散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20150815ギャラリー巡り

2015年08月15日 12時07分38秒 | ART
本日はさいとう→スカイホール→三越→らいらっく→富士フイルム→大通→道新→たぴお→大同→紀伊国屋→大丸の11か所。この後、小樽に行ったのだが、その辺は別項で。

大通に到着したところ、早くも雨。先が思いやられる。



■らいらっくぎゃらりい「ハルカヤマ藝術要塞2015サテライト展CUBE」。なかなかこの展覧会を見に行けない私にとっては嬉しい展覧会だったが、会場には入れず、外から見て下さいという設定だった。ちょっと残念。

 

■大通美術館「千展」。
吉村千加子「夕凪」:ギャラクティカマグナム的迫力のある作品。
吉村千加子「潜在B」:白い壁の向こうには異世界が存在する、という感じの作品。

■紀伊国屋ギャラリー「「北海道の戦後・昭和」 戦後70年パネル展」。見たことのない地方都市の戦後の状況など、なかなか面白い写真展であった。

20150808-09ギャラリー巡り

2015年08月09日 17時16分44秒 | ART
8月8日、晴れ。朝の雲は少し秋めいているか。



本日はDO-BOX→道新→時計台→たぴお→大同→大丸→大通→富士フイルムの8か所。

■時計台ギャラリー「輪島進一展」。過去のモチーフと最近の技法が統合された感あり。
「クレッシェンド」:這うような人の動きが、ちょっと爬虫類のようで怖い作品。
「モデラート」:何だか千手観音のようにも見える、揺らめくような手の動き。

■大丸画廊「大丸アートセレクション」。
松枝悠希「”This is Exit square”green 300」:非常口のサインから”人”のマークが手前に飛び出している、2.5次元作品。他にも同じ手法の作品があり、なかなか面白い。
松田苑子「ときの箱シリーズ」:細かい文様が入ったガラス製の小箱。ちょっと欲しくなる。

8月9日、晴れ。鳳凰のような雲。



本日はivory→さいとう→スカイホール→4プラ→三越の5か所。

■三越「─カレイドスコープ─次世代を担う若手作家の絵画・立体作品展」。
池尻育志「落書き」:落ち着いた風景の中に、落書き風サインの異物感。

帰りの雲も秋めいている。

 

鎌倉のアートあれこれ

2015年08月08日 08時07分20秒 | ART
鎌倉市に初めて行ったので、目に付いたアート作品(主に彫刻)を紹介しよう。

小町通りにあった、名もなき作品。

 

神奈川県立近代美術館鎌倉館の清水九兵衛「BELT」。



山口牧生「棒状の石あるいはCosmic Nucleus」。



空充秋「揺藻」。この時9時台なのだが、地獄のように暑い。



中島幹夫「軌09」。



鶴岡八幡宮の狛犬。

 

今度は神奈川県立近代美術館鎌倉館の中庭でイサム・ノグチ「コケシ」。



木村賢太郎「作品-55」。



高橋清「人」。



神奈川県立近代美術館鎌倉別館にて。渡辺豊重「Swing86-01」。



井上玲子「カゲボウシ」。



植松奎二「浮くかたち-軸」。



湯原和夫「無題」。



本郷新「わだつみ」。おお、ここにもあるのか。



番浦有爾「穹」「風」。

 

