大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

お江戸といったら浅草、浅草といったら今や人種のるつぼの国際的観光地【何度来ても飽きない浅草】

2010年11月20日 16時43分45秒 | 台東区・歴史散策
お江戸の風情を残すさまざまな名所、名跡をとりあげてきた私のブログではありますが、浅草だけがスコーンと抜けていたのです。とは言っても、浅草を紹介する切り口があまりに多岐にわたり、掴みどころがないことが悩みの種でございまして、これまでブログに登場することがなかったのです。本日は淺草街区の紹介第一弾ということで、徒然なるままに書き連ねてみました。

下町を代表する大観光地「浅草」には、あのスカイツリーへのアクセス拠点としてここ最近これまでに増してたくさんの人が訪れているようです。雷門の前ではさまざまな言語が飛び交い、ここは一体どこの国なのかと戸惑うくらい賑やかな光景を呈しています。

色とりどりの小さなお店が軒を連ねる「仲見世通り」はそれこそ芋洗い状態の人出で賑わい見せています。きっとお江戸の時代にも同じような光景が繰り広げられていたのではないかと想いを馳せながら、その賑わいを楽しめるのが仲見世通りです。江戸の川柳で「仲見世は お六どこやに 聞き飽きる」と詠われたように、お江戸の時代に茶屋の看板娘お六を探しまわるたくさんの庶民の姿が、仲見世を歩いていると頭によぎってくるのです。

そこでお江戸の時代から今に伝わる伝統的なからくり玩具「どんだりはねたり」が仲見世で売っているのを先日見つけました。お江戸の文化を調べているうちに、この「とんだりはねたり」の絵柄を見たのですが、実物がどういうものだかは分からなかったのです。そこで浅草なら、ということで仲見世通りの江戸玩具を扱う店に行ってみることにしました。確かにありました。

とんだりはねたり玩具

仲見世通りを雷門から進んで、そろそろ通りが終わる右側の小さなお店「助六」には江戸時代の可愛らしい玩具が並んでいます。「とんだりはねたり」は竹の台座の上に被り物をかぶった人形が置かれ、バネの力で人形が跳ね上がると、その勢いで被り物も飛びはねて、中から人形が顔をだす」というからくり人形です。この仕草を見て、笑い転げるといったものではないのですが、デジタル化された現代のおもちゃに比べ、なんともアナログチックな素朴さを感じる逸品ではないかと思います。ただちょっと値段が高いので購入は諦めました。

浅草にはいくつもの「通り」がまるで碁盤の目のように縦横に走っています。仲見世通りはその代表的な通りなのですが、私が好きな通りの一つに「伝法院通り」があります。

仲見世側から見た伝法院通り

仲見世通りの途中から左へはいる道なのですが、この通りの両側にはお江戸の町並を再現したかのような造りのお店や、戦後の闇市のような佇まいをみせる屋台の店などが並び、なんでもありの浅草を象徴しているかのような雰囲気が感じられるのです。

伝法院通りの店

かつてお江戸の時代にはこの辺りに「二十間茶屋」が並んでいたらしいのですが、明和の三大美人の一人で水茶屋『蔦屋』の「お芳」や宝暦の美人・櫛巻のお六がいた場所なのです。

そして伝法院山門前の角にあるのが浅草公会堂ですが、この建物の前には昭和を飾ったスター達の「手形」が埋め込まれているんです。米国ハリウッドのグローマンズ・チャイニーズシアター前のものを真似たものなのでしょう。平成生まれの若い方にはそれほど馴染みがないスターが多いかもしれませんが、昭和生まれの私にとってはそれはそれは懐かしいスターの手形が並び、ついスターの手形に自分の手を重ねてしまいます。

伝法院門前
ビートたけしの手形

伝法院通りを抜けて、これまた浅草らしいホルモン通り、そして場末の演芸劇場が並ぶ奧山通りへと進むと、浅草寺本堂と五重塔、宝蔵門が目の前に現れてきます。
やはり淺草の象徴はこの3つの建物でしょう。ご本堂の屋根はチタン製の瓦に葺き替えられ堂々とした姿を見せています。そしてこれまた堂々とした居ずまいの宝蔵門と美しい五重塔が見る者を圧倒するかのように迎えてくれます。

宝蔵門
五重塔
浅草寺ご本堂

また正観音とは切っても切れない「三社様」も忘れてはならない存在です。浅草寺ご本堂のちょうど右手奥に置かれている「三社様」にも是非参詣されてください。

三社様鳥居
三社様狛犬

三社様の鳥居を出て、左へ進むと二天門。もともとは浅草寺境内に建立された東照宮の随身門だったもので、国の重要文化財に指定されています。

東照宮の石橋
二天門

お江戸の時代には、吉原への道筋を教えるのにこんな風に言われていました。「二天門出ては左、左へ大門へ」
これは二天門を出るとすぐに馬道。馬道を左へ進み、そして土手八丁に付き当たり、それを左へ行くと見返り柳が見えてくる。といった具合に道筋を教えてくれたのです。

まあ、本日のところはこのへんでお開きにしたいと思います。また近いうちに淺草の裏話を紹介いたしましょう。

浅草裏・今戸橋袂の今戸神社…招き猫と新撰組沖田の妙なコラボ【お江戸今戸の山谷堀】
猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市
浅草寺僧坊・伝法院庭園の枝垂れ桜も満開ですよ!
浅草観音・浅草寺~納めの観音ご縁日・羽子板市~
今日は浅草・浅草寺のほおづき市~四万六千日のお縁日~
またまた浅草浅草寺・年の暮れ歳時記~納めの観音、羽子板市の盛況~
初冬の浅草金龍山「浅草寺境内」~黄金と朱の絶妙な色景色~
めったに見られない!浅草浅草寺の寺宝「大絵馬」と伝法院庭園の拝観
お江戸淺草歳の市~お江戸の風情「羽子板市」の賑わい~【淺草浅草寺境内】





日本史 ブログランキングへ

神社・仏閣 ブログランキングへ

お城・史跡 ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みことみ)
2010-11-23 00:24:39
浅草はどこへ行っても味がある気がします!
返信する

コメントを投稿