さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

アカガネサルハムシ

2018-06-15 22:12:30 | 昆虫

*2018年6月15日撮影

 東北南部も梅雨入りしたそうで、雨模様の日が増えてきました。
 今年も早く夏が来るのかと思っていたら、思いがけず寒い日が続いて困ったものです。

 曇り空の今日、きらきらと輝く小さな虫を見つけました。
 写真は、アカガネサルハムシというハムシ(葉虫)の一種です。
 アカガネは赤い金属光沢があることを示します。
 サルハムシというのはハムシの中で前肢が長い種類をいいます。長い手を猿に見立てたようです。
 ハムシは文字通り、葉を食べて生きる虫です。
 種ごとに食べる葉が決まっています。
 アカガネサルハムシは、ブドウ科の植物の葉を食べます。





*2018年6月15日撮影

 ハムシ類はたいていごく小さくて、アカガネサルハムシも体長6〜7mmくらいでしょうか。
 小さいけれど、しっかり目を近づけて見ると、これがじつに美しい虫なのです。
 体全体は金緑色に輝いていますが、翅が赤みを帯びた金属光沢があってきらめいています。
 
 とまっているのはノブドウの蕾だと思います。
 ノブドウの他にヤブカラシやエビヅルなどの葉を食べます。
 もちろんブドウの葉も食べるので、ブドウ農家にとっては害虫です。





*2018年6月15日撮影

 翅の色は個体によって違うようですが、美しい金属光沢という点では変わりません。
 人の目にはとまらないようなところで、こんなにも美しい生き物が生きているということに、ひそかに感動します。
 やっぱり「この世は美しい」のです。

ドクダミ

2018-06-08 22:11:13 | 草花

*2018年6月8日撮影

 今日も暑い1日でした。
 空は雲が多かったのですが、それなりに青空ものぞきました。

 地面にはドクダミが花盛りです。
 ドクダミの白い花びらは、じつは花びらではなくて総苞片というものなのだとか。
 花というのは中心の黄色い円柱状のもので、黄色いのは雄しべ、その間に白いある白いものが雌しべだそうです。
 ドクダミは花弁を持たない、ちょっと変わった花のようです。





*2018年6月7日撮影

 こうして咲き揃っている姿は見事です。
 でもしばらく経つと、葉が茶色に変色してきて、なんとなく汚らしい感じになります。

 ドクダミというのは、毒や痛みに効く薬草であることから、「毒痛み」が転じたものとされています。
 一方、ドクダミの悪臭を嫌い、旺盛な繁殖力を嫌うために、毒の草を意味する「毒溜め」と呼ばれていたものがドクダミになったという説もあります。

 薬草としては重宝され、10種の薬効があるという意味の「十薬」とも呼ばれました。





*2018年6月7日撮影

 咲き始めのドクダミはなかなか清楚に見えます。
 花びらではなく総苞片が4個。
 葉は縁が赤くなっています。
 どちらかといえば、日陰に多い印象です。

 昔のように摘み取って干して、薬として用いることはほとんどなくなったので、嫌な匂いの雑草にすぎません。

アメリカキササゲ

2018-06-07 22:01:12 | 樹木

*2018年6月7日撮影

 今日も暑い1日でした。

 大きな木に花が咲いていて、キササゲかなと思ったのですが。
 でも花の色が白くて、なかなか派手なので、これはアメリカキササゲなのではと思い直しました。





*2018年6月7日撮影

 とても美しい花です。
 キササゲというのは、ササギ豆のような細長い実がたくさん付くことから、ササゲのなる木というところでしょうか。
 本来のキササゲはかなり古い時代に中国から渡来したとされていて、黄色っぽい花を咲かせます。
 アメリカキササゲは北アメリカ原産で、明治時代に渡来しました。
 花が白くて大きかったので、花を愛でるための園芸用だったようです。今も庭や公園などに植えられています。
 どちらも10mを越す高木になります。





*2018年6月7日撮影

 アメリカキササゲの幹の様子です。

 キササゲ類の実は見た目にはササギ豆に似ていますが、中に豆は入っていないそうです。
 アメリカキササゲの実の姿と中身については、後日のお楽しみにとっておきたいと思います。
 

