いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

なぜIBMはApache OpenOfficeにこだわるのか? その2

2012年02月07日 21時33分39秒 | LibreOffice/AOO
なぜIBMはApache OpenOfficeにこだわるのか?で「おそらくクローズドソースにできるライセンスが魅力的なんだと思います。」と書きましたが、理由はこれ以外にもあるようです。

Lotus SymphonyのブログにIBM's plans for the future of Lotus Symphony combining the best of Lotus Symphony with the new Apache OpenOffice Project.というのが投稿されました。
内容自体はわりとどうでもいいというか、IBMがLotus Symphonyやオフィススイートから撤退するんじゃないのという誤った報道に対するツッコミです。
重要なのはここに添付されているFAQが書かれたPDFで、Q8でApache OpenOffice the IBM EditionはApache OpenOffice 4.0と同じソースコード、同じライセンスにすると名言しています。すなわちApache Licenseです。IBMの独自機能は拡張機能として提供し、それらをまとめたものもリリースすると言っていますが、そちらのライセンスまでは明言されていません。

アプリケーション自体のソースコードは公開し、拡張機能をクローズドソースにするのであれば(本当にクローズドソースかはわかりませんが)、別にApache OpenOfficeにこだわる必要はありません。LGPLであるLibreOfficeでもいいことになります。

じゃあ結局わからないじゃないか、ということになるんですけど、意外なところに本音が。
IBM has not been bashing LibreOffice.から始まるメールで、実に味わい深いので是非とも全文読んでいただきたいです。議論があるなら電話してこいや、とか初めて見ましたけど、言っていることは至極真っ当だと思います。お宅のところの社員にも同じ事を言ったほうがいいとは思いますが。

ポイントはこれ。
> Yes, we have some difference of opinion on
>foundations and licensing and so on, but we share a common passion. I hope
>you see this.
(訳)
そう、私たちは確かに財団とかライセンスなどに異なった意見がある。
でも私たちは同じ情熱を共有している。それをわかってほしい。

というわけでライセンスもあるけど財団が最初に来ているということで、プロジェクトの主導権を握りたかったのかなーと思います。
Lotus Symphonyのコードを入れることに反対する人とかもいるかも知れませんし。その点一からプロジェクトを作ってガッツリ食い込めば、そういう恐れはなくなりますからね。
でも、TDFはベンダーナチュラルなので、歩み寄る余地はあったんじゃないかとは思いますけどねー。まぁ無理か。
ライセンスもそうですし、おそらく名前なんかもそうなんじゃないですかね。
TDF結成時にIBMに声をかけたかどうかもありますね。このへんはたぶん公開されていません。

でも本当にそうなのかなぁ、OracleとIBMの出来レースなんじゃないのかなぁという疑念は残りますけど、いずれにせよAOOとLibOは異なる道を歩き始めたわけなので、今更合併しろとかいうのはそろそろ辞める頃だと思いますけどねー。みんなそういうの好きね。
コメント
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