web Sportivaの記事で、吉岡伸彦氏に聞くフィギュアスケートのルール改正についての解説が出ている(前編/後編)。
前編は主にシニア大会出場の年齢制限について。17歳は「子供のままの体型では跳べなくなるころ」ということで決まった。日本ではしっかり高さを出して跳ぶように指導されているので、成長しても大丈夫そう。日本の女子は、ジュニアからシニアに上がるころに3アクセルが跳べるようになるケースが多く、4回転も跳べそうなので、ルール改正に対応できるという。
ロシアのエテリ・トゥトベリゼ氏の「プログラムの作り方があざとい」と批評する。ジャンプが跳べるだけでなく、演技構成点の5項目の評価される部分を突き詰め、真ん中は多少テーマから離れても最初と最後はしっかり合わせて、誰が見ても評価するしかないようにしてあるとか。
ジャンプだけでなく、プログラムの作り方で日本などは負けていたところがある、というのはわかる気がする。
「技術が先行する時代と表現力が重視される時代が、振り子のように行ったり来たりしながら進化してきた」が、これから表現重視の流れになるかも、という話だった。
後編では、ステップ、スピン、ジャンプについて。ステップとスピンはレベル4を取りにくくして、差別化を図っている。
ステップは”「難しいターンの3連続」を左右それぞれで行なうなかで、5種類の難しいターンの全部の種類を含まなければいけない”ので、苦手なターンがあったらごまかせない。
スピンは“レベル4にするために必須の要件特徴6つ(1同一の足での難しい姿勢変更、2難しい出方、3明確なエッジ変更、4双方向の回転、5明確な回転速度の増加、6難しいフライングの入り方)を含まなければならない”となった。これを3つのスピンにうまく入れないといけない。(レイバックスピンでエッジ変更とかは難しいそうで)
演技構成点が3項目になったが、見るポイントが減ったわけではない。ただセミナーで「過去の名声に引きずられて点を出していけない」とか、「ひとつの項目がいいからといって他の2つの項目がいいとも限らない」と強調されているという話に、少しいい変化が見られそうな希望が
2本目・3本目にアクセルを跳ぶジャンプシークエンスの基礎点が1倍になったことで、真ん中に基礎点の低いオイラーを入れる3連続より、アクセルを使うジャンプが増えそう。女子に多い2アクセル+3トウは、3トウ+2アクセルと基礎点が同じになったので、2本目に3回転にしなくてもよくなるとか。このあたりは、選手の個性が出てきそうだ。
来週はジュニアグランプリシリーズが始まる。ISU大会でどんなジャッジが出るか、しっかり見ていきたい