湯村光「Stone Work-Stream」。



眞板雅文「静思空間」。上の圧迫感が…。



多田美波「時空」。



柳原義達「犬の唄」。



大通の横にある道祖神。暑さピーク。



以上。

東京国立近代美術館「戦争画」特集、他

2015年08月08日 07時42分44秒 | ART
終戦(というか敗戦だが)70年のためか、東京国立近代美術館ではいわゆる「戦争画」が多く展示されていた。

御厨純一「ニューギニア沖東方敵機動部隊強襲」。飛行機の煙を見てつい「ブーン!」って子供が言いそうだ。



石川寅治「渡洋艦隊」。荒波を越える戦闘機。ちょっと燃えるよねえ。



小川原脩「成都爆撃」。この超上空視線というのは、いろいろな問題を秘めていると思う。



佐藤敬「クラークフィールド攻撃」。燃え上がる煙が印象的。戦闘機を大きく描くな、と軍部から指示があったそうだ。



藤田嗣治「哈爾哈河畔之戦闘」。横長の超大作で、戦車などを除けば、ある種の爽快感すらある風景画だ。



鶴田吾郎「神兵バレンバンに降下す」。雲と白い落下傘が不思議なメルヘンムードを漂わせる。当時「あまりに楽天的」と評されたようだ。



古沢岩美「餓鬼」。戦後に描かれたものなので、戦争の特に醜いイメージが抽出された作品。



森村泰昌「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」。戦争画ではなく、7分47秒のビデオ作品。「なにものか」というのは三島由紀夫なのだろうが、森村が三島に扮し、現代日本美術の「死」を痛烈に訴える作品。終わった後に演説の前の場所が映されるのだが、ほとんど誰もいないという寂しさ。半分真剣、半分冗談と見るべきか。



画を見ただけでも「戦争画」が単純に「神国日本万歳!」だけで描かれたものではないのだなと思う。

東京のアートあれこれ

2015年08月02日 21時56分14秒 | ART
7月24日、25日と東京にいたのだが、その間に撮影した彫刻の類を公開する。

京橋にかつてあった旧「片倉館」正面玄関メダリオン、だそうだ。



龍馬像。高知県の物産館の前かな。



東京駅付近。謎の大黒様?



皇居のそば。多分、偉い人。



毎日新聞社ビル「ニッポン」記念碑。



国立近代美術館の庭、木村賢太郎「七つの祈り」。



同、マリオ・マリーニ「あるイメージの構想」。



同、多田美波「Chiaroscuro」。



神田付近で発見するも、作者名・作品名なし。



池田政治「豊穣<七つの莢の豆>」。



北郷悟「永遠の街」。街角にこれがあるというのは、なかなかのセンス。



田中昭「健やかに」。


20150801ギャラリー巡り

2015年08月01日 15時16分19秒 | ART
本日は新さっぽろART WALL→新さっぽろ→市民→文学館→創→スカイホール→さいとう→三越→らいらっく→富士フィルム→kitakara→グランビスタ→道新→時計台→大同→大丸→紀伊国屋の17か所。

午前中は日差しが強いが、まだ涼しい風が吹いていた。



■新さっぽろART WALL「松隈無憂樹展」。平面だけではなく、立体作品も一部あり。

 

■北海道立文学館「挿絵の美・大州文化の黄金時代-対象イマジュリィの世界-」。
橋口五葉「NIPPON YUSEN KAISHA(パンフレット)」:字体がプログレっぽい。
小村雪岱「鏡花小史(泉鏡太郎)『愛艸集』」:本の見返りに、夜の橋を渡る女性が描かれている。雰囲気ある。
西沢笛畝「震後のニコライ堂」:ローマ神殿のような風景。

芳朗/岡本帰一「仏教系日曜学校カード」:私はキリスト教系の幼稚園に通っていたので、「さんにんのはかせ」といったカードに心ときめいていたものである。それの仏教版なんだそうだ。
高畠華宵「たわむれ」:木を背にして美少年が独特のポーズで立っている。今なら「華宵立ち」と言われたかも。
作者不詳「マッチラベル」:喫茶小松というところのマッチに「新飲料チャールストン」とあるのが気になる。

作者不詳「S.S.ヴァンダイン『猟奇探偵賭博場殺人事件 怪奇殺人』」:現代訳ではタイトルは「カジノ殺人事件」なのだ。このおどろおどろしさはいいね。

なかなか見ごたえのある展覧会であった。その他「京都アール・デコのイマジュリィ」というコーナーでは、真鍋博のイラストを何となく思い浮かべた。後期は作品全点入れ替えらしいので、また来てみたい。



ちなみに中島公園はドローン使用禁止なのだそうだ。



それから朝倉文夫「木下成太郎像」は今回初めて気がついたかもしれない。



■さいとうギャラリー「ナガイユカリ個展-ミエナイアオ-」。
「碧」:何とも涼やかな色彩がいい。
「仰」:どちらかと言うと私は細かい文様が好きなのだが、バラ4輪をちゅうちょなく置いたこの作品は実に気持ちいい。

