奇跡への絆

図師ひろき

雑感 6

2009年04月12日 23時13分42秒 | Weblog


 先日“おくりびと”を観ました。
 
 アカデミー賞受賞作品という事で、かなりの期待を持ってDVDの再生ボタンを押しました。

 しかし、冒頭部分はコメディタッチでがっかりでした。

 期待を裏切られつつも、納棺の仕事に本木さんがのめり込んでいく演技に、私は引き込まれていきました。

 本木さんは、繊細かつ丁寧な納棺の仕事内容に感動し、それを自分の天職と感じ取り、誇りを持って職にあたるようになります。

 当初、妻役の広末さんは、夫の仕事を恥と思い、仕事を変わらなければ離別も覚悟していることを伝えます。

 それでも本木さんは、仕事を続けます。

 そして、妻は夫の真剣勝負の場面を、垣間見ることに・・・

 これ以上は、是非映画かDVDでお楽しみください!
 
 
 私がこの映画で最も心が温かくなった場面は“石文”という言葉に出会った時でした。

 河川敷に何千、何万、何百万と転がっている石ころ。

 その石と自分の意思(想い)が重なる形の石を探し、見つけ、相手に届ける・・・それが“石文”です。

 ごつごつした石、尖った石、平べったい石、つるつる丸くなった石、不器用に小さくなった石・・・

 その石に寄せられた想いを、受け取る側は、一途に感じ、理解しようとする。

 交換された石が、お互いの想いが通じ合った時、その証として石は“宝物”となる。

 そんな場面があります。
 

 ここまで話してしまうと、ストーリーが分かってしまいますね・・・

 
 感情(想い)は、できる限り言葉にして伝えるべきです。

 でも言葉を超越して、伝える術(すべ)があってもいいと思わせてくれる映像が、この映画にはありました。


 時に、言葉は残酷です。


 言葉を重ねれば重ねるほど、会話を求めれば求めるほど、辛くなることもあります。

 そんな時、言葉以外に・・・それは感情的な行動ではなく・・・それは沈黙でもなく・・・想いが伝えることができれば、人はもっと優しくなれるはずです。

 あなたの石文は、どんな形ですか?