一般に、
ネコの平均寿命は10~15,6年と曖昧な記述ではあるが、そうらしい。
そう考えると、私の愛猫は何とも御隠居の域を超えてご長寿である。
この御隠居様…、
先日から、何だかお口が臭い。
年だから…と、
片付けてはいられなくなった。
「臭い、臭い、臭い…なんで?」
歯を診ようとすると、
「(イ)にゃッ!」
嫌がる。
しかし、
この匂い…
懐かしい…と言うべきか、
悪臭の再来と言うべきか、
五、六年前の口臭とそっくり。
この原因は、折れた牙だった。
何か堅いモノでもかじったのだろう、
バキッと右上犬歯が一本折れていた。
その後、口から悪臭が漂い、
あまりの臭さに耐え切れず、
近くの獣医に診せに行った。
ら、
ぐらり、
ぽろ…、
「あら」
抜けちゃった。
いわゆる、
自然抜歯?である。
それ以後、口から放たれる悪臭は減った。
※減ったというだけで、
無くなった訳ではない。
その後、
シニア用のエサはガツガツ食うし、
じじぃの割には、エラク元気だし、
放っておいた。
が、
再びこの悪臭が口から放たれるようになり、
いよいよ、
「きききき、牙がぁ!!!」
残っていた右下犬歯が前にせり出て、
何とも可愛くないしかめっ面した猫になっていた。
こいつは…、
先生に診て貰って、可愛い猫に戻して頂かば…と、
母に頼んで、獣医へGoして貰った。
で、診断結果と、
タルトのキバは?
「麻酔掛けて、永久に眠りから覚めなかったら困るって」
なぬっ!?
つまり、
平均寿命を超えた老猫に麻酔を掛けるリスクと
無理に牙を抜いて止血出来ないリスクを考えて、
治療を断念したという、先生は手を合わせて…、
「自然に抜けてくれることを祈って…、」
ビタミン剤と化膿止め、
計二本のお注射をブチ込んでくれたらしい。
タルト…
そこまで、じいちゃんだったんだと、
愕然とした。
寿命を越えた猫又猫仙人になっても、
魂の宿る体は、老体に変わりなく…。
いよいよ、
そっちの覚悟がいるんだなと思った。
生死の覚悟を持っても、
今は生きている。
ちゃんと生き切って貰わねば…。
昨日から何も食べていないので、
何か栄養を摂取してくれたらと、
ヨーグルトを口元に寄せてみた。
すると、
あっち向いて、ぷい。
こっち向いて、ぷい。
ぷい、ぷい、ぷい、
そして、
ぷんッ、
しかめっ面で押入れの中へ入ってしまった。
困った猫である。
その点、我が胎内の子は、
私が摂取するモノを何でも吸収してくれる。
良いモノも、悪いモノも。
しかし、
一旦産み落とされると、
口からの摂取する他…、
点滴、お注射しか術がなくなるとは、怖い。
歯は、生命を維持するに不可欠である。
歯で食べ物を咀嚼し、体内へ運搬する。
妊娠中である私の胎内へも、
着々と栄養が運ばれている。
妊娠初期の間に歯の無料検診が受けられるのだが、
それは、妊娠中期に胎児の骨が形成されるためで、
早めに歯の健康チェック、治療を済ましておくのだ。
母の摂取したカルシウムが胎児に運ばれて、
妊婦さんは歯が脆く、弱くなると言われる。
胎児の歯や骨を強くするのは、
母たる私に、責任があるのだ。
そういう基本的な事をわかっていながら、
飼い猫の健康チェックを怠ってしまった。
「気が付いてあげるの遅くなって…、ごめんね」
タルトの小さなおでこを撫でたが、
やはり、しかめっ面で、私を一瞥、
そして、
タルトは不貞腐れて寝てしまった。
飼い猫の体調…飼い主である私が、
気が付いてやらないといけない…。
なのに、
年だから、と言い訳でして…、申し訳なく思った。
最期までしっかり口で食べて、生き切って欲しい。
覚悟を決めながら、
命と向き合いながら、
母は、頑張ります。
