散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20150719ギャラリー巡り

2015年07月19日 16時56分02秒 | ART
本日は法邑→HOKUBU記念美術館→犬養→市民→クラーク→レタラ→三越→スカイホール→さいとうの9か所。まだ行ききれない所があったが、断念。土日の両方回らないと、札幌市内のギャラリー巡りをこなしきれない状況か。

■茶廊法邑「大賞受賞者展」。
高橋玲香:作品名なし。賑やかな花鳥画がいい。
永川美保:作品名なし。崩壊していく弱い人間たちよ。
金渕浩之「ムエン浜」:人のいないリアルな風景画。
藤田博子:作品名なし。ガチャガチャした線が面白い作品。

■HOKUBU記念絵画館「早川俊二展」。展覧会のチラシを見て「もやもやしてるな」と好みではない予感がしていたのだが、思った以上にいい作品が多かった。
「じょうろ」:形が色彩に埋もれている所もあるが、写実のしっかりした作品。
「クレマンスの肖像」:繊細な女性像。ある種、男性の理想像か。
「黄昏の光」:鉛筆画の大作。スナップショットのように室内の人物をとらえているが、わずかな「ブレ感」が時間の経過を感じさせる。
「黒い機械油差しとミルク刺し」:作品の縁を風化させたようにしている特徴を持つ画家。静物画には遺跡に残された遺物のような雰囲気がある。

美術館のサービスはホットコーヒーだったらお断りしようかなと思ったら、ありがたいことにアイスコーヒーだった。「バガボンド」の途中巻を2冊読んで、しばし休憩。



■ギャラリー犬養「本田征爾&more展-幻灯仮面遊戯-」。仮面をテーマにした展覧会。
デストロイ屋(熊谷大介、水戸麻記子)「TAG」:プロレスのタッグマッチ専用マスクなのだが、2つの頭部がくっついた状態になっているため、レスラーはくっついて戦わなければならないという制約があるのだ。壁に「タッグマスクのひみつ」という、昔の少年雑誌に載っているような解説があるのだが、ものすごく弱くて情けない感じが漂ってくる。

■市民ギャラリー「北海道教育大学岩見沢校 美術文化専攻 七月展」。
八谷聡大「おちてるメテオ」:床置きした箱に、青い空と隕石? が描かれている。新しい取り組みをしている模様。
内村拓登「世界」:巨大な月が昇る世界。ただ、私はこういう構図を見ると、「事実上の双子惑星だから、知的生物が存在するような安定した世界にはならないだろうな」とか、「ロシュの限界に抵触しているのでは?」ということが気になる。
浅井菫「DINA」:地下のマグマを見下ろす地熱発電所だろうか。構図と色彩に迫力がある。

遊佐千裕「歩み」:歩んだまま死に絶え、骨だけを残す巨大生物。
三村紗瑛子「power plant」:弱弱しく全く信用のできない発電・送電施設。ある意味、現代の姿をとらえているのだろう。

■クラークギャラリー「高臣大介ガラス展「なつしずく。」」。棒状のガラスが天井からつりさげられており、それがかすかに接触することで涼しげな音が展示室に流れる。もっとも、展示室は結構暑いので、音だけであるのだが。



昔は倉庫だったらしいこのギャラリーだが、柱に店主の「商売の教え」のようなものが残っていた。すごく真っ当な事を言っている。



「靴紐一本でも無断で卸すな」
「商品を土足で踏むな」
「煙草を吸うな」
「電灯使用後すぐ消(せ)」
「不良品は其置場所(を決めろ、か?)」
「毎日掃除と商品の整頓」
「(感謝?)を忘れるな」…いずれもカタカナはひらがなに。また現代かなづかいとした。

■ギャラリーレタラ「EAU/H」。ギャラリー隣の空き地における野外展。
下沢敏也「Re-birth」と阿地信美智「coefficient of determination 決定係数」。

 

泉修次「覗き穴のある箱-野外編3」と渡辺行夫「空体1」「空体2」。

 

阿部典英「ネェダンナサンあるいは碑」と吉田茂「蘇って空」。

 

藤井忠行「変位・鉄辺」と瀬川葉子「記憶する3つの日」。

 

何となく縦に伸びた作品の方が、地面との対比でバランス良く見える。



■さいとうギャラリー「暑中見舞展」。
金子直人「鳥獣戯画を純銀で作ってみた」:タイトルの通りの作品。ちょっと面白い。

20150718ギャラリー巡り

2015年07月18日 16時51分47秒 | ART
本日はらいらっく→富士フイルム→大通→道新→時計台→大同→大丸→苫小牧美術博物館と少なめ。土曜日で終了のギャラリーを回っておこうと思ったのだが、コンチネンタルギャラリーに行くのを忘れた…。

札幌にいる間は小雨の状態が続く。



■時計台ギャラリー「国展<絵画部>北海道作家展」。
福井路可「明日の海-13.12-」:必ず十字架を思わせる部分を絵画に配置するあたりに困惑させられて来たのだが、今回はその十字の部分が海に写る太陽の光にも見え、納得感があった。朝焼け(夕焼け?)を思わせる色もいい。
伊藤貴美子「milky way1」:先日たぴおで作品を拝見し、光の粒子のモチーフは一旦無くしたのかと思ったが、今回の大作ではその光と星雲を思わせるような色彩の重なりが同時に用いられていた。伊藤流「銀河」は今後どのような展開をするのだろうか。

ここで札幌駅から苫小牧に移動。



苫小牧駅の左手には病院や飲食店の入った総合施設が誕生。しかし、正面の駅前ビルが完全閉店とあっては…。

 

駅も寂れて来たしなあ…。



街中の彫刻を見ながら、苫小牧市美術博物館へと向かう。写真左は作品名・作家名なし、王子不動産贈。写真右はタイトルのみ「独楽」と判明した。

 