■大同ギャラリー「第1回北海道けやき展」。金沢美術工芸大学の同窓生による展覧会である。
西谷正士「生生」:川辺で苔むした木の緑がいい。
加藤達哉「expression」:異様に顔力のあるオジサンを描く。
斉藤和志「彩り」:錆びて、朽ちつつある列車。

橘井裕「使者」:錆びた鉄を使って形作ったコウモリ。同題の作品が2つあったが、羽を閉じている方が抜群にいい。
伊藤隆弘「時空-個の起源説-2015」:木でつくられたサッカーボールのような形で、中央部はくりぬかれ、焦げ目がついている。

灼熱の東京(17) 武蔵

2015年07月26日 16時21分51秒 | ART
羽田空港に到着したが、気まぐれで第一ターミナルの方に降りてみたところ、第二ターミナルは果てしなく遠かった。連絡バスを発見し、移動する。



そして最後はここだ。

■羽田空港美術館ディスカバリーミュージアム「剣豪宮本武蔵の水墨画」。

本人の水墨画よりも、かの有名な二刀を持った武蔵像がいい。他には本人作の不動明王立像、達磨像等。永青文庫蔵の「五輪の書」も展示されていた。

 

疲れたが日曜日なので酒を飲まず、コーラで糖分を補給。帰りの飛行機も幸い空いており、無事千歳空港へ。

灼熱の東京(16) 蟹・蟹

2015年07月26日 13時07分08秒 | ART
さて、少し鎌倉の街を歩く。鳩サブレーの看板、そして鎌倉彫の店もあるようだ。鎌倉彫会館は入館料が必要だったので、パスしておいた。そんなに興味がないんだよね。

 

■吉兆庵美術館「これぞ超人技! 横浜真葛焼」。

「真葛窯蟹貼付水盤」:ワタリガニ風の大きな蟹がついたものは見たことがあるのだが、川蟹のような地味な感じの蟹がついた水盤。何となくこちらの方が好きだな。
「青海老釉彫刻海老図花瓶」:赤いイセエビがダイナミックに描かれた花瓶。色彩鮮やか。
「窯変洋紅釉香炉」:この真紅というか、赤紫の色彩の素晴らしさは何とも言えない。
「青磁釉睡蓮二翡翠灰器」:これは灰皿なのか? とても使えないよ。

この他、北大路魯山人の作品もあり、なかなか充実した展示であった。



 

■鏑木清隆記念美術館「清方の作品から学ぶ、日本画の描き方」。比較的小さい美術館。
「桜もみぢ」:旅の姉妹を描いた作品なのだが、キセルを持ったお姉さんが可愛らしいのである。
「一葉女史の墓」:こちらもお墓の前なのに、艶めかしい女性。やはり上手いね。

 

ここから小道を通り抜けて、鎌倉駅方面へ。

 

鎌倉の大仏、長谷寺にも行くことを想定していたのだが、時間の関係上断念。まあ、東京から比較的簡単に来ることができるのが分かったので、また機会もあるだろう。

鎌倉駅から横浜で乗り換えて、羽田空港へと向かう。

灼熱の東京(14) 名建築

2015年07月26日 11時29分11秒 | ART
本日の第2メインイベントは神奈川県立近代美術館の鎌倉館、鎌倉別館巡りである。鎌倉館の方は耐震強度の問題で取り壊しになるという話もあったが、どうにか補強工事ができそうとのこと。恐らく近いうちに長期閉館になるのではあるまいか。

■神奈川県立近代美術館鎌倉館「鎌倉からはじまった。1951-2016」。かなり興味深い展示であった。
黒田清輝「逗子五景」:黒田のタッチが逗子の風景にピッタリ。
青木繁「真・善・美」:おお、こんなの書いていたのか。習作とのことで、これで大作を描いて欲しかったな。
坂本繁二郎「棕呂の見える風景」:淡い色は相変わらず。馬が出てこない作品を見たのは初めてか。

中川一政「静物(びん・白布)」:岸田や三岸も描いていた感じの卓上静物画。
関根正二「村岡みんの肖像」:超有名作品以外で関根の画を初めて見た。
牛島憲之「タンク」:私の大好きな牛島憲之。大変うれしい限りだ。

