大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

お江戸巣鴨のとげぬき地藏~すげえ!ここは婆さんばかりのパラダイス~【巣鴨岩槻御成道沿い】

2010年12月11日 23時09分55秒 | 文京区・歴史散策
JR巣鴨駅の改札口を抜け、白山通りにでるとそこはもう婆さんたちのパラダイス。何が可笑しいのか、楽しげに笑う婆ちゃん達の笑い声が聞こえてくる。旦那を家に置き去りにして、仲良し婆ちゃんが三人寄れば漢字の文字のようになんとも「姦しい」。

かなり昔に一度お参りにきた記憶があるのだが、これほどまでに婆ちゃんが群れている光景はなかったように思う。いったいいつ頃から「婆ちゃんたちの原宿」状態になったのだろうか?
聞きしに勝る婆ちゃんパワーが駅前広場にも溢れている。こんなパワーを駅前で発散するだけの元気があれば、わざわざ「とげぬき地藏」に長生きの願掛けをする必要もないのでは……と邪推する始末。

婆ちゃんたちの列の流れに身をまかせ、地藏通り商店街へと歩を進めていくことにしましょう。歩きながら婆ちゃんたちは、「○○のお煎餅は一袋5枚入りで90円で安いのよ。」「○○のお茶屋では無料で何杯もお茶を飲めるのよ。」「果てはあそこの○○は美味しくないから買わないほうがいいわよ。」なんて取るに足らない会話がいやでも耳に入ってくる。この会話の内容から、婆ちゃんたちは暇さえあれば巣鴨の原宿に遊びに来てるんだということを理解したのです。

それほど巣鴨とげぬき地藏は婆ちゃんたちにとっては楽しいところなのだろうか?婆ちゃんたちの楽しい話をかいま聞きながら歩くいて行くと、もう巣鴨地藏通り商店街の入口にさしかかってきました。

巣鴨地藏通り商店街入口

商店街のアーチをくぐると、そこは門前町の賑わいを通りこして、アメ横の賑やかさが巣鴨に出現したかのような様相。確かにお煎餅屋さんが通りの左右にちらほらとでてきます。5枚入り90円の煎餅屋さんはどこにあるのかな、と興味本位につい探してしまいます。

婆ちゃん好みの衣料品のお店には「赤」づくしの肌着や靴下などを売っています。これって還暦の祝いのためのものなのでしょうか?

通りの左右に軒を連ねるお店を眺めながら進んでいくと、とげぬき地藏の山門が右手に見えてきます。さて「とげぬき地藏」ですが正式の寺名は曹洞宗萬頂山高岩寺で、開基は今から約400年前の慶長元年(1596)の押しも押されぬ名刹・古刹なのです。



山門

当初、江戸湯島の地に開かれましたが、明暦の大火の前年に下谷屏風坂に移りました。明治に入って24年にここ巣鴨に移転し今に至っています。ご本尊は「とげぬき地蔵」として霊験あらたかな延命地蔵尊(秘仏)です。

心のトゲ、心の罪(トガ)まで抜いてくれると言われ、御影(おみかげ)は縦4cm、横1.5cmの和紙の中央に、高さ2.3cmの尊像が描かれています。のどに魚の骨がささった時、飲んだり痛いところに貼ると治ると言わています。まあ、年輪を重ね人間が丸くなった婆ちゃんたちには今更といった感もあるのですが、魚の骨よりも「入れ歯」が喉にささることのほうが心配ですよね。

ご本堂の左手に婆ちゃんたちの長い列ができていました。

洗い観音前の列

何の列かと列の先頭まで行ってみると、婆ちゃんたちが黒い観音様を水を含めた白い布で無心というより、何かにとりつかれたように撫でていました。

洗い観音

この観音様が「とげぬき地藏」かと列に並んでいる婆ちゃんに尋ねたところ、「ちがうわよ!洗い観音様よ。」「あんたも痛い場所があるんなら、観音様の体の同じ場所を布で洗ってさしあげなさい。そうしたら治るわよ。」へえ~。医者いらずの観音様だったんだ。

若くもないので体中痛いところばかりなのですが、あまりの長蛇の列でいつ順番が回ってくるかわからないので、次の機会ということで「とげぬき地藏様」をあとにしました。





日本史 ブログランキングへ

神社・仏閣 ブログランキングへ

お城・史跡 ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