市民公園の樹木の手入れはきちんとされている。



■苫小牧市美術博物館「地底旅行 地下資源をめぐる科学と美術の旅」。こちらは撮影不可。



坂東宏哉「かけがえのないもの」:幅約10mの大作品。地球が火山だらけの時代から海ができるまでを思わせる作品。
下沢敏也「Re-birth」:古代の生物が積み重なって石化していった姿を思わせるインスタレーション。
吉田茂「無限環境」:地面を一枚めくると、そこにあるのはマグマだった。黒と赤、表裏一体の作品。

思ったほど美術展示は少なく(大作が多かった)、化石類は北海道大学総合博物館のものが多かった。

中庭展示の藤井忠行「個と連なりと-モナドの記しに」は生命としての樹と作品としての姿が共存しているような作品。

企画展を見ると、そのまま常設展を見ることができる。ホッキ貝を見ながら、今日の夜に思いをはせる。



北海道指定有形文化財「アイヌ丸木舟および推進具」。



グリル富士屋のメニュー。本当にこの店のマリモライス、ハントニーライス、カラップライス、クローバーライスを食べてみたかった。大体、普通のビーフカレーの倍くらいの値段なのであるが、どんな料理だったのかな? 今も残っていれば、根室のエスカロップのように地域限定洋食メニューとして着目を浴びたかもしれないのに。



苫小牧市内の店のマッチコレクションも楽しい。



というところで、苫小牧駅に戻ろう。

20150711ギャラリー巡り

2015年07月11日 15時34分04秒 | ART
本日は三岸→資料館→道新→時計台→たぴお→大同→赤れんがテラス→チカホ→プラニスホール→エッセ→大丸→紀伊国屋→六花亭→グランビスタ→大通→富士フイルム→CAI02→三越→スカイホール→さいとうの19か所。最近は郊外のギャラリーの方が上質の展覧会を開いているのかもしれない。行ける数を減らしてでも、巡り方を変えようかな?

■三岸好太郎美術館「その時ミギシは動いた-前進! 前進! の31年」。まあ、ほぼ見たことのある作品ばかりだが、三岸の次の作風、またぐるっと一周してどういう作品を描いたかを見たくなることは間違いない。写真は「大通教会」。なお、この美術館の常設展は写真撮影可能なのだが、そのマナーに関する注意事項が詳しくなっていた。本当に最近は撮影可だからって、不作法極まりない人間が多いからね。



■時計台ギャラリー「香西富士夫個展」。
「影=つどう」:人間のインパクトを薄めた表現に移行。ふらふらとした曲線の味わいが面白い。この作風の変化、私にとっては成功に感じられる。

■ギャラリーたぴお「抽象展8」。
伊藤貴美子「(無題)」:光の粒子を描いたような画風から、色彩の面の重なりを描く方向に変化した作品。何となく布を思わせるような質感がある。これは大作だとどうなるのか非常に興味がある。
林教司「(無題)」:黒の水平線の上に赤の色彩。そこに焼け焦げの後を幾つかつけただけで、不思議と世界になっているから面白いものである。

■赤れんがテラス「道都大学美術学部デザイン学科展」。わざわざ3階でエレベータに乗り換えてくるわりには、全く眺望がよろしくないというテラスなのである。これは私の意見ではなく、一緒にエレベータでやってきた観光客らしき夫婦の「全然イメージと違った!」という発言から判断したもの。

 



まあ、まさか「眺望には期待しないでください」という表示を出しておくわけにもいかないしなあ…。

■地下歩行空間「縄文夏まつり」。国宝の土偶などのレプリカ展示あり。まあ、本物を見た私が言っておくが「まず本物とレプリカの区別はつかないので、安心して見るように!」。いや、ホント、良くできたレプリカなのである。

 

エスタの屋上では「そらのガーデン」がオープン。ちなみに今日は全く涼しくないので、行かなくて良いと思う。



■プラニスホール「越境する「手わざ」たち」。
下沢敏也「Re-birth<15-118>」:陶器の焦げた口が火山を思わせる作品。
松田郁美「broken」:いい意味での世界の滅びを感じさせる作品。

あちこちのギャラリーにはがき状のタダ券が大量に置かれているので、必ずそれを持って行くこと。そうでないと、少々のガッカリ感は否定できないだろう。



■ギャラリーエッセ「土と木 ふたり展」。小笠原み蔵のテーブルアクセサリーというシリーズが面白かった。饅頭やアンパン、カレーパン、野菜等を木彫りで表現したもの。それにしてもトンカツはどうだろうか(いや、面白い)。

■六花亭札幌本店ギャラリー柏「坂本直行スケッチブック展」。六花亭の包装紙にもなっている坂本直行の原画が展示中。このギャラリー、展示替えをどの程度の頻度でするのだろうか?

 

なお、2階の喫茶コーナーは大混雑。それからちょっとしたものだが、裏庭があるのはさすが六花亭だと思う。

 

■グランビスタギャラリー「マンダラ発光 杉浦康平のマンダラ蔵本宇宙」。教王護国寺(いわゆる東寺)に伝わる「伝真言院両界曼荼羅」の本、およびパネル展示。こんな間近で見られるのはありがたいものだ。

■CAI02「端聡個展-循環-」。大変申し訳ないことに作品名を失念してしまったが、ひんやりとそれでいて地獄の釜を思わせるような印象的な作品が展示されていた。

20150704ギャラリー巡り

2015年07月04日 17時00分04秒 | ART
本日はARTスペース201→さいとう→スカイホール→らいらっく→富士フイルム→道新→時計台→たぴお→大同→エッセ→小樽美術館→小樽文学館の12か所。

■時計台ギャラリー「寺崎源治遺作展」。重厚な版画展。私好みの部分がかなりあった。
「リンゴの季節(独り者)」:水色のチェックの床に黒い縁どりのリンゴが描かれている。その上には宙に浮いた帽子。
「ロープ」:ロープを描いた連作があったが、ロープは蛇であり、首つりの縄である。

