大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

お江戸掘坂小石川・こんにゃく閻魔は眼病・歯痛にご利益あり【掘坂小石川】

2010年12月13日 12時50分17秒 | 文京区・歴史散策
徳川家菩提寺「伝通院」からさほど離れていないところに、珍しい名前の閻魔堂があります。通称「こんにゃく閻魔様」と呼ばれ、眼病を癒していただけるという有難い閻魔様です。

こんにゃくえんま石柱

寺名は常光山源覚寺(文京区小石川2-23-14)です。白山通りの西片交差点を左に入るとこんにゃく閻魔さまの山門が見えてきます。山門入口は間口もそれほど広くなく、気が付かなければ通り過ぎてしまいそうな控えめな佇まいです。

閻魔堂

由来を紐解くと、お江戸宝暦年間のこと、眼病をわずらった老婆が思い余って閻魔大王に21日間 の祈願をこめたところ、夢枕に閻魔大王が現れ 「願掛けの満願成就の暁には、私の両目の内、一つをそなたに差し上げよう」 と告げられたといいます。 すると不思議な事に満願の日老婆の眼は治癒していたと…。老婆は閻魔大王の恵みに感謝して、あらためて本堂の像を見ると閻魔大王の右眼が ひび割れ盲目となっていたそうです。それ以来、老婆は好物であった「こんにゃく」を断ち、それを 閻魔様に供えるようになりました。 このことから、眼病治癒の閻魔様として江戸庶民の信仰を集めたそうです。但し、江戸の三閻魔には数えられていません。

狭い参道を進むと、それほど広くない境内の奥に閻魔堂が置かれて居ます。閻魔様が鎮座されている閻魔堂の扉は少し開けられ中を穿うことができます。前述の謂れの通り、閻魔様の右目がひび割れているのかを確かめてみましたが、言われてみれば「そうかな?」という感じでした。私自身、それなりの年齢がゆえに正真正銘の「老眼」で日常の生活でも読み書きに難儀しています。少しでも老眼が治ればと思い、こんにゃくを買って閻魔様へ捧げお願いをした次第です。

閻魔様に捧げたこんにゃく

ちなみに「こんにゃく」は「困厄」に通じるということで、「こんにゃく」をお供えして閻魔様に身替りを請い「困厄」 から逃れることを願う意味が込められているそうです。

そしてもう一つ、閻魔堂の右手に小さな祠があります。その祠には遠目でも2体のお地蔵様がいらっしゃることが分かるのですが、そのお地蔵様の足元から腰あたりまで、まるで雪が積もっているように白いものが覆っているのです。
祠の脇に「塩地藏尊」と書かれた由緒書が立っています。由緒書にはこんなことが書かれていました。

塩地藏様

歯痛で苦しむ人が塩を備えてお地蔵さんに祈り、なおったら塩を倍にしてお地蔵さんにお礼参りをする。という言い伝えがあるそうです。昔から「塩」で歯を磨くという慣習はあった訳ですから、日ごろの習慣として塩を使ってということではないにしろ、きちんと歯を磨きなさいという教えが込められているような気がします。

境内に目と歯に御利益がある有難い閻魔様とお地蔵様がいるのであれば、ついでに耳に効く何かがあればと見回したところ、私の勝手な解釈ですがあったんですね。なんと「毘沙門天」の祠です。

毘沙門天(多聞天)御堂

ご存知のように「毘沙門天」は別名「多聞天」とも言われています。常に仏を守護してその説法を多く聞くことから「多聞天」と名付けられているということは…、当然「耳」に関係しているのでは?
顔の中の目、歯(口)、耳の三つが境内に揃い有難い御利益が得られるのでは、と本当に勝手な解釈なのですが一理あると思われませんか?大変失礼しました。





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