鷹山宇一「荒野の歌」:木の切り株に赤ちゃんがもぐり込もうとし、切り株の上にはカマキリが月光を浴びている。ヒプノシスを思わせる画風だ。

有名作家の作品が高橋由一、ワーグマンに始まり、浅井忠、藤島武二、有島生馬、中村彜、小出楢重、岸田劉生、須田国太郎、佐富勝蔵、村山槐多、鳥海青児、山口長男、香川泰男とこれでもかと並んでいる。見たことのない作品ばかりだったので、東京の国立博物館、近代美術館等に慣れて来た私も、初心に帰る良い機会であったように思う。

 

続いて強烈な暑さの中、10分ほど歩いて神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。

■神奈川県立近代美術館鎌倉別館「同 第二会場:版画の部」。
上野誠「牛市(薩摩)」:戯画チックな濃い顔である。
一原有徳「滴(2)」:そりゃあ一原さんの作品がなくては始まるまい。
加納光於「稲妻捕り PF-No.3」:色彩の中、白い稲妻が飛びまわる作品。

秀島由己男「風の船A」:紙風船に裸の人間が刺さって真っ暗な中を飛ぶという不思議作品。
柄澤齊「『死と変容』第1週 夜3.日触」:黒バックに黒い瞳の女性。不思議な顔の線。
李樺「真夜中の恐怖」:警察に踏み込まれるシーン。こんなの発表して大丈夫だったのか?

ピーテル・ブリューゲル「休息する兵士たち」:ブリューゲルらしい爽快な風景。
マックス・クリンガー「『手袋』II.行為」:これはあちこちで見かける作品だが、何とも言えない浮遊感がいいのだろう。
エドヴァルド・ムンク「二人の人物-孤独な人たち」:二人の間の微妙な距離感がいい。

マン・レイ「交響曲」:抽象版画。マン・レイがこういう作品を作っていたんだね。
ルフィーノ・タマヨ「夜曲」:夜空をバックに謎の黒い人物が手を振り上げるシーン。名古屋市美術館でこの人の作品を見たが、どこか気になるところがある。

鎌倉館、別館共に外に彫刻があったのだが、その辺は別途紹介することにしよう。

 

灼熱の東京(13) 鎌倉へ

2015年07月26日 10時14分50秒 | ART
さて、日曜日の朝だ。昨日は早めに寝たので、何とか体調は良好。朝食は復活後久しぶりのペヤングやきそばである。北海道にいると、どうしてもやきそば弁当を食べるからね。麺細め、ソースは比較的甘酸っぱい味である。

 

さて、本日は7時前にホテルを出発。早くも朝から暑い予感。



有楽町から横浜へ移動し、今回目指すのは初訪問となる鎌倉なのである。



電車に乗っている間は冷房もあり快適。無事に座ったまま鎌倉に到着。ぐんぐん気温は上がっている模様。



ピーク時は歩くことさえ難しくなるという小町通りを通って、まずは鶴岡八幡宮と向かう。さすがに9時前とあって、まだ歩く人もまばらである。

 

鶴岡八幡宮付近に到着。何やら巨大な木の根っこがあるが、平成22年に倒れた大銀杏らしい。



さて、本殿へ向かうと「自転車の乗り入れを禁止」する注意書きがある。いやー、この階段なら大丈夫じゃないか?

 

そして本殿への楼門は改修中なのであった。その横にある宝物殿を見に行くが、国宝のレプリカが沢山あった。

 

特に祈る習慣は無いため、石段を降り、鎌倉国宝館へ。こっちが今日のメインイベントなのである。

 

まずは平常展示「鎌倉の仏像」から。

「薬師三尊及び十二神将立像」:国宝館の中央に三尊、そしてその四方を固める十二神将の配置となっている。薬師如来が平安時代のもの。十二神将は戌神がプロレスの真壁選手のような悪くてイイ顔、寅神が今にも走りだしそうな前傾姿勢、子神が顔に色気のある男という感じ。こちらは江戸時代のものも混じっているため、同じ十二神将の中でも、かなり雰囲気に差がある。

以下は全て鎌倉時代の仏像。
「千手観音菩薩坐像」:建長寺。手がちゃんと揃っており、やっぱり千手観音はいいね。
「倶生神坐像」:円応寺。人の善悪を記録し、閻魔大王に伝える役目の人。いい顔している。
「地蔵菩薩立像」:寿福寺。石のような冷たいすっきり感がある仏像だ。
「須弥壇」:獅子と牡丹唐草の透かし彫りがされている。鎌倉彫の祖型ともいわれるものらしい。