■ギャラリーたぴお「KiRi BLUE」。無題の縦長の油彩作品には4層になった青のベールが描かれている。ベールが入口のようでもあり、奥に何がひそんでいるのか気になるところだ。
「think-BLUE-」:作者によるブルーの宝石コレクションである。



■大同ギャラリー「第56回北海道版画協会展」。
金沢一彦「トルワルセンの天体瞑想」:メルヘンの香りを漂わせつつも、亀が大地をささえる地球儀を描くなど、どこかに独特の個性がひそんでいる。
ナカムラアリ「命想・未知の胚B」「同R」:Bはブルー、Rはレッドを表したもの。生命感を感じる作品。
石川亨信「46」:花を散らした流麗な書のような作品。

■小樽美術館「小樽運河・いまむかし」。
中村善策「冬の運河」「運河と雑草」:1階の記念ホールでも中村善策作品は3点と普段とは随分変わった展示になっていた。しかもこの3点、初めて見たような気がする。持っている作品は惜しまず見せてほしい。
宮川魏「運河」:キュビスムの形とフォービスムの色を穏やかにまとめた作品。
渡辺祐一郎「雪の運河」:パステル調の色彩を使い、物語めいた雰囲気の作品である。

冨澤謙「小樽・運河・雪映え」:運河を渡る橋を中心にすえた力感のある作品。
藤森茂男「大家倉庫と引き船」:小樽運河保存運動の父と言われる人だが、画も普通ではないほど上手い。
白江正夫「茜色の記憶」:風景画でありながら、そこにはとどまらず心象風景としての魅力がある。



■小樽文学館「楢喜八原画展」。私が気になるだけでも、ウイリアム・ホープ・ホジスン、清水義範、かんべむさし、式貴士、マーク・トゥエイン、ロバート・L・フィッシュ、筒井康隆、横田順彌、石原藤夫、草上仁、折原一、R・シルヴァーバーグ、シマック、阿刀田高、小松左京らの挿絵、本カバー画を描いた人の原画展。随分、見ただけで「ああ、あれ」となる作品が多かった。沼田町に小~高校生時代住んでいたらしい。

写真(全て撮影可能だった)はかんべむさし「決戦・日本シリーズ」。

 

ここで恒例のコーヒー休憩。



残念ながら小樽市民ギャラリーは17時閉室。普通、18時までやっていないか…。

20150628ギャラリー巡り

2015年06月28日 14時56分46秒 | ART
本日は近美→資料館→ARTスペース201→さいとう→スカイホール→三越→大通→kitakara→道新→STV時計台→STV北2条→大同→大丸の13か所。体調はそれほど悪くなかったのだが、本を買ったら予想外に重く、力尽きてしまった。街の中心にないギャラリーで、地下鉄駅から微妙に遠いと行く気が薄れてしまう。しかも10時から開いていてくれると、最初の方に行くのだが、12時オープンとなると、なかなか回りづらいのだ(言い訳)。

■北海道立近代美術館「夢見るフランス絵画」。ちょうど9時25分頃、地下鉄西18丁目の駅に到着したので、急遽行ってみる気になった。初日はかなりの行列だったという話もあったが、今日の開館時には20人くらいかな。

クロード・モネ「睡蓮のある池」:手前から奥へと視線をいざなう睡蓮の葉。こうしてみるとなかなか良いね。
モーリス・ド・ヴラマンク「ルイ・フィリップ様式の花瓶」:黒いバックに白い花が輝く。背景には少し赤い色彩が入っているのもいい。ちょっとヴラマンクにしては意外な作品。
アンドレ・ドラン「花瓶の花」:こちらも暗闇に浮かぶ花である。ちょっとヴラマンクに似ているが、作品としてはいい。

モーリス・ユトリロ「エクーアンの境界と郵便局」:先日、ユトリロとヴァラドンの番組を見たせいか、作品を見るととても切なく辛い。白の時代から色の時代に入っても、何だか無理しているように見える。
モーリス・ユトリロ「アミアンの大聖堂」:具象と言えば具象だが、建物の窓をち密に描き込んでいるあたり、過剰にすら見えてきて、これもちょっと苦しい。
モーリス・ユトリロ「雪のモンマルトル界隈」:そして、ユトリロ作品のもう一つのポイントは、人物の実在感の薄さだろう。

アメデオ・モディリアーニ「小さなルイーズ」:たくましくも、若い娘の印象を良くとらえている。モディリアーニにしては、健康的な感じ。
アメデオ・モディリアーニ「バラをつけた若い婦人」:顔から体にかけて、右に左にカーブする様が、ある種の仏像のように見える。今回は、2点しかなかったが、モディリアーニの良さを新発見だ。
藤田嗣治「北那覇」:日本をテーマにしながらも、技法は普段の藤田ではなく、完全に西洋風の手法なのである。面白い。

キスリング「花」:時々キスリングは暴走するかのように見える。むせ返るような花・花・花である。
キスリング「魚のある静物」:こちらは魚の山を描いたような、カラフルな作品。

昨年来、オルセー美術館展、チューリヒ美術館展、ルーブル美術館展を見ているため、正直なところ「おお、これは素晴らしい」とならなかった私を、感性が鈍いとけなしてくれたまえ。



常設展の方は、「日本画逍遥」(見たことのある作品が多いが、ゆったりした展覧会)、「淡島雅吉展」(モダンでありながら、質実剛健な所もあるガラス作品)、「夏季名品選」(小林清親、川瀬巴水などの版画が良かった)が開催されている。

札幌市資料館へ行ったが、前庭の「一石を投じる」を見ると、岩の上からツメクサが伸び、苔も生えていた。最初、この資料館前に設置することになった時は「何の関係もない所に移動してしまって…」と思っていたのだが、我々はこの先何万年にもわたる、壮大な作品のスタートに立ち会っているのかも知れない。



 

