本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

実感年齢

2022-02-15 19:59:37 | 住職の活動日記

テレビのコマーシャルで

「実感年齢」という

中高年のサプリのCMです

実年齢よりも

元気で若々しくという

そういう意味で実感年齢と

いわれているようです。

 

印象的だったのは

若い頃、

近所に住んでいる叔母に

年とるって、どういう感じと

聞いたところ

「気分は娘たい!」

という返事、

誰が見ても明らかに老婆

でも本人は娘気分

ということです。

 

このことも先に書いた

クロノスとカイロス

という時間

クロノスは流れゆく時間

誰にも当てはまる客観的な

過ぎ去っていく時間です

その叔母も

客観的に見れば老婆です

そういう見方がクロノスの

時間で、

気分は娘というのは

カイロス的時間でしょう

自分が思っている時間

 

過去の自分を引きずっている

というか、

過去の自分に生きている

時間は80年も過ぎているのに

気持ちは若い時のまま

ということは

誰も等しく抱いている

時間の観念です

 

実感年齢とは

よく言ったもので

日々年は重ねているのですが

気持ちの年齢は

自分が感じる(自感年齢)は

昔のままなのです。

 

ふと昔の話をしていると

あっという間に

時は過ぎ去っていっている

のですが

昔話に花が咲くとは

過去の自分と今の自分が

対話している

響き合っているという

ことです。

 

クロノスという時間

過ぎ去っていく時間は

残酷なもので

気分はいくら実感年齢と

頑張ってみても

やはりからだの老化は

どうすることもできません

調子がいい時は

カイロスの時間に浸り

ちょっと調子が悪くなると

途端にクロノスという

老化の時間は現実の姿を

見せつけてきます。

 

この時間の考え方

クロノスという時を刻み

過ぎ去っていく時間

思い出にふけり時間を止めて

過去の楽しさに耽る

そいう二つの時間の感じ方

付き合い方が

老化という現実を

受け入れつつ

過去の楽しかった時間に

思いを走らせるという

そいうことが大事なように

思うのです。

 

過去だけ追うのも

これも一つのぼけ老人に

なってしまうようで

かといって

実感年齢と頑張るのも

年寄りの冷や水と

いわれそうで

この時の感じ方は

なかなか難しいものです。

 

 

 

 

コメント
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