続いて、平成26年度鎌倉市新指定文化財および新収蔵品。
狩野探幽「富士山図」:山の稜線が見事ななめらかさで描かれている。

観覧者は全体で5名ほど。静かに仏像を堪能できた。

灼熱の東京(10) もう限界

2015年07月25日 17時01分10秒 | ART
本日4つ目の展覧会は三井記念美術館の「春信一番! 写楽二番!」である。東京駅周辺の展覧会が多かったため、結局全て歩いてきてしまった。外は暑く、美術館は寒く(と言っても20度強)、もはや限界である。

展示室の1と2は版画をかけるような壁になっていないので、工芸品が出品されていた。高瀬好山の「自在昆虫置物」、安藤録山の「染象牙果菜置物」などはいつ見ても素晴らしく楽しい作品。

鈴木春信「そうめん干し」:夏だなあ、白が涼しくていい。

どうやら本当に気力が尽きていたようで、これ以降感想メモが残っていない。フィラデルフィア美術館から主な出品者は鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、奥村政信、磯田湖龍斎、勝川春章、渓斎英泉、歌川国芳の作品が出品されていた。



さあ、力尽きた。またもほど近い、神田に歩いて移動しよう。

灼熱の東京(9) 見ごたえあり

2015年07月25日 15時04分56秒 | ART
3つ目の展覧会は、東京国立近代美術館の「NO MUSEUM,NO LIFE? これからの美術館辞典」というアルファベット順の美術に関連する用語に沿った、国立美術館コレクション展である。例えば、Aは「Art Museum」「Architecture」というテーマが掲げられている。

アンリ・ルソー「第22回アンデパンダン展への参加を呼びかける自由の女神」:おお、これここにあったんだ。なかなか良い作品だと思う。
アラヤー・ラートチャムルーンスック「ミレーの≪落ち穂拾い≫とタイの農民たち」:タイの農民たちがこの作品を見ながら、「きっとヤム芋を作っているに違いない」とか、実に自由なトークを繰り広げる面白作品。
スン・ユエン&ポン・ユー「I am here」:かなり生々しい人物像なので、来る人来る人ちょっと驚いていた。果たして彼は何を見ているのだろうか…



作者なし「額」:最初左側の穴をのぞき込んで「ああ、向こうの景色が作品に見えるわけね」と思って、反対側に行くと…。

 

自分の方が作品なのであった。

作者多数「裸体」:壁の一角に裸体画/ヌードが大集合。どれが誰の作品を当てるのも面白いかも。



デュシャン「泉」、他:こういう展覧会では欠かせないデュシャン。私がこれを見た感想は「あれ、この便器、本物の≪泉≫なんだっけ?」。レディメイドだから、どうでもいいはずなのだが。



なかなか見ごたえがあり、時間がすぎる。また常設展も駆け足で見ていこうと思ったが、戦後70年のせいか戦争画特集をやっており、ついつい見入ってしまった。そちらはまた項を改めて紹介することにしよう。

 

この建物、私は国立西洋美術館(←世界遺産に登録しようという動きがある)より好きだな。

灼熱の東京(7) 皇居へ

2015年07月25日 11時55分19秒 | ART
美術館の中は汗が冷えるため結構寒い(20~22度くらいか)が、外に出た瞬間にまた暑くなる。次は歩いて行けてしまう、宮内庁三の丸尚蔵館「絵巻を愉しむ」展へ。



しかし、このクソ暑い中、皇居ランナーと言うのが走っているのには驚かされる。絶対体に悪いと思うのだが…。本人が体を害するのは勝手だが、私の目の前で倒れたりするのはやめてほしいものである。

さて、展覧会では「酒伝童子絵巻」など、時代は新しいが非常にカラフルな色彩の絵巻が楽しめた。しかし、こういう所に来る人たちは、展示台のガラスにはさわらないといったことは心得ていないのだろうか。黙々とガラスを拭く、監視のオジサンが大活躍であった。



ここで、これまた歩いて行けてしまう竹橋に向かいつつ、途中で昼食だ。

灼熱の東京(6) 画が上手い

2015年07月25日 11時34分21秒 | ART
本日一つ目の展覧会は三菱一号館美術館の「画鬼暁斎」である。開場5分前位についたところ、待ち人数は約30人。まあそれほど混雑している訳でもなく、見やすかったと言える。早速、感想を書いていこう。