■ARTスペース201「ふくろう団地 302号室」。日本画の動物が良かったと思う。

■STV時計台通ビル、STV北2条ビル「札幌大谷大学芸術学部美術学科油彩分野学生作品展 鏡、あるいは窓」。全道展で見た作品も多かったが、水準の高い展覧会である。

渡辺さつき「蛹-2」:先日の全道展に出品されていた作品。ちょっと薄気味悪いが、力はある。



山崎愛彦「4脚」:もう一つ散漫な感じもあるが、悪くない。



山崎愛彦「もこふわ」:全体にもこもこしていながら、形そのものは角ばっているのがいい。



大澤朋代「リピート」:執拗な感じ。



山田航平「8月の標本」。同じ繰り返しでも、戦闘機の翼に、ところどころ蝶の羽が混じった分柔らかく見える。飛行機が一機飛び立とうとしているところは、三岸好太郎の「飛ぶ蝶」を思わせる。



磯崎瑞恵「札幌市電終点-2」。札幌市民にとってはごく当たり前の風景だが、考えてみれば、間もなく見られなくなってしまうのか。



■大同ギャラリー「有象無象百楽繪 vol.3」。
Yu-koma「最高の晩餐」:異形たちの晩さん会。非常に上手い作品で、好きなタイプ。

この他、さいとうギャラリー「第26回水野スミ子個展」、大丸セントラル・スカイホール「第16回グループ環展」もなかなか。

20150620ギャラリー巡り

2015年06月20日 17時48分04秒 | ART
本日ははやし→大丸→大同→たぴお→時計台→道新→500m→市民→大通→CAI02→富士フイルム→三越→創→スカイホール→さいとう→コンチネンタルの16か所。

■石の蔵ぎゃらりぃはやし「compilation of seven times」。福井優子さんの展覧会。この場所では最後の展覧会になる模様。別項で紹介したブルーチーズのようなキャンドルを購入したが、作るのは結構大変らしい。青カビのように見える部分は一つ一つ手彩色とのこと。

■大同ギャラリー「日向寺洋子展 よりそって」。古民家の模型が驚くほどの精密さでいい。

■500m美術館「札幌のデザイン」。

赤坂真一郎「縮尺往来/The traffic on Reduced scale」。大きい人も、小さい人も。

 

市川義一「一日一手「I LOVE SAPPORO」」。自分の手を毎日書き続けて1060日。鳥獣人物戯画を見に行ったのかな?



後藤精二「The green color of plane trees;it is summer in Sapporo」。なんか立体的。



三善俊彦「札幌中心部<ダイアグラムの世界>」。札幌の自動車道路の通行方向を矢印で表現したもの。今、作者紹介の説明文を読んで驚いたが、中学校時代の同級生だ。



SHIMAUMA DESIGN「SARROBO I,II」。子供の妄想ロボのようで、そこがいい。

 

  

鎌田順也「カニグラ」。カニをモチーフにしたグラフィック。



川尻竜一「Beautiful like a star」。メタリックな雰囲気。



■市民ギャラリー「70周年記念全道展」。まあ、いつもの感じ。気に行った作家名・作品名だけ並べておくが、随分長い間変わりばえがしないような気がする。自分の感性が進化していないのか?

石本久美子「俯す糸」
板谷論使「ソナチネ」
市橋節こ「気-在りて」
井上俊明「安らかに」
梅津薫「しろきものふる」
佐藤仁敬「ヒカリのケハイ」
杉吉篤「早朝の光」
妻沼大也「KA.E.RU」
モリケンイチ「空の中のカゴ」:以前から着目していた人
森弘志「かんづめ」:いつもながらやらかしていた
山下達司「山腹崩壊・HELP」
山下みちよ「街A」
輪島進一「閃光」:色彩がよみがえり、また違った方向に
和田道「大我」
澁谷美求「青の世界III」
岡沼淳一「AT THE OLD ROAD」
川上加奈「サボテンたべた」:「天プラにしたんだよ。」という文字つき
川上勉「MacabreII」
向川未桜「昇りゆく魂」
(ローマ数字をアルファベットのIで代用)

野村裕之「穴のある家」。この作品だけ会場前に展示されていた。



■大通美術館「北海高等学校創立130周年記念展」。関係ないしパスしようかなと思ったが入って見た。するとアート部門には坂坦道、梁川剛一、栃内忠男、菊地精二、菊地又男、本郷新の作品が展示されている。入っておいてよかった。

■CAI02「U50,000 2015」。5万円以下の作品展示&販売。一番欲しい人の作品は売れていた。

■ギャラリー創「因幡都頼個展」。何となく面白みのある絵画を描いている人。

ギャラリー創の前に小さな生物発見。



■コンチネンタルギャラリー「DARKROOM MEETING 2015」。これはなかなか見ごたえのある写真展。

20150613ギャラリー巡り

2015年06月13日 16時34分51秒 | ART
本日は芸森→道新→時計台→大同→チカホ→大丸→エッセ→道銀→らいらっく→大通→富士フイルム→アリアンス→スカイホール→さいとうの14か所。途中で気力がゼロになり、もう少し行くべき所があったのだが挫折。

※追記 クロスホテルに立ち寄ったのを忘れていた。計15か所。

■札幌芸術の森美術館「歌川国芳展 後編」。雨の降る中を朝一番で到着。先に展示室に入っていく人がいたためついて行って見たが、やっぱりフライング。美術館の人が状況を確認したところで、展示室に入る。

 

「近江の国の勇婦於兼」:馬が西洋風の描写である。イソップ童話の銅版画に似た画があるらしい。
「名誉右に無敵左リ甚五郎」:右に出るものがないからとか、右腕を切り落とされたからとか、左利きだったからとかいろいろな説があるらしい。
「としよりのよふな若い人だ」:髪の毛も縞の服を着た人なのだ。

