2009年8月21日(金)、山形県最上町の宮城県境付近には、芭蕉が辿った奥の細道が「出羽街道中山峠及び山刀伐(たちぎり)峠越」の名称で「歴史の道」として保存されている。宮城県側はもう鳴子温泉である。
その沿道にある「封人(ほうじん)の家」は320年前に芭蕉が泊まった旧庄屋有路家住宅である。
その時詠んだ俳句が「蚤虱(のみしらみ)馬の尿(しと)する枕もと」である。当時も馬が人と一緒の家の中で暮らしていたのは芭蕉にとっても珍しかったのだろう。ノミやシラミがいてかゆい上に、馬が小便をする音まで聞こえてよく寝られなかったその時の情景が目に見えるようで面白い。
ここ4年間最上町に通っているが封人の家の中に入ったのは初めてである。玄関を入るとすぐ右手が馬小屋になっている。このあたりの昔の人たちは、仕事をしてくれる大切な馬を家族と同じに扱っていたことがよくわかる。
〈今は国道47号沿いになった芭蕉が宿泊した封人の家〉
〈玄関を入るとすぐ右側が馬小屋になっている。3頭分の部屋が作られていた。〉