チャミノガ

2018-06-05 22:16:31 | 昆虫

*2018年6月5日撮影

 今日も良い天気でしたが、気温は30℃を超え、真夏日になってしまいました。

 会津の鶴ヶ城公園にはマサキの生垣がたくさんあるのですが、その一部にミノムシがたくさん発生しています。
 ミノムシというのは体に蓑のようなものをまとって、木にぶらさがっているお馴染みの虫です。
 近年めっきり減ってしまってあまり見かけないという声もあります。

 ミノムシという虫がいるわけではなくて、蓑をまとう虫を総称してミノムシと言います。
 たくさん種類があるそうですが、とりあえずオオミノガという蛾かチャノミガという蛾のどちらかであることが多いようです。
 この写真のミノムシは、蓑が枝を並べて筒状にしていることから、チャミノガであろうと思います。
 チャミノガとは「茶の木につく蓑を作る蛾」というわけです。
 チャミノガは茶だけでなくてたくさんの木にとりつきます。

 写真が小さいのでよく見えないかもしれませんが、蓑の上の方の先端に爪のような足が出ています。
 蓑から幼虫が顔を出して、マサキの葉を食べているのです。
 葉には大きく食べられたあとができています。





*2018年6月5日撮影

 蓑から幼虫が体を出しているところ。
 足を上にして逆さになっているので、右側が頭です。
 体の下半分は見えませんが、思ったより大きな虫が入っているようです。

 幼虫はこれから夏になると蛹化し、成虫へと脱皮します。
 雄の成虫は黒っぽい蛾になりますが、雌は成虫になっても芋虫状のままで、蓑の中で暮らします。
 雌は蓑の中へ産卵し、孵化した幼虫は新たな場所へと散らばっていきます。
 そして冬を越すために自分の蓑をつくり、そのなかで翌春までを過ごします。
 春になると旺盛な食欲で葉を食べ続けるので、その食害でしばしば駆除の対象になります。





*2018年6月5日撮影

 もういちど、チャミノガの蓑の姿です。
 この写真も、蓑の先端に幼虫が顔を出しています。
 爪状の足が見えると思います。

 蓑状の住処を自分で作ってその中で生きるという形にどうやって到達したのか、などと考え始めるときりがありません。
 命の不思議にはほんとうに限りがないですね。
 

 

セグロアシナガバチ

2018-06-04 22:22:41 | 昆虫

*2018年6月4日撮影

 今日も良い天気でした。

 セグロアシナガバチが青虫を狩る場面に遭遇しました。
 こういうのを見たくないという人は以下は見ないでください。

 この青虫は全身が薄緑色で目立った模様もなく、なんという蝶あるいは蛾の幼虫なのかは分かりません。
 セグロアシナガバチが自分よりも大きい青虫をつかまえています。





*2018年6月4日撮影

 セグロアシナガバチは、青虫をひっくり返し、人で言えば喉というか胸というかその辺にくらいつきます。
 青虫の体から緑色の体液があふれ出し、大きな滴になって垂れさがっています。





*2018年6月4日撮影

 青虫はもう全身がグズグズになって、生きてはいないと思われます。
 この大きな獲物をどうやって巣まで運ぶのか、かなり興味のあるところですが、残念ながらここまでしか観察できませんでした。
 アシナガバチは幼虫に食べさせるために昆虫類を狩るので、獲物は巣に持ち帰る必要があるわけです。





*2018年5月22日撮影

 さて最後に、セグロアシナガバチの背中の模様がよくわかる写真を一枚。
 ハチの体は一般的に、頭部、胸部、腹部に別れます。
 胸部と腹部の境目はくびれている部分ということになります。
 セグロアシナガバチの特徴は、胸部の模様です。
 まず頭のすぐ下、前胸部の背側には2本の縦の黄色い筋があります。
 その下、中胸部は狭い部分ですが、背側は黄色い色をしています。写真のハチは中央に黒い細い線があります。
 その下にある後胸部はごく狭い部分ですが、背側は黄色い色をしています。写真のハチは横長の黒い点があります。
 その下に、くびれているところまでは前胸部に匹敵する面積がある、前伸腹節という部分があります。
 その前伸腹節が黒一色であるというのが、セグロアシナガバチの「セグロ」の名の由来であるわけです。
 胸部と見えるところに腹節の一部があるという意味の「前伸腹節」でしょうか。
 言葉で説明するのは難しいものです。
 写真をごらんになって、お分かりいただければ幸いです。