「亀喜妙々」:亀の甲羅に役者の顔をつけた風刺作品。2000枚売れると当てこんで作成したものの、150枚しか売れなかったのだとか。そりゃそうだろ、という気もする。
「水滸伝豪傑百八人」:私、ちゃんと水滸伝を読んだことがないのだが、108人もいるとかなり酷い人が含まれている模様。例えば、宿で人肉饅頭を作っていた関係者が何人もいるのだが、そいつらはどうだろう。
「高祖御一代略図 佐州塚原雪中」:東海道五十三次の蒲原を思わせる雪景色。

「近衛院に怪鳥あらわれる」:怪鳥といっても鵺のようだ。雷と遠近感の描写でスケール感あり。
「大江山酒呑童子」:色彩が華やかでいい。
「誠忠義士肖像シリーズ」:51枚組で8000セットも売れたのだとか。大ヒット商品。

相変わらず解説パネルは充実しており、所々極端に進みが遅いケースがある。今回は2番目に入場したので、何とか1時間で見終わった。

 

大人気のオリジナルマスキングテープは5種類中4種類が終売。売っているのも残りは少なそうなので、欲しい人は急ぐべし。


20150606ギャラリー巡り

2015年06月06日 15時47分42秒 | ART
本日は近美→資料館→コンチネンタル→道新→時計台→大同→大丸→紀伊国屋→JR-ART BOX→道銀駅前支店→三越→スカイホール→さいとう→ivory→アリアンス→富士フイルム→大通→サンプラザの18か所。

■札幌市資料館「第6回 風とだち Siberian husky 3人展」。久々にKさんにご挨拶。動物には興味のない私だが、切り株に座るハスキー犬の写真はなかなか良かった。

資料館では札幌に関するコーナーを久しぶりに見た。タキカワカイギュウよりはサイズが小さいが、なかなか驚くほどの大きさのサッポロカイギュウ(レプリカ)。

 

かつて石狩平野のあたりは海の底だったのだ。



■時計台ギャラリー「山本勇一油彩画展」。
「生々(ガジュマルの樹)」:人の体と樹の幹が混とんと入り混じっているような作品。
「生々(陽)」:ピンクと緑の対比。植物の画なのだが、抽象画になりかかっているような気配。

■大丸画廊「アート三つの視点」。
興梠優護「/21」:人が溶け、髪が炎のように舞いあがっているような人物像。混乱状態と紙一重だが。
寺林武洋「台(コンロ)」:生活に密着したシーン・物を細密描写した作品。その他にも換気扇、ドアノブ、コンセントなど。私好みだ。


■紀伊国屋ギャラリー「明治国家と法制官僚」。恒例の國學院大學の展示。今回は大日本帝国憲法、教育勅語関連のため図版がほとんどなく、力尽きる。無教養で申し訳ない。

■JR-ART BOX「S(h)ake! 吉田傑」。生まれた川をさかのぼる鮭の造形。段ボールを使うことで、鮭のボロボロになった体を良く表現している。

 

ギャラリーNEW STARは建物内に移動した模様。しかし、展覧会をやっていないせいか、どの部屋がギャラリーなのか結局分からなかった。何となくおしゃれビルだし、行きづらい感じ。



その後、狸小路を西へ移動し、西11丁目駅から帰宅。

 

■本日のクレーム。
・道新DO-BOX。挨拶し合っているマダム達が入り口をふさいで中に入れない。周りを少し見ろ。
・三越のエレベーターが相変わらず大混雑。1、2階の移動で、特段の事情の無い人はエスカレーターを使ってはどうか?
・スカイホールのエレベーターから展示室の動線を遮って話し続ける年配の男性2名。まあ、マナーと年齢って相関関係は無いよね。
・ivoryでは学生がぼんやりしていたせいか、見終わる頃にアンケート用紙を持って来ようとしていた(思いとどまっていた)。あのタイミングで「アンケートにご協力を」と言われたら、相当つっけんどんな対応になっていたと思う。
・アリアンスフランセーズにて、ガムをくちゃくちゃ噛みながら、いつまでも1か所にとどまっている年配の婦人。まあ、マナーと年齢って相関関係は無いよね。
・サンプラザの展覧会はなかなか興味深いものだったが、こちらも出品者+関係者で観覧を遮っていた。趣旨を間違えているように思う。

20150530ギャラリー巡り

2015年05月30日 15時22分47秒 | ART
本日は三越→さいとう→スカイホール→富士フイルム→大通→kitakara→道新→時計台→たぴお→大同→紀伊国屋→大丸→茶廊法邑→品品法邑→創の15か所。

■さいとうギャラリー「小野健壽彫刻展」。ブロンズではなく樹脂製の彫刻らしいのだが、(ほぼ)等身大の人物像が展示されているのは圧巻。たまにこういうクラシックな彫刻展を見たいものである。

郵便局に立ち寄った所、壁に何かかかっていた(作品名、作家名などは無し)。



■ギャラリーたぴお「女抽象三人展」。
丸藤真智子「月の花」:濃紺のバックにウサちゃんマークのようなものが16個並ぶ。どことなく林さんの作風も感じる抽象。
丸藤真智子「アジアの中の小さな雨」:子供が描いたカラフルな宝物の地図を思わせる、楽しい作品。

■茶廊法邑「「静かなる空間シリーズ2015」山里稔展」。何回見ても発見のあるインスタレーション展示。



■品品法邑「北海道の木彫り熊展」。あえてざっくりとノミ跡を残した作品や、毛の1本1本まで彫り込んだ作品までバリエーション豊富。熊が加えている鮭の鱗も非常にち密だったりする。砂澤ビッキの熊のドアノッカーも見どころ。木彫り熊の中では、やはり床ヌプリの作品が目を引いた。彫りがいい感じにランダムで、生命感があるのだ。「今どき、木彫りの熊?」と失笑される方もいそうだが、必見。

■ギャラリー創「アベ<楽描>テン」。ちょうど学生らしき人たちが大勢訪問し、阿部典英氏本人もいらっしゃった。今回は立体はほぼ無く、構想スケッチなどの展示。昔のものから最近のものまで、展示数が多く楽しめる展覧会だ。

