ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

告げ口みたいで…

2011-08-31 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「どこで寝てんだ?」黒髪と体にまとわりついているわらを払ってやろうとしたら、
愛「ツネ様ッ」ガバァッ、抱き付いてきた。
義経「もう…」一人、何もしてやれない女がいる。継たちの妹で、猿の元許婚。
愛「東廻船で、逃げられました」
義経「…」という事は、葵は江戸経由 堺行、または、どこか寄合港で降りた…「分かった。ご苦労だった」と、黒髪を撫でた。する…と、わらが滑るように落ちた。
愛「はいッ」ニコッと笑って、俺の胸に顔を埋めた。ギュッ、抱き締め「会いたかった…」
この顔と態度が胡散臭い…空元気と虚勢、俺と奴を重ねてる…だから、
義経「いい加減、放せッ」言葉では突き放せるが、行動には、なかなか…移せない。
そこへ、いきなり戸が開き「匠君ッ、黒栖くん…」ガッ!?口が開きっぱッ
賀茂女「きゃぁ~!」二日連続で料亭中に叫び声が響き渡った…。そして、バッチーン、
チュンチュン、チュンチュン…
賀茂女「ご、ごめんなさい。つい…」
義経「つい?よく見ろッ。今度は俺が襲われたんだッ」与一と競った張ったの頬を冷やして、
愛「ふんッ」自慢の黒髪を大きく振って、
義経「愛ッ」パタン、部屋から出て行った。
賀茂女「何ッ、あの人ッ!」ムカつくッ!「昨日も、繭子さんにひどい事言ってッ」
義経「繭子に?」
賀茂女「あ…」告げ口みたいで「その…」決まり悪くて…、
義経「何があった?」賀茂女を逃がさないように腕を掴んだ。
賀茂女「イッ…」どうしよ、たじろいでいたら、
サブ「邪魔するよっ」と部屋に入って「賀茂女ちゃん、外してくれる?」
義経「…」パッと賀茂女の腕を放して、
賀茂女「匠君ッ」を探しに、逃げるように出て行く所を、
義経「賀茂女ッ」を呼び止め「アイツの朝飯も、頼むな」
賀茂女「…」ゆっくり、こちらを向いて「はい」と笑い返してくれた。タンと戸が閉まり、
義経「…で、あいつ、何やらかした?」
サブ「繭子さんに、ケンカ、売ってた」
義経「ケンカ?繭子だったら、啖呵切って、」
サブ「頼朝のスパイ、って