本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

クロノス神とカイロス神

2022-02-14 20:25:23 | 十地経

ギリシャ神話に出てくる

時を司る二人の神

Chronosクロノス神と

Kairosuカイロス神

このカイロス神の姿は

前髪は長いが後頭部は禿げた

美少年といいます

チャンスは前髪で受け止め

それを逃すと後は禿げていて

チャンスを逃す

ということでしょうか

 

時間にも二つあって

過去から現在未来へと

流れていく時間

それと、

「その時、歴史は動いた」

という

その時という時間です。

 

講義では、

トラディションと歴史

ということで話は展開します

 

「トラディションというもの

が歴史を成り立たせている。

歴史は起こった事件です。

起こった事件が起こった

後から消えてしまうなら

歴史ではない。

歴史ということは

やはり日常的ではない。

これは歴史的だ

という場合はですね、

何かそこに、

日常的ではないという

意味があります。

出来事は起こった瞬間に

消えていくのが出来事の

性質ですけど、

起こった出来事の意味は

消えていかない、

残るというものでないと

歴史的ということは

いえない。

 

それについて、

まあトラディションという

ものは大事なものなんです

けど

また考えにくいもので、

ただ習慣というものではない

ですね。

習慣はこれはむしろ

トラディションを殺す

ものです。

習慣は過去が現在を規定する

というけど

トラディションは

そうではない。

過去・現在・未来を

成り立たせているものが

トラディションです。

いつでも今というような、

今から今へというのが

トラディションです。

 

その上に歴史的時間という、

過去とか現在とか未来という

ことが成り立つんであって、

現在も現在として生きており

過去も過去として生きておる

未来も未来として生きておる

というのがトラディション

です。

トラディション、

伝承するということは、

過去から現在へ、

現在から未来へと、

そればかり考えるけども

そうではない。

現在から過去にも伝承する。

 

過去が見直されるんです。

ええ。

過去というものが

いつでも現在の観点から

見直されていくんです。

そういうように

過去が生み出されるんです。

過去・現在・未来というのは

 

歴史の時間範疇ですけど、

それを成り立たせている

トラディションの時間

というものは、

永遠の今

というのがこれが

トラディションの時間だと

思います。

今から今へというのがね。

今から今へ。

ある意味では

過去・現在・未来は

時間的ですけど、

今から今へというと

空間的です。

 

空間というと時間ではない

と思うですけど、

そうではないですね。

キルケゴールの同時性

ということがあって、

感応道交するという。

過去が現在に響き

現在が過去に響くと、

過去と現在とが互いに

語り合うということは、

それはいってみたら、

過去も現在も今の中に

あるわけです。

それはもうすでに

空間的です。」

 

このところを読みながら

ふと、クロノスとカイロス

という時間のことが

浮かんできたのです。

ただ流れていく

時間ではなしに

出会いとかいうことは

その時間は止まった時間

その人にとって

何ものにも代えがたい時に

なるように思います。

 

また、金子大栄先生は

過去は変えられないが

見直すことが出来ると

仰っておられます。

見直すことによって

過去と現在との対話ができ

新たな歩みもでるような

失敗を拝む、

ということがあって

失敗を見直すことによって

新しい歩みが出ると思います

 

 

 

 

 

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