******
話は変わるが、三越の新エレベータは設計ミスではないかと思うくらい使いにくい。なぜか2機のエレベータの呼び出しボタンを独立させてしまったので、何も考えずに2つ押すタワケどもが続出。乗る人もいないフロアに止まることが実に多い(ちなみに私は先に到着しそうな方のボタンしか押さないようにしている)。

さらに、エレベータ内のボタンが人間の腰のあたりで実に押しやすい構造なのだ。これまでに何度も止まる必要のない階のボタンをバカみたいに押している人や、「開く」ボタンを知らずに押している人がいるため「このドア閉まらない!」と憤慨するケースを見かけているのだ。

4機同時に動くようになれば、少しはイライラも収まるかもしれないがなあ。

20150523ギャラリー巡り

2015年05月23日 15時31分12秒 | ART
本日のギャラリー巡りは大丸→道銀駅前支店→大同→たぴお→STV北2条→STV時計台通ビル→時計台→道新→大通→富士フイルム→SYMBIOSIS→スカイホール→さいとう→三越→市民→北の映像ミュージアムの16か所。

札幌駅前のこの柱のようなものだが、上野山敏「札幌駅南口モニュメント」らしい。良く見たことがなかったのだが、この中央部って木製なのかな?



■STV北2条ビル、STV時計台通ビル「はじらい展」。DMには「エントランスアートNEXT Vol.1」とあり、「芸術の世界で”未来”を志す若い世代に対し、オフィスビルのエントランス空間を、作品発表の場として提供しています。」ということなので、終了したと思われていたエントランスアートが形を変えて始まった模様。

STVのページを見てみると「原則として春季(4月から6月頃)と秋季(9月から11月頃)に2回ずつ、1回3週間以内で展示期間を設けます。」ということなので、毎週展示をするという訳でもないようだ。

■SYMBIOSIS「AQUA」。久野志乃の作品をもう一度見ておこうと立ち寄ったのだが、2階への階段の踊り場に前回見落としていた作品を発見。気が付いて良かった。

■北の映像ミュージアム。つい先日、やっと北大植物園に行ったのだが、こちらも存在を知りつつ、長らく行っていなかった場所である。何かの学会が行われているらしく、大混雑のホテルさっぽろ芸文館へ潜入。

伊藤正「函館の街」を発見。反射で写り悪し。



北の映像ミュージアム自体はこじんまりとした作りであった。やはり映画の好きな人向けだろう。

 

20150516ギャラリー巡り

2015年05月16日 16時50分41秒 | ART
本日は大通→道新→時計台→たぴお→法邑→大丸→紀伊国屋→三越→スカイホール→さいとう→丸井→SYMBIOSIS→富士フイルム→CAI02の14か所。

■時計台ギャラリー「安藤和也個展Vol.5」。素晴らしい描写力はもちろんの事、簡単にテーマを読み取らせない深みがある。タイトルは例えば「何を見ているのか、僕は知りたい」と人間の関係性を表しながら、画の中に描かれている人物たちは目もあわさずにコミュニケーションがとれているようには思えないのだ。また、人の体や指の間からもれだしてくる青い光(生命?)と頭蓋骨に代表される死のイメージ。この対称性も目につく所である。

■時計台ギャラリー「藤井康子展」。
「The Lost World II」:初めて時計台ギャラリーで見たときに、スーパーリアリズムの香りがして気になっていた方の作品だ。これはその頃のもので廃車置き場の自動車を描いている。
「Departure」:その後、人物の横たわる作品があり、近年のこの作品は戦闘機の前に赤い下着の女性が立っている画。両テーマを合わせたような感じなのだが、でもやっぱり好きなのはメカニックではなかろうか。

今週の時計台ギャラリーは全室埋まっていないものの当たりの日だ。

■茶廊法邑「Bee hive展 2015」。グループ展であるがゆえに成功している事例だと思う。
吉成翔子「とことこてくてくのびのび」:普段から壁に貼り付けるスタイルの作品だが、今回はことのほかのびのびしている。天井を越えて伸び続け(厳密にはパーツは途中で途切れている)、向こう側の壁に到達してしまったのだ。
松田郁美「bracelet」:いつもの球形がひょうたん型の鉄でつながり合わさっている。

佐藤あゆみ「ここよりももっと」:金属の植物なのだが、小さな葉の部分の色が金属というよりは植物っぽく、接近して見ると良い感じだ。
佐々木仁美「記憶の断片」:四角の形に小さな金属片をピンで埋め込んだ作品。この一つ一つが人間の記憶なのだろうか。

近くの法国公園がおしゃれに改装されていた。



大丸では6階で竹鶴リタの写真展が開催されていた。かなりの人気で画廊で版画を見ていても、「リタの写真展はどこでやっているのですか」と聞きに来る人がいるし、行って見たところ女性軍団で埋め尽くされている状態だった。6階には初めて気が付いたが、あさはらちよじ「To the Future 未来へ…」という彫刻作品が置いてあるのであった。



■スカイホール「石川亨信 凹版画展」。最初、何だこれはと思っても見ているうちに作品イメージが見えてくるのだ。しかしそれは、鑑賞者の内面にあるものでもあるので、イメージ力のある人が見るほど面白い、鏡のような作品群なのかもしれない。

中央のロール紙はアスファルトにインクを塗り、ロール紙を置いて車で10往復ほどひいたというダイナミックな作品。展示室奥の中央にある作品は、私は見た瞬間「水連」だなと思った色彩と形。なかなか面白いね。

■丸井今井「いけばなの根源 池坊展」。作品の前に立つと、手前に葉がのびて見ている人に刺さりそうなくらいの作品が多い。前へ前へ、これが池坊なのかな?

