シーズンオフのリゾート地

季節外れの行楽地

その場所は、「賢ちゃん、センスやりましたね」と仁ちゃんの声が聞こえてきそうな、９８％の人か横向いてぷっ！！と吹き出してしまいそうな、襟付きのシャツと、面長なソバカスだらけの色白の顔を隠す為の帽子を深く被るという、最悪な状態らしい。

ボサボサでバサバサな寝癖のついた髪の毛、オーラ光線どころか、「絶対オレに声を掛けてくるなよ。もしそんな事したら、一生温い膜の張った脱脂粉乳飲む刑に処してやるからな」の目つきをギラつかせた場所だ。

しかし、「この世の最後の笑いの楽園」と称されているこのリゾート地が、かき入れ時の季節となると、もの凄い倍率でとても、滞在する事は、困難である。

だから、「この世の終わり」を全て背負い込んだ黒いリュックが、両腕の脇にしっかりくい込んでいるのを見に、いつ到来するか分からぬパラダイスを夢見て、この季節外れの地を訪れるしかないのである。