大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

知る人ぞ知る、亀戸は大根の名産地!【お江戸亀戸・香取神社】

2010年10月20日 16時30分15秒 | 江東区・歴史散策
亀戸で大根?今じゃ、畑も田圃もどこかへいっちまったというのに。いったい亀戸のどこで作ってんの?

おいおい。亀戸で大根つくってたのはお江戸の時代の話。ってことで、おいら亀戸大根の故郷へ一っ走り行ってきやした。

亀戸と言や、天神様。その天神様の境内から東へほんの少し行ったところに香取神社のお社が鎮座しておる。その昔にゃ、香取神社の裏側に梅見で賑わった梅屋敷があったそうだ。この香取様の周りで作っていたのが「亀戸大根」って呼ばれていたようだ。

香取神社の御社殿 
香取神社参道:結構長い参道

いつ頃から作ってたかって?
そりゃ古い昔からと言いたいところだが、実はお江戸も末の文久の頃だとさ。詳しくは分からねえが、文久元年から3年てところ。西暦にすると1861年から1863年頃だろうさ。安政の大獄が一応けりがついて、いよいよ幕末も佳境に入ってきたころに、お江戸のはずれの亀戸で大根作りとは、これまた豪気だね。

亀戸大根のプレート

江戸時代にゃ、他に三浦や練馬でも大根を作っていたにも関わらず、この亀戸大根が結構人気になったそうだ。その訳には、根っこも葉っぱも共に浅漬けにすると美味しかったらしい。きっと天神様のお参りの帰りに、我先にと買って帰ったんじゃないだろうか。

そりゃそうだ。三浦大根や練馬大根じゃ大きすぎて浅漬けにゃ、ちと難儀する。亀戸大根は普通の大根(青首大根)より小ぶりで、人参を少し大きくしたぐらいの大きさだったらしい。この大きさだったら、浅漬けにゃ、もってこいだ。

中川番所資料館の展示から拝借(真中が亀戸大根)

で、その亀戸大根っていうのは今でも作ってのかい?
亀戸辺りじゃ、もう無理な話で大根つくる畑も田圃もない。実は中川(荒川)を越した葛飾高砂で今でも作ってるって話だ。とはいっても2~3軒の農家で細々とっていう程度だから、とてもじゃないが市場に出回ることはほとんどない。
食べて見たい?そんなら亀戸の老舗「亀戸 升本」っていうところで亀戸大根の料理を食わしてくれるはず。
場所かい?JR亀戸駅を背にして明治通りを真っ直ぐ歩いていくと蔵前橋通りの交差点があるから、その右角にでかい構えの本店がすぐに見つかるよ。
お勧めかい?やっぱし「亀戸大根あさり鍋めし」なんぞどうだい。亀戸大根と深川のあさり飯のコラボっていうやつよ!

おっと忘れてた!香取神社の境内にゃ、この亀戸大根の碑が建ってるってことを。確かに大根の形をしとる。ちょっと見にゃ、どでかい砲弾のような形じゃがな。

亀戸大根の碑

もう一つ、本社殿の右に井戸があるんじゃが、実は亀戸という地名と関係が深いんだと。
亀戸の名前の謂れは「亀が井戸」らしい。その昔、この辺りは亀の形をした島に井戸があったことから「亀が井戸」と呼ばれたようじゃ。そこで、そこでじゃ、なんとその井戸を再現しようと(本当に掘りよった。)2003年4月に「平成の亀が井戸」が完成してしまったのだとさ。

復元!亀が井戸

ついでにJR亀戸駅前の宝くじ売り場(屋台)にゃ、縁起をかついでのことか、どでかい亀のたわしが飾ってあるんですね。もちろん天神様のお池にゃ、亀だらけ!

参考までに、亀戸大根の料理を召し上がってみたいとお考えなら、「亀戸升本」をおすすめいたします。
■升本本店
http://masumoto.co.jp/ja/honten/
住所 : 東京都江東区亀戸4-18-9
アクセス : JR総武線亀戸駅 北口 徒歩7分 / 東武亀戸線亀戸駅 徒歩7分
電話 : 03-3637-1533
営業時間平日  昼席:11:30~14:30(14:00 L.O.) 夜席:17:00~21:30(20:30 L.O.)
土日祝日 昼席:11:00~15:00(14:30 L.O.) 夜席:17:00~21:00(20:00L.O.)
定休日 : 毎月第3月曜日 ※1月、8月、12月を除く ※月曜日祝日の時は翌日火曜日 定休日

■お弁当店
すずしろ庵(亀戸十三間通り)
升本のお弁当を専門に扱う店舗ですが、店内に狭いスペースですがイートインができるようになっています。
電話: 03-5626-3636 (直通)
住所: 江東区亀戸2-45-8 升本ビル1階
営業: 年中無休





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