■symbiosis「AQUA-久野志乃×福本双紅 展覧会」。これは見ないわけにはいかない。
久野志乃「あおの発見」:ラフレシアのようになった氷河の中央にたどり着いて見れば、そこには水のある大きな穴があった。いつもながら、すばらしい作品を見ることができた。

20150509ギャラリー巡り

2015年05月09日 16時18分41秒 | ART
本日は紀伊国屋→大丸→エッセ→大同→道新→グランドホテル→北1条写真館→北大植物園→大通→富士フイルム→三越→スカイホール→さいとう→鴨々堂の14か所。

■ギャラリーエッセ「GROUP EXHIBITION 5+」。
川嶋みゆき「菌ちゃんのお仕事」「フランケン育成工場」:なかなかイメージ豊かな小品が多数並んでいたので、私が気に行った作品名を上げておこう。
古田萠「けはい」:ルドンの「キュクロプス」をちょっと思わせる、不思議な作品。
渡邊ゆかり「switch」:手がスイッチを入れた瞬間、光に透けて見えるかのよう。ラトゥールっぽいか。

■札幌グランドホテル「チャリティーいけばな展 花・季の響き」。割と自然な感じの作品が多く、まあ素直に見ることができる。

ここで北1条地下通路(チカホと違い閑散)を通って、北大植物園方面へ(記事は別項)。



■古民家gallery鴨々堂「瞳景画-dou kei ga-」。人間の瞳に映った風景などをさらに写真で撮った写真展。1万回以上撮影して、作品になったのが20数枚(しかもフィルムカメラで)ということらしい。写りの具合はさておき、「人の瞳に映った映像」を具現化する試みではあると思う。

ああ、知らなかった北海道大学植物園

2015年05月09日 14時37分13秒 | ART
もちろん北大植物園が存在することは知っている。

先日海外の旅行客に「この辺にミュージアムがあるはずだが」と質問されて答えられなかったのだが、ヤナイさんからコメントを頂き「北大植物園の中に博物館がありますよ」と知らされたのであった。そういえば、植物園内に何か建物があるのは知っていたのだが、植物に興味が薄いため、今日に至るまで入園したことがなかったのである。

行ったことがないからちゃんと分かっていないのだ。と、観光客をリードできなかったことを反省し、すかさず今週行って見ることにした。入園料は大人420円。自動販売機で券を購入させられ、窓口の箱に入れさせられるという、あまり気分の良ろしくないシステムに従い入園。



まずは内回りルートというのに沿うと、北方民族資料室がある。



昭和10年撮影のアイヌ「熊祭(熊送り)」の資料映像。映像はいいが、これブラウン管のテレビだよね。そっちの方が珍しかったりして。



「エチンケカムイ」(亀の頭蓋骨)は海の神として祭ったものらしい。髪の毛っぽいものがあり、どちらかと言うとカッパにも見える。



次は宮部金吾記念館(植物園創始者)。館内は撮影禁止だったが、松浦武四郎画の「アイヌ昆布採りの画」、有島武郎遺墨、有島武郎油彩(どこかで見た記憶が)が展示されていた。



建物の前には、1890年札幌最古のライラックがある。



ここから北ローンへ。今日は涼しいが、日差しが当たっている間は非常に気持ちがいい。極力開園以前の状態を残しているということで、いろいろな大木もあるようだ。

 

植物園の中央には湿生園がある。



北方民族植物標本園、草本分科園があり、いろいろな植物(ギョウジャニンニクがあった)が育てられている。ちょっと驚きの風景だ。



中央部に戻って、重要文化財エリアへ。付属博物館便所(もちろん使用不可)、博物館事務所。

 

博物館倉庫とバチェラー記念館。

 

博物館本館の正面と横から。この建物が一番古く、竣工は133年前になる。

 

それほど大規模なものではないが、剥製などが展示されている。まずは樺太犬タロ。そう、あの南極に取り残されたタロとジロの片方である。タロは4年あまり南極で過ごした後、この博物館で9年ほど飼われていたらしい。



翼を広げたオジロワシと、ひょうきんにも見えるエゾヒグマ。

 

建物を出ると彫刻っぽいものがあったが、作者名はなし。「瓔珞みがく」という北大寮歌50周年の歌碑のようだ。



それからちょっと驚いたのが温室で、熱帯雨林室・シダ室・パイナップル科植物室・冷温室・多肉植物室・ラン室などがあり、世界各国の植物が育成されていた。ちょっとビビったのがウツボカズラ等のある食虫植物コーナー。



他の人がほとんどいなかったので、特撮ものだったら、ツルが伸びてきて足にからまり、危うく食べられてしまう所だった。

他にも行きたいギャラリーがあったので少し見学を省略したが、それでも1時間半の滞在。なかなか充実した展示と自然の風景であった。ここ、回数券はあるんだけど年間パスがないのである。年間パスを作って宣伝をすれば、もっと人が来るような気はするが、それよりもこの状態を維持し続けることの方が重要な使命なのかもしれない。

最後に植物園門衛所(これも重文の一部)を見ておしまい。


20150504ギャラリー巡り

2015年05月04日 16時52分31秒 | ART
本日は新さっぽろ→ARTWALL→芸森→大丸の4か所。

■新さっぽろギャラリー「今荘義男個展「古里」」。ライティングが抑え目になっており、古里シリーズの色彩が馴染んでいた。

■札幌芸術の森美術館「歌川国芳展」。充実の展示、結局2時間かかった。解説パネルが見やすく充実している。

「蝦蟆僊人と相馬太郎良門」:ショッカーの秘密基地と親玉の原型はここに合ったのか、という感じ。
「出雲伊麿」:ワニザメ退治の図。爪のような波頭は北斎由来ものもか。
「大物之浦海底之図」:平知盛が亡霊となって義経に迫る図なのだが、海中にはカニ、エビ、エイ、魚が多数。そちらが描きたかったのではないかと思えるほどだ。

「平知盛亡霊の図」:せっかく亡霊となって出て来たのは良いが、弁慶の念仏で退散。弁慶って僧兵なのだろうけど、そんな力があるのか?
「鬼童丸」:少年ジャンプの系譜もこの辺が発祥かもしれない。
「暑中の夕立」:傘に料理屋の名前がスポンサーとして入っているところが展示パネルで取り上げられていたが、私は「鷺」料理の店というのが気になった。

