にあったアップル(Beatlesの会社の方、Jobsがパクったほうじゃないよ)の地下に作りかけていた(全然できていなかった)スタジオに移って、かつBilly Preston(故人)を加えてまとまり始めたものの、プロジェクトの行方を決められないまま期日が迫っていくまでが2枚目、有名なルーフトップコンサートまでが3枚目という構成でした。ルーフトップコンサートの翌日もレコーディングしているのですが、いまいち扱いが悪かったのはなんでじゃろ?
結局Glyn Johnsが編集したアルバム『Get Back』は2パターンともボツ、Phil Spectorの手に委ねられて『Let It Be』になったことは改めて言うまでもないでしょう。最初の『Get Back』はようやく『Let It Be』に収録されました。今聴いてます。
確かにイマイチだけど、どうやってもこうにしかならんじゃろ……。
その後にレコーディングした『Abbey Road』は『The Beatles』(ホワイトアルバムって呼ばれているやつね)の正当進化的な内容だったので、どう考えても『Get Back』はいらない子だったのや……。
ただ、この時にGeorgeがキレまくってフラストレーションで曲を書き、たくさんの名曲が生まれて『All Things Must Pass』に収録されているので、その一点だけでも功績があったと言えるでしょう。
内容には満足していますが、全く人に勧められないし、そもそも発売延期しすぎじゃろ……当初は何月発売予定だったっけ……はっ、『Get Back/Let It Be』リスペクトで発売延期したんか!! ジョークとして笑えなさすぎる!!
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