いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

Apache OpenOffice、プロジェクトの終焉を協議

2016年09月03日 11時44分06秒 | LibreOffice/AOO

うちにある一番古いOpenOffice.org

現在、Apache OpenOfficeのProject Management Committee (PMC) のChair(要するに代表者)であるDennis E. Hamiltonさんによって、Apache OpenOfficeプロジェクトを終了させ、その後の処理をどうするのかの提案がされています。

[DISCUSS] What Would OpenOffice Retirement Involve? (long)

ソースコードはThe Apache Attic(Atticは屋根裏の意味)に置き、それ以外のインフラやソーシャルメディアのアカウントは原則として閉鎖、というのが概要です。

その理由はApacheプロジェクトの成熟モデルに挙げられている迅速なセキュリティの修正とバグ報告に反応することができていないということです。概要を読む限りでは必須というわけではないので、根拠としては若干弱いところです。

その後詳細な理由を明らかにしました。先日ホットフィックスがリリースされた脆弱性は、実はAOO 4.1.2リリース直前の2015年10月20日(原文では2016年10月20日だけど、後のメールで訂正)に情報の提供があって、ソースコードの修正ができたのが3月、6月7日には6月中に情報を公開するぞという連絡が来て、それを更に引き伸ばして公開したのは7月21日、そしてホットフィックスをリリースしたのは先日、というのはいくら何でも時間がかかりすぎです。責任をもって安全なものを提供できないので終了するというのは充分な理由のように思います。

一応現在のところの概要はこんな感じですが、最近のタイムラインを見るとよりわかりやすくなるので紹介します。なお、時間はメールにあるもので、日本時間とは違います。

7月31日…Dennisさんが任期満了に伴うPMC Chairの降板と選挙への方針を発表。立候補者なし
8月20日…Kay SchenkさんがAOO 4.2.0のリリースマネージャーに立候補
8月24日…Don Lewisさんが脆弱性がある古いライブラリを使い続けていることを公表
8月30日…ホットフィックスをリリース
8月30日…Dennisさんが2回目のPMC Chairの立候補を促す
9月01日…今回の話が出てくる
9月02日…Kay SchenkさんがPMC退任を宣言。すなわちリリースマネージャーがいなくなる

こうしてみると、Dennisさんが自分の任期中にプロジェクトを閉じようとしているのかなと思いますし、こういう判断ができるChairって素晴らしいと思います。

私がこれはもうダメだなと思ったのは、実はDon Lewisさんのメールでした。考えてみれば当たり前じゃんと思われるかも知れませんけど、AOOに対してそんな考えるようなことはありませんから。

他にも停滞っぷりがBoard of Directors Meeting Minutes July 20, 2016に書かれていますが、これはあまり参考にならないそうです。ビルドボットが止まってるとか、パッチがレビューされないとか、Windows版の電子署名の仕組みはあるのに使っていないとか、そんなことが書かれているのですが。


最終バージョンになるのか?

== 最後にCM ==

『うぶんちゅ! まがじん ざっぱ~ん♪ Vol.5』発売開始!
寄付だと思って買ってね!

== CMここまで ==

追記:
ポジショントーク忘れてた。今後はLibreOfficeを使いましょう。
コメント
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