2009年9月21日(月)[2]、ランドクルーザーの運転手は迷うことなく砂漠の中を猛スピードで走っていく。何も目印のない砂漠の中にいくつかの轍の跡がついている。どれが目的地へ向かう車の轍なのかがどうしてわかるのか不思議だ。通訳がついていないので英語の通じない運転手との会話は身振り手振りだけである。いろいろ聞きたいことがあったのだが会話は不可能だった。
やがて砂漠の中に人家が見え始めてきた。目的地サインシャンドである。時刻は11時過ぎであった。夜行列車は朝の8:30に到着予定だった。行程の遅れは何と3時間に短縮されていた。ただし我々は眠ることはできなかったが…。
2009年9月21日(月)[1]、昨日のフライトでもチェックインの時間が過ぎても出発できるかどうかの結論が出ず、結局2時間待たされてようやく出発となった。ウランバートル空港には真夜中の2時に到着。乗り遅れた夜行列車を車で追いかけることになった。ホテルで荷物を解いて準備をし、寝る間もなく早朝5時に先方の旅行社が急遽用意してくれたランドクルーザーでホテルを出発した。
うとうとしながら車に揺られ、ふと目が覚めて薄明かりに映し出された窓の外を見ると、何とモンゴルの草原は所々白い雪で覆われているではないか! 昨日の欠航は猛吹雪のためだったことを後で聞かされた。
間もなく東の空が群青色に染まり、何もない広大な草原に朝日が昇ってきた。これはさすがに感動の一瞬であった。
夜行列車で11時間を要するウランバートルと東ゴビのサインシャンド間460㎞の草原と砂漠を何と6時間で走り切り、半日分の遅れを取り戻してくれた。途中で停車したのは1回のトイレタイムの他は、馬とヤギとラクダが車の前を横切った時だけだった。