2012年12月28日(金) 先日製材したボードウオーク用の床板を、年明け早々から燻煙乾燥するために今日は燃料用の端材や製材屑を燃焼室に投入し、燻煙室に製材した材料を運び込む工程を見に行った。 燻煙乾燥に使う燃料は、製材過程で切り落とされた端材や製材屑を使い、これを不完全燃焼させて発生した煙でいぶしながら、約80℃になるよう温度をコントロールして約1ヵ月間かけて乾燥させるというものである。 温度のコントロールは燃焼室への空気の量で調節するもので、これはコンピュータではなく人の手で行われる。 したがって24時間乾燥室の温度は現場と事務室と社長の自宅で端末のモニターで確認できるようになっている。 それを見て社長から時々バルブ操作の指示がくるということである。 燃えやすい木材を火を使って乾燥させる訳だから常に火災の危険がある。 特に、不完全燃焼しているときは炎はほとんど出ないだろうが、何らかの理由で空気が入ってしまうと爆発的に燃焼しはじめるはずだ。 したがって乾燥室にも空気がはいらないように、シャッターの内側に空気を通さないゴム製のカーテンのような仕切りが設けられている。 乾燥室の壁面に数本の太いパイプがあり、煙はここを通って外部の煙突から排出される。 煙突で冷やされた煙からでた水分が木酢液として下のタンクに溜められる。 これを出来上がった製品に防腐・防虫剤として塗布する。 ボードウオークの床板に使えなかった雪国特有の根元の根曲がり部分は、曲線をもった木製ベンチに加工する。 これで間伐材を全て無駄なく使うことができる。 さらに数年おきに学生さんたちに木酢液を塗布してもらうことで耐久性を伸ばすことが可能と考えている。 一般に早く腐りやすいと思われているスギであるが、ランニングコストを含めた比較検討ができる実証データをとって行きたい。
〈製材端材を燃料として燃焼室に投入する。〉
〈隙間に切り屑も全て燃料として利用される。〉
〈ボードウオーク用に製材された板材〉
〈乾燥室に搬入開始〉