ひろかずのブログ・2

79歳のおじいさんです。散歩したこと、読んだこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、腹が立ったこと等々何でも書いてみます。

野口町をゆく(79) 大庫源次郎物語(6) 手製の教科書

2022-08-21 08:37:38 | 加古川市歴史探訪・野口町編

 

    野口町をゆく(79) 大庫源次郎物語(6) 手製の教科書

 源次郎は、百姓仕事に追われ、出席も危なくなりました。
 それに、予習復習の時間充分できません。ですが、通知簿には甲がずらりと並びました。
 高砂の町から通学する子たちは、親から教科書はもちろん、参考書も買ってもらい、風呂敷に包んで登校するのが普通でしたが、源次郎は、教科書も買えません。
 父と約束して進学した以上、40銭の月謝も肥え汲みや近所の子守り、野良仕事などのアルバイトで稼ぎました。
 そして、教科書は、全部写すことにしました。

 友達に頼んで新しい教科書が出ると借り暗いランプの下で、毎夜遅くまで、毛筆で半紙に写し取りました。
 写す間に教科書の内容もわかりました。手製の教科書が一冊でき上がると、級友より完全に一歩先にマスターすることができていました。
 「源やんの教科書」は、もう学校で誰も知らぬ者がいないほど有名になっていました。



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