ネコの平均寿命は10~15,6年と曖昧な記述ではあるが、そうらしい。
そう考えると、私の愛猫は何とも御隠居の域を超えてご長寿である。
この御隠居様…、
先日から、何だかお口が臭い。
年だから…と、
片付けてはいられなくなった。
「臭い、臭い、臭い…なんで?」
歯を診ようとすると、
「(イ)にゃッ!」
嫌がる。
しかし、
この匂い…
懐かしい…と言うべきか、
悪臭の再来と言うべきか、
五、六年前の口臭とそっくり。
この原因は、折れた牙だった。
何か堅いモノでもかじったのだろう、
バキッと右上犬歯が一本折れていた。
その後、口から悪臭が漂い、
あまりの臭さに耐え切れず、
近くの獣医に診せに行った。
ら、
ぐらり、
ぽろ…、
「あら」
抜けちゃった。
いわゆる、
自然抜歯?である。
それ以後、口から放たれる悪臭は減った。
※減ったというだけで、
無くなった訳ではない。
その後、
シニア用のエサはガツガツ食うし、
じじぃの割には、エラク元気だし、
放っておいた。
が、
再びこの悪臭が口から放たれるようになり、
いよいよ、
「きききき、牙がぁ!!!」
残っていた右下犬歯が前にせり出て、
何とも可愛くないしかめっ面した猫になっていた。
こいつは…、
先生に診て貰って、可愛い猫に戻して頂かば…と、
母に頼んで、獣医へGoして貰った。
で、診断結果と、
タルトのキバは?
「麻酔掛けて、永久に眠りから覚めなかったら困るって」
なぬっ!?
つまり、
平均寿命を超えた老猫に麻酔を掛けるリスクと
無理に牙を抜いて止血出来ないリスクを考えて、
治療を断念したという、先生は手を合わせて…、
「自然に抜けてくれることを祈って…、」
ビタミン剤と化膿止め、
計二本のお注射をブチ込んでくれたらしい。
タルト…
そこまで、じいちゃんだったんだと、
愕然とした。
寿命を越えた猫又猫仙人になっても、
魂の宿る体は、老体に変わりなく…。
いよいよ、
そっちの覚悟がいるんだなと思った。
生死の覚悟を持っても、
今は生きている。
ちゃんと生き切って貰わねば…。
昨日から何も食べていないので、
何か栄養を摂取してくれたらと、
ヨーグルトを口元に寄せてみた。
すると、
あっち向いて、ぷい。
こっち向いて、ぷい。
ぷい、ぷい、ぷい、
そして、
ぷんッ、
しかめっ面で押入れの中へ入ってしまった。
困った猫である。
その点、我が胎内の子は、
私が摂取するモノを何でも吸収してくれる。
良いモノも、悪いモノも。
しかし、
一旦産み落とされると、
口からの摂取する他…、
点滴、お注射しか術がなくなるとは、怖い。
歯は、生命を維持するに不可欠である。
歯で食べ物を咀嚼し、体内へ運搬する。
妊娠中である私の胎内へも、
着々と栄養が運ばれている。
妊娠初期の間に歯の無料検診が受けられるのだが、
それは、妊娠中期に胎児の骨が形成されるためで、
早めに歯の健康チェック、治療を済ましておくのだ。
母の摂取したカルシウムが胎児に運ばれて、
妊婦さんは歯が脆く、弱くなると言われる。
胎児の歯や骨を強くするのは、
母たる私に、責任があるのだ。
そういう基本的な事をわかっていながら、
飼い猫の健康チェックを怠ってしまった。
「気が付いてあげるの遅くなって…、ごめんね」
タルトの小さなおでこを撫でたが、
やはり、しかめっ面で、私を一瞥、
そして、
タルトは不貞腐れて寝てしまった。
飼い猫の体調…飼い主である私が、
気が付いてやらないといけない…。
なのに、
年だから、と言い訳でして…、申し訳なく思った。
最期までしっかり口で食べて、生き切って欲しい。
覚悟を決めながら、
命と向き合いながら、
母は、頑張ります。