「東都名所佃嶋」:川に流れるスイカや桶、水死者供養のお札が舞っているところをあえて描く。
「東都名所浅草今戸」:風景画なのだが、奇妙な形や、風景の省略を行い、心象風景のようになっている。
「横浜本町之図」:やけに人々の服がカラフルだ。当時から、おしゃれな横浜イメージなのだろうか。

「其まま地口猫飼好五十三疋(下)」:草津→くさつ→こたつ→こたつに猫。こんな駄洒落が楽しい。
「狸のあみ打」「狸のおふらい」:狸の中で金○が小さいものが、見世物小屋で見世物になっている。ちょっと悲しいぞ。
「金魚づくし 酒のざしき」:金魚たちがふらふらと宴会中。何とも自由な作品。

「荷宝蔵壁のむだ書」:役者絵が禁止されたので、「壁に書かれたいたずらですよ」という体で、役者の顔を描いたもの。これ、現物を知っていると、今で言うモノマネ芸のように爆笑だと思う。雰囲気だけは伝わってきた。

解説パネルの充実っぷりはある種の問題で、できれば、解説パネルのみ別会場で展示し、そっちの入場料を300円にしてやれば満足する人も多いんじゃないか? と皮肉ってみる。作品を見るより、パネルに時間をかけている人が随分いたので。



工芸館では「茶」の展示会。茶会で抹茶を振舞われるのは興味が無いが、現代の茶器は見て面白いかと・



何となく、少し雨が降りそうだ。池に白い作品が浮かぶと、芸森の春だ。



■大丸美術画廊「鎌田義裕 日本画展」。
「彩光府馬の大楠」:大木と緑と光の世界。入口のショーケースに展示されていたこの作品は結構良いと思う。

旭川へ(2)

2015年05月02日 14時44分47秒 | ART
旭川駅に到着し、まずは駅周辺を見て回る。駅裏には神居古潭石が置いてある。「1億数千年前の大陸移動中に起こった海底火山の噴出物が岩石に変化し、石狩川で水研された石」なのだとか。まあ、パワーストーンなんて書いてあるのは、正直なところどうかと思うけどね(単なる物質に、何の根拠もなく科学で説明できないパワーがあると思う人の気がしれない。もちろんパワースポットも同じ)。



それから駅構内の彫刻美術館ステーションギャラリーへ。わりと良い所なのだが、観覧者はゼロだった。

本田明二「夷酋ノチクサ」と、一色邦彦「ひびき」。何となく不思議すぎる形。

 

旭川駅と言えば、(多分)今の話題は某ショッピングセンターなのである。買物公園の人通りはいつもと同じように見えたが、ショッピングセンター内は随分人がいるのである。



しかし私は久々に駅前ビルを探索。こういう所の方が心がなごむ。



それから旭川美術館へ移動。現在開催しているのは「古代エジプト美術の世界展 魔術と神秘」だ。スイスのガンドゥール美術財団の所蔵品が展示されているとのこと。早速、見て行こう。



「神格化されたイムホテプの像」:かなり精密なブロンズ像である。
「ネフェルホテプの墳墓から出土したレリーフ」:描かれている服のひだが相当細かい。石灰石なのに良く残ったものだ。
「アレクサンダー大王の名前の彫られたレリーフ」:アレクサンダーとなると、近しい感じがしてくる。

「ファラオ・ラメセス3世の建てた祭儀神像を記念する石碑」:神と王が対面するドラマティックなシーン。
「クロコダイルに乗るホルスのシプス」:ヘビや蠍を手にした像。これに液体をかけてから飲むと、身が守られるのだそうだ。
「トキのミイラに付けられたトキの頭部像」:神聖な区域1つに、年間1万羽のトキのミイラが埋められたのだとか。大虐殺というか、巨大産業というか。

「ネコのミイラのための棺」:ネコも儀式に使うために幼いうちに計画的に殺害されたのだとか。現代とは少々感覚が違う。
「エジプトの主神アムンとアムンのバー」:アムンとは最強神のこと(一般的にはアモンかも)。バーはあらゆる自然を支配する力で、像が「フリーザ最終形態」のような凄い形状になっている。
「ベスのアミュレット」:お守りなのだが、ある種の根付のようでもある。

「クロコダイルの体にハヤブサの頭部を持つ混成獣のアミュレット」:どこの国の人も合体動物って作るよね。
「ホルエムアケトの人型の棺」:胴体部分は木目を生かした作り。髪には細かい四角の文様が刻まれている。
「マミーボード(ミイラに被せられた木製の蓋)」:文様がマンダラのように多層的世界観を持っているように見える。なかなかの傑作。

「授乳する女王あるいは女神の彫像」:これは大変良くできた造形である。
「ファラオの巨大な頭部像」:スフィンクスの頭部だったらしいのだが、仏像的微笑みが感じられる。

今回展示で最も古いものは、エジプト王朝誕生前~エジプト元始王朝(4000~2955 BC)のものだとか。やはりロマンがある。

常設展示コーナーでは「シカクイ、マルイ-形のわけあり物語」が開催されていた。こちらは撮影可能だったで、鹿目尚志「はこの奥はこの奥」の写真を載せておこう。ビックリ箱が展開したような、複雑な金庫のような面白い形だ。



ついでに、美術館のある常盤公園内の彫刻をいくつか。

空充秋「地」。



大成浩「風の塔No.8」。実はこのすぐ横に、ミニスカで寝そべって本を読んでいる女性がいて、変な感じにならないように彫刻だけを撮影するのが大変だった。私は変質者ではありません。



山口牧生「傾くかたち'84」。



岩村通俊の歌碑と像。

 

旭川消防組記念碑。



7条緑道に出て、加藤顕清「母子像」。比較的最近設置されたらしい。



加藤顕清「人間」。



この辺で、いい時間になってきた。