本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

十地経の構成

2022-02-12 20:50:27 | 十地経

「衆生を捨てざる法無我智は

対治を摂取する」。

対治に摂取される。

方便智というものが

愛着という楽、

楽着というものを対治する

ことになるんだと、

こういう意味で対治に

摂取されると。

 

この漢文はよく分からん

漢文だけど、

非常に苦労した翻訳だと

思うですね。

それは菩提流支ボダイルシ

インド人が漢文使って

翻訳しとるんだから。

中国人が翻訳したんじゃない

インド人がきて

外国語を使って

翻訳しとるんだから、

読みにくいのは

そういう訳です。

 

と述べておられるように

この『十地経』は

北インド出身の菩提流支三蔵

が洛陽で翻訳したのです

生年は不明、没年は527年

その他、金剛般若波羅蜜経や

入楞伽経、浄土論など

重要な経典を訳した方です。

 

「内容的にいえば分析的に

なりますけど、

初地から三地までは

大体世間的なんです。

布施するとか戒を保つとか

世間智。

それに対して今度は、

出世間智は四地から六地まで

これは第四地は

菩提分法(ボダイブンポウ)

といいまして、

菩提を成就する行が

説かれとる。

五地は四聖諦シショウタイ

第六地は縁起というわけで

出世間といっても

小乗という意味です。

布施したり戒を保ったりする

のは世間、

つまり施戒忍というのは

世間。」

 

施は布施、戒は持戒、

忍は忍辱ということで

六波羅蜜の最初の三つです

 

「これは昔から

成仏の行じゃないんであって

天に生まれる行なんです。

幸福を得る行。

だからそれは世間。

出世間というのは小乗。

これは解脱涅槃を目指す

わけです。

解脱涅槃の数地が

四・五・六地。

こういうような世間出世間

というものに対して

大乗を表す訳です。

 

それが七地から出てくる。

これまでは世間という

ものにおいて菩薩道を表し、

出世間を通して菩薩道を

表してきたんですけども、

今度は正しく裸のままで

大乗を表そうと。

だからこれらに比較して

今度は七地というものが

勝れとるということをいう。」

 

というように、

ですから、講義も第七地を

中心に進みます

そこから、初歓喜地を見直し

第六地とかをみて

講義の内容も行きつ戻りつ

しながら、立体的に

この十地経というものを

作り上げていかれるようです

そこがまた

話しの広がりがあって

面白いところです。

 

けど、

やはり分からないことばかり

余談というか

講義がそれた話が面白く

先生の目で世間というものを

どのように見ておられるか

そういうことも興味深い

ところなんです。

 

 

 

コメント
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