いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

『ローマの休日』のリッピングは違法なのか?

2012年07月03日 00時25分12秒 | いくやのホールインワン
『ローマの休日』は、著作権切れ(=パブリックドメイン)であるという判例が出ている珍しい映画です。
これにより、ファーストミュージック株式会社というところから安価(500円)なDVDが販売されています。これが手元にあって、今確認してみたところCSSはかかっていませんでした。
これをリッピングするのは、10月以降も合法です。

もともと著作権者であったパラマウントからもDVDは出てて、たぶんCSSはかかっています。
じゃあこれを10月以降にリッピングすると違法なのかどうかですが、著作権は著作物しか保護してくれません、で、前述のとおり『ローマの休日』は著作権が切れているので保護の対象ではなく、リッピングしても合法であると考えられます。
著作権法をいじるのは筋が悪いというのはこのへんからもわかりますね。

もし仮にBlu-ray版の『ローマの休日』が出たとして、同じくリッピングすると合法かといわれると、それは違うと思います。
DVDのCSSはアクセスコントロールですが、Blu-rayのAACSはアクセスコントロール兼コピーコントロールと考えられます。
こちらは著作権ではなく不正競争防止法で禁止されており、かつ条文を読むと著作物かどうかは規定していないので、AACSがかかったBlu-ray Discという「もの」に対する法律であると考えられます。
となると著作物かどうかは関係なく、リッピングは違法であると考えられます。

余談ですが、もともとの著作権者であるパラマウントが『ローマの休日』の原盤を持っているわけで、ということはリマスターすると世界で一番画質/音質がいいものができる可能性が極めて高いわけです。
というわけで、著作権が切れてもリマスター商法はできるわけで、そんなに著作権にこだわらなくてもいいんじゃないかなーと黒澤明監督作品をやんわり思い浮かべながら思うわけです。
パブリックドメイン、すなわち「人類の文化遺産」になることがそんなに悪いことなんでしょうか。著作権法の主旨と照らし合わせて考えるとパブリックドメインになることはいいことだと思うのですが、どうもそうではないようで、私にはよくわかりません。

言うまでもなくI am not a Lawyerなので、解釈が間違っていたらすみません。
コメント (6)
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