ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

「第19回青少年支援セミナー」1日目のご案内

2013年03月06日 14時42分35秒 | ホーププロジェクト
 2週間前にお知らせした2012年度の標記イベント。毎度のことながら広報の進捗は遅々としていますが、おかげさまで事前申し込みのご連絡やお問い合わせが徐々に入ってきています。

 今回は『不登校・ひきこもりからの生き方を考える』という全体テーマのほかに、初めて各日ごとに小テーマを設定しました。
 講座を開講する1日目は『不登校・ひきこもりの支援再考』と、シンポジウムを実施する2日目は『バリアフリーな生き方を求めて』としています。

 つまり、1日目にこれまでの不登校・ひきこもり支援の考え方とありようを問い直して当事者側から違う考え方あり方を提示し、それを受けて2日目に当事者時代からこんにちまでを生きてきた経験者がその生きた証を示す・・・という構成になっているわけです。

 そのうち、きょうは1日目の詳しい趣旨と内容と担当者をご紹介します。2日目を含めた全体の詳細を知りたい方は、下記宛案内書をご請求ください。

husta@@nifty.com(@をひとつにし、件名を「セミナー案内請求」としてください)

          ●

 不登校支援の歴史は長く、ひきこもりへの支援もこの10年余りの間にずいぶん広がりを見せています。

 標記イベントも、これまでに開催した18回のうち4回目からの10回は「支援団体の合同説明・相談会」や「支援方法の団体による異同」など、毎回支援団体を招いて支援についてあり方を考えたり情報を提供したりするプログラムを柱として開催してきました。

 しかし、そのほとんどを企画してきた当スタジオ代表の丸山は、相談業務や親の会で当事者やその親御さんとおつきあいするなかで、当事者が支援を受けたがらない現状があり、それは本人の心理もさることながら親御さんや支援側の要因からの影響が大きいという印象を持つようになりました。

 たとえば、多くの支援に共通する「雇用されて人並みに稼いで自立する」という“ゴール”に向かって「学校/社会に復帰するために支援を受ける」ことを当事者に求める考え方や「居場所支援」→「学習支援/人間関係訓練」→「学校復帰支援/就労支援」という“階段”を昇らせるというシステムじたいが、当事者を支援から遠ざけている、言い換えれば、当事者の“人生という道”の先に用意されている<支援>が、当事者によっては<障壁(バリア)>になっている、と考えるようになったのです。

 はたして、そのような「ステップアップする道(ルート)」しか用意しないでいいのでしょうか?
 また、支援と関係ない人や場は不要なのでしょうか?

 今回、そういった問題意識にもとづいて開講するのが、次のふたつの講座です。
 ご都合とご関心に合わせて、いずれかまたは両方をお選びください。


講座1)『当事者はなぜ支援を拒むのか~支援思考から生活思考へ~』

 不登校・ひきこもりの当事者のなかには、元気になっても支援を受けられない人が多くいます。当事者のどのような心理と周囲のどのような考え方が影響しているのでしょうか。過去の実体験と相談員としての経験をもとに「心理」「言葉」「支援」の3点のありようを取り上げて検討し、支援を受けやすくなる条件を探ります。

講師:丸山康彦(当スタジオ代表兼相談員)
 高校時代の不登校体験と大学卒業後のひきこもり体験に、相談員としての援助経験を肉づけした“体験的不登校ひきこもり論”にもとづく支援システムを構築。『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の執筆・配信は11年目に突入。


講座2)『ひきこもり支援への疑問~当事者の「声」を聴く難しさ~』

 「ひきこもっている人は無理解な社会にひきこもらされている」と言うこともできます。そのため「当事者の意思を尊重した支援」が原則とされますが「支援者に都合のよい部分」や「理解されやすい部分だけを語る当事者の発言」を意思とされたら、当事者は理解された実感を得られません。どうすればよいか問題提起して議論します。(聞き手:丸山康彦)

講師:石川良子(社会学者)
 『ひきこもりの<ゴール>-「就労」でもなく「対人関係」でもなく』著者。社会学専攻。日本学術振興会特別研究員。立教・専修両大学ほか非常勤講師。ひきこもりの会の世話人をつとめるなど多くの当事者と交流。この講座では支援に対する考え方を共有している丸山とともに、当事者支援のご都合主義を問い直す!


「第19回青少年支援セミナー」1日目の要項を見る
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