また、凄いものを見てしまった
フィギュアスケート・グランプリファイナル2015、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
1 村上大介 SP:83.47(5)
「彼を帰して」♪ 「がんば!」の声に送られて登場。柔らかな表情で滑り出し、4回転サルコウを決める。イーグルを見せてからのトリプルアクセル、フライングキャメルも姿勢が美しい。ルッツからのコンビネーションはルッツ・トウ3-2になった。ターン一つ一つに緩急と表情があるステップ、素晴らしい。観客が大きな喝采を送ってくれた
満足そうにガッツポーズ。自己ベスト更新。
2 パトリック・チャン(カナダ) SP:70.61(6)
「マック・ザ・ナイフ」マイケル・ブーブレ♪ 白シャツにブルーのセーター。トトトッ、と走り出すスタートから彼の世界に引き込む。冒頭のトウループはおそらく4回転予定だが3回転に。トリプルアクセルを決めたが、ルッツ・トウを3-3で跳んでしまった。同一のジャンプ繰り返しで無効になってしまう さらにややふらついたキャメルスピンも認定されなかった。
ほんの数歩でリンクの端から端まで行ってしまう軽やかさ、ボーカルと一体化したステップの楽しさ。プログラムは素敵なだけに、ミスはもったいなかった。
3 金博洋(Boyang JIN)(中国) SP:86.95(3)
「タンゴ・アモーレ」♪ 得意の4回転ルッツは片手をついたが3回転トウループをつけた。慎重にトリプルアクセルを決め、4回転トウループもややこらえたが着氷。ステップでは、体くねくねではなく、足元のスケーティングでタンゴを表現しようとしているのがいい。実はスケーティングがきれいなところをアピールできていた。
4 宇野昌磨 SP:86.47(4)
「Legends」♪ バルセロナにシニアの選手として凱旋 イーグルからトリプルアクセル、鮮やか。フライングキャメル、シットスピンでも拍手が起こる。4回転トウループは転倒したが(回転不足)、フリップ・トウ3-3は問題なし。音とシンクロしながら伸びやか、かつ細かいステップは、わくわくして目が離せない。レベル4に加点1.70
4回転2本下りた金博洋と僅差。
5 羽生結弦 SP:110.95(1)
「バラード1番」ショパン♪ NHK杯のあの得点がプレッシャーになるのでは?なんて心配は杞憂だった。いつものように、ぐるんと首を回して滑り出し、4回転サルコウからそのままイーグル。4回転トウループにきれいな3回転トウループがつく。フライングキャメルを丁寧にこなし、カウンターからのトリプルアクセル。スピードを増すシットスピンが終わると、弾むようにステップを踏んでいく。
スピンを止めてフィニッシュの瞬間、きっと睨みそうになったのを抑えて笑顔を浮かべた。また気合が入りすぎたか^^;
全てがなめらかで、最初から最後まで滞りなく流れてゆく。画面に表示される技術点が60点を超えて、、、
リンクサイドでオーサーコーチとハグした後、次がフェルナンデス選手なので一人でキス&クライに座る。合間に「Vamos, Javi!」と応援も。
得点を見て両手でガッツポーズ。あまりの歓声の大きさに、人差指を唇に当てて「静かに」のサイン、フェルナンデスを気遣った。
ジャッジスコアにマイナスや0がないどころか、1すらない。全て2か3。演技構成点のPerformance/Executionは、ジャッジ9人中8人が10.00をつけたため、実際の得点も10.00。さすがに初めて見る数字・・・
4回転サルコウ、4回転トウループ+3回転トウループのGOEが3、トリプルアクセルも2.71。スピンのGOEも1.29とか1.43、これは満点に近い。唯一の取りこぼしがステップでレベル3にとどまった。そういう部分が一つあって、かえって安心
この人は、どこまで行くんだろう
6 ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン) SP:91.52(2)
「マラゲーニャ」演奏:パコ・デ・ルシア、歌唱:プラシド・ドミンゴ♪ 羽生のこの演技の後に出て行くのは、気持ち的に難しいかもしれない。しかし、スペインでこのプログラムを滑れる喜びが、最初の手の動きからもう溢れてくる。
4回転サルコウはステップアウト、ルッツ・トウは3-2に。でもトリプルアクセルは完璧! ドミンゴの声にのって、情熱のステップを滑りきった。レベル4で全員が+3、つまり満点
得点にほっとした顔。
結果、羽生結弦がつい2週間前の史上最高得点をあっさり更新してトップに立ち、2位にフェルナンデス、3位に金博洋、僅差で4位に宇野昌磨、5位村上大介。パトリック・チャンがまさかの6位スタートとなった。
バルセロナの観客は、歴史的瞬間を自分の眼で見られて幸せ フリーは全員がいい演技ができますように。
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