久しぶりにニーチェを読み返してみました。
おそらくこの本を最初に手にしたのは大学生の時です。
当時、社会学原論の講義をとっていて、その時の教授が
「私が君達のころは、公園に寝転びながら一日中ニーチェを読みふけっていたものだよ。」
と話されたことに興味を持ち、早速書店で、ニーチェの作品を立ち読みしてみましたが…
ご存知の方も多いと思いますが、ニーチェは人間の絶対的な生の価値を追求し続けた哲人です。
私ごとき浅はかな人間には到底理解困難な文章ばかり…
それでもなんとか食い下がるために、1冊購入したのが“若き人々への言葉”でした。
読み進んでいくと、ページの角を折り曲げているところがいくつかありました。
大学生のとき、そのページの内容に何かを感じ、印を付けておいたのでしょう。
何を感じたのか思い出すため慎重に読んでみましたが、もうあの頃の感受性は蘇って来ませんでした…
ただ一カ所だけは懐かしく思えるところがありました。
その文章は
「若き人々のタイプ…私にとって何かかかわりのある人々のために、私は、苦悩、孤独、病気、虐待、汚辱、を欲する。
私は彼らのために、深い自己軽蔑、自己への不信の拷問、克服された者の苦難、が味わわれないままではいないことを要求する。
私は彼らに同情を持たない。
なぜならば、私は彼らに対して、人が価値を持っているか、いないかを、今日において証明することのできる唯一のこと…
すなわち彼が抵抗するということを、欲するからである。」
私はこの文章は、ニーチェからの若き者への激励文であると思います。
“苦難を味わいなさい。
その苦難に立ち向かっていきなさい。
そのことが自分の存在意義を見出だすことになるのだから!”
ニーチェはそう語りかけてくれています。
あれから20年以上経ちますが、この文章とあの頃東北で孤独に福祉の勉強をしていた自分と再会することができて、また力が湧いてきました。
まだまだ若き者です。
立ち向かっていきます!