美容室では
毎年、何人か受験生のお子さん方がいます。
桜咲く子もいれば散る子もいます。
僕が高校受験のとき
合格発表を友達のY君と一緒に行きました。
事前にどちらかが不合格の場合
黙って帰る約束をしました。
合格発表の掲示板に
先ず自分の番号を見つけました。
それからすぐ
Y君の番号を探しましたが
ありませんでした。
ウソだろうと思い
何度かY君の番号を探しましたが
見つかりませんでした。
僕はしばらくY君の顔を見る事が出来ませんでした。
Y君は僕に
「俺の番号がない・・・」と告げ
そのとき初めてY君のさびしそうな顔を見ました。
僕は何も言うことができず
ただ黙っていることしか出来ませんでした。
Y君はそれ以上なにも言わず
自転車に乗り帰って行きました。
僕はY君のさびしそうな背中が見えなくなるまで
そこに立ち尽くすことしかできませんでした。
僕の桜は咲いて散ったのです。
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