暁斎「枯木寒鴉図」:暁斎の鴉は実に上手い。黒の濃い薄いのメリハリが素晴らしい。
コンドル「霊照女・拾得図屏風」:中国風の日本画を見事に描いている。
暁斎「白鷺に猿図」:白鷺の堂々とした姿に頭を抱えておびえる猿。対象的だ。

暁斎「恵比寿と大黒図」:何やら二人で争っているように見える。鯛と鼠が描かれているのも象徴的。
暁斎「二羽の泊鴉に山水図」:やはり鴉が迫力があって上手い。
暁斎「蝦蟇仙人・鉄拐仙人図」:蝦蟇仙人は目がエロおやじ風。鉄拐仙人は飄々としている。

暁斎「大和美人図屏風」:これは傑作だ。女性の衣、背景の花、描かれた屏風の中の風景と見どころ沢山。
暁斎「鯉図」:水の流れを堂々と描いてしまうのがいい。
暁斎「蜥蜴と兎図」:メトロポリタン美術館に小品の動物図が大量にコレクションされている模様。生き生きした作品。

暁斎「ぶらさがる猿図」:これまた上手い。
暁斎「白衣観音図」:動物の生き生きした感じから一転、岩のごつごつした感じを軽々と描いている。
暁斎「龍神に観音図」:モヤモヤした雲の中からあらわれる龍、水がスーッと回りを流れている観音。

暁斎「布袋の蝉採り図」:こちらは仙がいにも似た飄々とした作品。
暁斎「鳥獣戯画 猫又と狸」:さらにモグラやイタチのような動物も描かれ、ええじゃないか風に踊っている。
暁斎「柿に鴉図」:柿の朱色があって、さらに鴉の黒が引き立っている。

暁斎「秋冬山水図」:滝の流れなど、無造作にも見えて思い切りのいい線が素晴らしい。いや、線に力がある、迷いがないとはこういうことなのでは。
暁斎「放屁合戦図」:屁の流れを描き、さらにそれはカーブしているのだ。屁で戦うエスパーの物語かもしれない。
暁斎「極楽太夫図」:着物の色彩の鮮やかさがたまらない。

実にバラエティに富んだ作風で、かつ線が素晴らしく上手いのが印象的な人であった。途中でカーテンで仕切られたコーナーがあったのだが、「18歳以下は大人と一緒に見て下さい」という春画コーナーであった。昨今、日本でも限定された展示ではあるが、春画がオープンになってきたかも知れない。

下記の写真右はジョサイア・コンドルとの記念撮影コーナーであった。

 

20150720ギャラリー巡り

2015年07月20日 14時46分53秒 | ART
ギャラリー巡りと言っても、突如思い立って行ってみた、札幌彫刻美術館の「谷口顕一郎展 凹みスタディ-札幌-」の1か所である。来週の週末は暇がないので、なるべく前倒しで行ってみなくてはなるまい。

今回は全作品撮影自由なので、何点かご紹介したい。まずはロビーにある「凹みスタディ-琴似川北12条西20丁目-#6-II(2倍スケール)」。正面からみると、動物を思わせるような形に、色彩の黄色が目立つ。



ふと気がついて裏に回って見ると、影のように張り付いていた黒が黄色を侵食して見える。



これまで、この一連の作品は単に道路の凹みを象ったものだと思っていたのだが、どこまでの形を作品として取り上げるかは作者の選択にゆだねられていることに気がついた(遅いか?)。また出来上がった形を折りたたむのも、サイズを変えるのも(○倍スケール、というのが結構あった)作者次第なのだ。

私はどうもフロッタージュ作品への評価が辛いのだが、それは「どうやったって、現物の等倍写しではないか」と思っていたからなのである。しかし、「凹みスタディ」は少なくともその点をクリアしているように思う。但し、制約がないからと言って、そのことが傑作を生むとは限らない訳だが。

もう一つこの展覧会で目に付いたのは、「影」である。これは元々の形を更に生かす効果があるように思うので、意図的なのだろうと思う。

 

しかし、彫刻美術館への道のりは暑かった。