Thank you for the music

好きな音楽のこと、あれこれ。その他諸々もあり。

眉毛で負け、、、

2006年08月05日 18時00分28秒 | Weblog

 1週間前の小さなニュースだが、気になるので書いておく。
 7月25日の鹿児島県中学校総合体育大会のバドミントン競技女子準々決勝で、眉をそっていた選手が「髪染め、眉そりなど、周囲を不快にさせる服装をしてはいけない」という規則に反していたことが試合後にわかったので、勝った試合を負けたことにした、というものだ。月曜日の朝のニュースワイド番組でも取り上げられていた(どのチャンネルの何という番組か忘れました、すみません)。
 私は大きく分けて3つの問題があると思う。
1.勝った試合を負けとした処置について
 ニュースによると、このルール違反は、相手選手の申し出によって初めて判明した。ということは、試合の主審や大会運営関係者など、周囲の大人たちは言われるまで気づかなかったということだ。ルールをきちんと適用するなら、試合前にきちんと外見チェックをするべきだった。ルールを守ることを理解させる為に何らかの措置が必要なら、この試合を無効にした上で改めてその選手を出場停止として、補欠選手による再試合をするべきだったと思う。相手選手は2度試合をさせられるわけだから休息時間が必要で、当然スケジュールどおりにはできなくなるが、それは試合前に気づくことができなかったのだから仕方がない。
2.ルール違反を申し出た相手選手のこと
 相手選手は、どの時点で眉そりに気づいたのだろうか。
 試合が終わってから気づいたのであれば、すぐに申し出たわけだから、それはそれでいい。問題は、試合前や試合中に気づいていたのに、すぐ言わなかった場合だ。
 同じ市内の中学生同士で、ルール違反を指摘するのもあまり気分のいいものではない。できれば言いたくないと思ったかもしれない。自分たちが勝てばいいんだから、と思ったかも。が、結局負けてしまい、ルール違反しているほうが勝ち進むことがどうしても納得できずに、申し出たんじゃないだろうか。
 心のなかの葛藤がわかるような気がする。そんな余分な葛藤をさせてしまったのは、何度も言うが主審や大会運営者たちの責任だ。彼女たちの気持ちはわかるが、申し出るなら、やはり気づいたその時点で言うべきだったと思う。結果として、ダメ元で言ってみたら最終的に自分たちに有利な結果になってしまったわけで、「世の中言ってみた者勝ち」だと思ってしまったのでは? だとすると、私は彼女たちの教育上あまりよくないと思うのだが。こういうことは、ダメ元で言ってみていいこととは違う。
3.眉毛をそることを禁止する規則について
 「相手を不快にさせる服装をしてはいけない」という規則自体は理解できるが、言われるまで誰も気づかなかったということは、誰も不快になっていなかったということだ。
 番組の電話取材に対して担当者は、「(誰が見ても不快に思うような、威嚇するような眉だったんですか?)それは、相手選手が嫌がっていたわけですから、、、」「(試合前に服装のチェックなどはしないんですか?)それは、各学校で責任持って指導していただくことになってますから、もしそういうことがあれば、学校側から何らかの報告があるはずで、、、」と話していた。ということは、顧問の先生は問題ないと判断して(あるいは気づかずに)選手登録し、大会関係者はそれを信じて疑わず、相手選手の指摘がなければ誰も気づかずに終わったかもしれないわけだ。本当に、そんなルールは必要なんだろうか、、、(だいたい、眉をそっているとどうして威嚇的になるのか? 女子中学生の場合、眉を細くすると大人っぽく見えるから、偉そうに見えるってこと? ネットをはさんで対する競技では、顔が少々怖いくらいで影響ないと思う。むしろ、ポイントのたびに大声を出したり睨んだりするほうが、よほど威嚇的だ。)

 日本には、年少者の装いに関する自由を制限し、成長とともに少しずつ制限をゆるめ、最終的に成人として認めるときに完全に自由を与えるという社会的な風習があるようだ。学生のあいだは髪を染めたり、化粧したりを許さないかわり、社会的にまだ弱い立場の者としてそれなりの庇護を与える、ということだ。ある意味人権侵害だと考える人もいるだろう。一方、学校関係者はなんの縛りもなしではどうしようもないと、経験から考えているだろう。見てくれをあれこれいじりまわすヒマがあったら勉強しろ!と、大人たちは言いたくなるのだ。ただ、「どうして中高生が髪を染めてはいけないのか? 眉を整えちゃいけないのか? 大人はみんなやってるのに!」という疑問に、大人たちはちゃんと答えることができるんだろうか。
 私は、「素の自分自身とじっくり向き合い、自分がどんなヤツなのか、よーく観察するために、あえていじらないでいる期間」と答えたい。大人になってしまうと、まるっきり素のままではそれこそ周囲を不快にする可能性もあって^^; なかなかそんな時間を持てないのだ。姿勢、歩き方、動作、ちょっとした工夫でびっくりするくらい人は印象が変わる。素の自分を一番かっこよく見せるコツを研究しておくと、好きなだけ外見をいじれるようになったとき、その効果は全然違うと思う。

 さっき、世界ジュニア卓球選手権のダイジェスト番組をやっていた。カデット(年少クラス、中学生あたり?)男子シングルスで優勝した日本選手、、、きれいに眉を細く整えていた。。。禁止されてなかったらしい
 鹿児島の眉をそってしまった選手も、勝ち進めば地元新聞の取材なんかもあるかもしれないし、もしかしたらテレビに映るかも? きれいにしておきたかったんだろうな。
 ・・・その程度のことだ。こんな話があると、「日本って嫌だ」と思ってしまう。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする