よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

不思議の国のWeb2.0、はて?

2006年02月07日 | オープンソース物語
このところ、周囲でよくweb2.0がささやかれたり、議論されている。で、いったいなんなのかWeb2.0とは?

初めてこの言葉を耳にしたとき、なにか新しいネット系のソフトウェアの新バージョンかなにかを連想した。実はこの用語、明確な統一的な定義があるわけではなく、ある種の方向性や期待感を示すファジーな用語である。方向性や期待感を示すファッショナブルな言葉としてネット界隈をめぐっている。もとはと言えばティム・オライリーあたりが唱え始めたコンセプトだ。

ティム・オライリーによると、Web2.0とはO'ReillyとMediaLiveが主催したブレインストーミング・セッションで生まれたコンセプト。2001年秋の米国ITバブル崩壊を生き残ったwebソリューションの特性、そして今後発展するwebソリューションの特性トレンドといったことろだ。

このブレインストーミング・セッションでは、Web2.0を実現するソフトウェア開発企業は以下のような特徴を持つとされた。

   ・パッケージソフトでない費用対効果の高いスケーラビリティを有するサービスを提供する
   ・より多くの人々が使うにつれてリッチになるユニークで創るのが難しいデータを提供する
   ・ユーザを共同開発者として位置づけ信頼する
   ・コミュニティとして共同体的インテリジェンスを生み出す
   ・顧客のセルフサービスによってロングテールをレバレッジする
   ・単一のデバイス・レベルを超越したソフトウェアを提供する
   ・ユーザインターフェイス、開発モデル、ビジネスモデルを扱いやすく軽くする

アメリカで騒がれると、わけがわからないまま金科玉条のごとく崇めたてまつる変な風潮が日本には跋扈しているようだ。早くもWeb2.0を社名にした会社もあるそうな。

コマーシャル・オープンソース・ソフトウェア(COSS)、そしてオープンソース・ソフトウェア・コミュニティ(OSSC)の動向は、もちろんずいぶんWeb2.0の脈絡と重なる部分は大きい。だからといってWeb2.0の文脈にすり寄ってトレンディーな議論をしたところであまり得るものはないんじゃないか。なぜなら、実質のある現実の動きを、たんなる方向感、期待感の寄せ集めのコンセプト中で議論してみても、事後的なつじつまあわせ、整理整頓になりがちだからだ。

ネーミングやイメージに惑わされることなく、変わるもの、変わらざるものの根っ子を押さえて、webとの付きあいかたを地道に進化させてゆく姿勢そこ重要なのだと思うのだが、さて。